モスクワ証券取引所のデリバティブ市場を例にとった取り引き価格の原則

24 12月 2015, 17:09
Vasiliy Sokolov
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目次


はじめに

2011年半ば、MetaTrader 5 トレーディングプラットフォームはロシア株式市場の『ロシアトレーディングシステム』(RTS)に認証されました。単一のモスクワ証券取引所内でモスクワ国際通貨取引(MICEX)と結びつけられたのです。まちがいなくこれは画期的な出来事です。それは多くのトレーダーが慣れ親しんだ信頼性の高い MetaTrader ターミナルを使用して株式取引を行うチャンスを開いたのです。最近もうひとつ重要な出来事がありました。MetaTrader 5 がモスクワ証券取引所のFX市場で利用可能となったのです。これは透明交換プラットフォーム上で 実際の為替スポット取引を可能とするものです。

これらすばらしい出来事にもかかわらず、特に外国為替トレーダーにとっては、為替取引はどこか神秘的なものです。本稿の狙いはその神秘を払いのけることです。それは HedgeTerminal を作成する多大な努力のたまものです。HedgeTerminal とは MetaTrader 5 内の特殊なシステムでそれによりトレーダーは快適に為替環境の条件下でトレード活動を行うことができるものです。

本稿はトレードを学ぶにはよいスタートポイントです。基礎を提供するものですので、経験豊かな為替トレーダーのみなさんにとってはなんら新しい情報は得られないことでしょう。ただ経験あるトレーダーとの現実のコミュニケーションにより、数々のシンプルな『為替の基本』は彼らにとって新しいことがわかります。もうひとつ重要なポイントは、為替取引の特殊性に関する情報はインターネットに蔓延していますが、構成は不十分で矛盾したものであることです。その上、多くの微妙な説明は単に使えないものです。そのため、単独のよく体系化された理解しやすい関連情報源を作り上げることが重要なのです。本稿がそのような情報源となることを願っています。

為替取引の全プロセスについての説明、価格化とクリアリング技術の理論が詳細に提供されており、主流のユーザーはアクセス可能です。本稿は式を多用して負荷をかけすぎていません。またこのサイトの資料内によくある MQL5 のソースコードは記載していません。情報は故意に読みやすい形式で書いています。スティーブン・ホーキング博士の著書『ホーキング、宇宙を語る:ビッグバンからブラックホールまで』の序文からの有名な言葉があります。

「私がこの本に書く方程式は売り上げを半減させるだろう、と言う人がいました。そこで私はまったく方程式を載せないことにしました。でも最終的に、一つだけ方程式を入れました。アインシュタインの有名な方程式 Е=mc^2 です。この式が私の将来の読者の半分を怖がらせなければよいのですが。」

著名な物理学者の例に従い、本稿から過剰を取り除き、最重要ポイントにのみ注目します。それを方程式やコンピュータコードではなく図、グラフ、表で表現します。ですがシンプル化はしません。

本稿で提供している資料は読者のみなさんが理解する精神的作業を必要とします。本稿はフィクションではありません。注意して読むことが必要です。


第1章 取引設定の理論


1.1. 売り手

通常のマーケットのように為替マーケットでは同じ商品を提供する売り手が複数いて、その商品を購入したい買い手が複数存在します。売り手はすべて売り値を 記載したいわゆるオファーを作成します。売り手は商品をできるだけ高く売りたいと思い、買い手は商品をできるだけ安く買いたいと思います。売り手は商品に対して異なる価格を設定することができます。異なる売り手から提供される商品が同一のものであったとしても、価格はさまざまです。このバラエティーは商品を入手するために要求される売り手の別の出費に由来します。また売り手はすべて独自の収益予想を持っています。それは必ずしも他者の予測とは一致しません。

価格は売り手数がひじょうに多いことでも変化します。売り手は一堂に会して、共通する寡占売値を決める ことはありません。価格決定のために幾人かの売り手が集まっても、その他の売り手がその例に従うことはありません。これは売り手グループが自分達の商品に対して高い価格を設定しても、買い手はまだ別の売り手からもっと安い価格で同じ商品を購入することができるということです。

これで異なる売り手からの同じ商品への価格は異なることを知りました。売り手から提供される商品が同じで価格が異なる場合、売り手はお互い比較し始めます。それは買い手が同じ商品を異なる売り手から異なる価格で購入する選択を持つためです。買い手はつねにもっとも安い価格で商品を提供する売り手を好むということです。

売り手の競争は表で説明するのが解りやすいでしょう。この表には複数の行があり、各行には売り手の名前、売り手が商品を販売する価格、販売する商品ボリュームが入っています。売り手はすべて限られた量の商品を販売するという事実があります。この販売量はオンス、または契約数その他でで表示されます。憶えておく別個とは、売り手のリソースと買い手のリソースには常に制限があるということです。売り手は無限の商品を販売することはできず、一方買い手は無限量を購入することはできません。それで売り手の価格に加え、表には売り手が販売できる商品ボリュームも入っているのです。同様に、買い手の表では購入することのできる商品ボリュームが記載されることになります。

表は価格でソートされます。最低価格を提示する売り手は表の最下段に、最高価格をつける売り手は最上段にあります。

金相場で数オンスの金を買いたいとします。この表の体裁で売り手によるサンプルの集計オファーがあります。

売り手、番号 価格、$/トロイ
金のオンス
オンス数
(契約数)
売り手 5 1280.8 13
売り手 4 1280.8 60
売り手 3 1280.3 3
売り手 2 1280.1 5
売り手 1 1280.0 1

表1 売り手のオファー

この表にはあとで戻ってきますが、いまは買い手に移ります。


1.2. 買い手

すでにお話したとおり、売り手に加え、先進国市場にはどこでも数多くの買い手がいます。買い手は 買い 値を記載したいわゆるデマンドを作成します。商品をできるだけ高く売りたい売り手とは異なり、買い手は商品をできるだけ安く買いたいと思います。

ただ買い手は商品の真価について異なる視点を持ちます。ある顧客にとっては高いものが別の顧客にとっては安く思えるのです。これは買い手が同じ商品に対して異なる価格を支払おうとしているためです。売り手同様、買い手も商品購入について独自の価格設定を行うことができるのです。たとえば、商品が売り手が注文の中で設定した特定の価格以上では売られないとすると、買い手は商品購入のために注文を出すことができます。

買い手が多くい過ぎるため、一堂に会して寡占入札価格を設定することはできません。任意の買い手または買い手のグループによって設定される十分低いとは言えない入札価格に競争力はありません。より高い価格で購入しようとする買い手が他に数多くいるのです。異なる買い手は同じ商品に対して異なる価格を支払おうとし、お互い競合します。これは売り手が異なる買い手に対して自分の商品を売る選択肢を持ち、売り手は常に自分の商品をより高い価格で購入できる者に対して販売したいと思うからです。

買い手同士の競争は売り手の競争を説明する同じ表で簡単に可視化されます。唯一の違いは、一番上の行に最高の買値をつける買い手が記載され、最下行に最低価格の買い手が記載されることです。

ここに金相場での例があります。これは買い手のサンプルデマンド購入です。

買い手、番号 価格、$/トロイ
金のオンス
オンス数
(契約数)
買い手 5 1279.8 2
買い手 4 1279.7 15
買い手 3 1279.3 3
買い手 2 1278.8 12
買い手 1 1278.8 1

表2 買い手のデマンド

売り手の表のように、この表にも買い手が喜んで買う商品ボリュームが記載された列があります。デマンドは無限ではなく買い手の資金により購入への欲求はつねに制限を受けることを覚えておきます。


1.3. 買い手と売り手の一致マーケットの為替の深さ

買い手と売り手を分析し、売買したい商品について期待するものが異なることがわかりました。こういった期待はソートされた表に著されます。ここで、商品に対して最低価格をつける売り手は売り手の表の最下行に記載され、最高価格を支払う買い手は買い手の表の最上行に記載されています。

これら表の行は特定の価格で特定の商品ボリュームを売買する トレードリクエスト または 注文 とみなされます。

これら表に記載のある情報はシンプル化することができます。まず特定の売り手または買い手情報は省略できます。というのもわれわれにとっては商品自体が重要なのであってだれがそれを売りたいか、買いたいかは重要ではありません。売り手1から買おうが売り手2から買おうがまったく問題はないのです。重要なことは商品価格と購入可能な量です。

売り手または買い手情報はとばすことができるため、提示されるボリュームと価格をシンプルなレベルにまとめます。これらレベルは、価格とすべて同じ価格について売り手が提示したまたは買い手がリクエストしたトータルボリュームを示します。

今度は銀相場についての別のオファー表を考察します。

売り手、番号 価格、$/トロイ
銀のオンス
オンス数
(契約数)
売り手 5 19.3 21
売り手 4 19.3 15
売り手 3 19.1 3
売り手 2 19.0 5
売り手 1 19.0 8

表3 売り手のオファー

ここで『売り手1』と『売り手2』、『売り手4』と『売り手5』はそれぞれが似た価格:$19.0 と $19.3 を設定しています。

情報価値のない列『売り手』を削除し、同一価格を1つのレベルに入れこの表をシンプルにして、ボリュームを合計します。

価格、$ /銀のオンストロイ オンス数(契約数)
19.3 36 (21+15)
19.1 3
19.0 13(5+8)

表4 売り手のトータルオファー

ここでは何人の売り手が $19.0 で銀を売ってくれるか判っていません。わかっているのは彼らの販売に対するトータルボリュームが 13 契約であることです。それが1人の売り手から提供されているのか13人からなのかわかっていません。そういうグループに集められた売り手は順番に自分の商品を販売します。

最初に注文を出した人が最初に商品を売る人です。明らかに提供されるボリュームを全部購入したい買い手がないと、他者の前に商品を売るため注文の列の最初にいることは重要です。なぜなら最後の売り手には買い手がつかないかもしれないからです。よって、高頻度のトレーディング またはHFTに関しては、発注のスピードがひじょうに重要になります。このトレード手法には特殊な装置と高速の通信チャネルが必要です。

われわれのシンプル化された表は数多くの有用な情報を見過ごしているようです。大きなマーケットプレーヤーから購入するのか、またほんの一握りの小さなマーケットプレーヤーが有用であるのか知ることです。発注時間と注文実行状態もまた有用な情報です。ただこれは大量のデータであり、そのようなデータが利用できたとしても、支払は別になります。たとえば、モスクワ証券取引所は追加費用でこの種の情報を持つ完全オーダーログを提供しています。

さて、われわれの表から不要な情報を削除したところで、表同士を比較することができます。このために買い手の表の一番上を売り手表の一番したとつなぎます。どっちがどっちか混乱しないよう、買い手と売り手に異なる色を使います。売り手にはピンク、買い手にはブルーとします。結果の表は市場の深さ または DOM と呼ばれます。

価格、$ /金のオンストロイ オンス数(契約数)
1280.8 17
1280.3 3
1280.1 5
1280.0 1
1279.8 2
1279.7 15
1279.3 3
1278.8 13

表5 マーケットの為替の深さ

異なる為替トレードターミナルでは違って見えることでしょうが、基本は同じです。この表は選択したトレードインスツルメントの買い注文と売り注文を表しています。

「市場の深さ」は MetaTrader 5 トレードターミナルではやや異なる表示となりますが、原理は似ています。

GOLD-9.14 先物取引に対する市場の深さ

図1 GOLD-9.14 先物取引に対する市場の深さ


1.4. MetaTrader 5 における注文タイプ

DOM がどのように動作するか確認します。17 オンスの金をまず買い、それからすぐに売ります。上述のようにわれわれの目的は注文またはトレードリクエストと呼ばれます。買い方を選択することができます。

  1. 必要なボリュームで売り手によってそのとき提示される価格で購入することができます。
  2. 要望する価格、必要な量で金を購入する注文を出すこともできます。

一番目の場合では、売り手が提示する価格に同意します。二番目では購入価格を自分で設定します。一番目の場合では、われわれの注文マーケットによって実行されます。二番目の場合では、われわれのリクエストには価格制限があり、それより低いと実行されず、指し値注文として共有 DOM に入れられます。

これはトレードが行われる方法の基本的相違です。それは注文実行に対する異なるメカニズムを伴い、トレード注文の実行特性を決定するものです。

われわれの意図は抽象的な概念ではありません。意図はトレードリクエスト注文で形式化されます。MetaTrader 5 におけるトレードリクエストは注文と呼ばれ、それには数タイプがあります。マーケットにより売買したければ、すなわ需要や供給によって出される価格に同意すれば、次のオーダータイプとなります。

  • Buy -オファーにより提示される現在の Ask 価格またはそれ以上の価格て買う。
  • Sell -現在の Bid 価格またはそれより低い価格で買う。
  • Buy Stop -現 Ask 価格が注文で指定した価格に等しいまたはそれより高いなら買う。この場合、注文時の価格は注文で指定した価格よりも低いことが必要です。
  • Sell Stop – 現 Bid 価格が注文で指定した価格に等しいまたはそれより低いなら売る。この場合、注文時の価格は注文で指定した価格よりも高いことが必要です。

自分が設定する価格で売買したければ、次のオーダータイプがあてはまります。

  • Buy Limit -注文で指定した価格に等しいまたはそれより低ければ買う。
  • Sell Limit -注文で指定した価格に等しいまたはそれより高ければ売る。

ストップや成行注文とは異なり、指値注文は実行価格がそこに述べられている価格より悪くならないことを保証します。

これらオーダータイプの他に MetaTrader 5 は特別なアルゴリズム オーダーとしてBuy Stop Limit およびSell ​​Stop Limitを提供します。これら特殊な注文は MetaTrader 5 ターミナルとそのバックエンドレベルで実装されます。実際、それらは MetaTrader 5 の合成またはアルゴリズムオーダーですが、為替オーダーではありません。それらはストップオーダーと指し値注文の組合せで、潜在的スリッページから生じる損失や非市場価格での実行を監視するのに重要な役割をします。


1.5. 『ディール』のコンセプト

トレードリクエストや注文は1つ以上の取引で実行されます。これら取引における相手方はわれわれの条件を満たす取引相手です。市場で金を2オンス売りたいとします。売り手は2人いて、各売り手は1オンスずつ売るとします。われわれは販売契約の交渉をするか、単にこれら売り手を取引をします。ある注文に述べられる判断は異なる2人の売り手(取引相手)との2件の取引で実行されることとなります。

注文とちょうど同じで、ディールは抽象的な概念ではありません。MetaTrader 5 ではディールは同じ名称の 『ディール』というコンセプトで表現されます。MetaTrader 5 では作成されたディールは『履歴』タブの『ツールボックス』ウィンドウに入れられます。

実行済みオーダーには最低1トレードあります。実行済みオーダーは複数のディールを持つ可能性があります。各トレードには取引相手はつねに1つです。1件のディールは2人のトレーダーとそのトレードアカウントに属しますが、トレーダーはだれもシステム内で自分のディールと注文しかみません。それがディールの識別子がユニークに見える理由です。

MetaTrader 5 では、アカウント上のいずれのブローカーの処理もディールとみなされます。もちろんそのようなディールは開始する注文を持ちません。

注文とそのディール間の連結は簡単に図示できます。

図2 ディールと注文の関係図示

Figure 2. ディールと注文の関係図示

ディールと注文の間の関係は一方方向であることにご注意ください。注文はディールが何に属しているか『知りません』。反対にディールはどこに作成されているかを基にした注文のユニークな識別子を持ちます。これは発注時にディールがまだ作成さないため、その識別子が知られないことを意味します。逆にマーケットディールの実行はつねに注文が先行するのでこのディールを開始する正確な注文を判断することがいつも可能なのです。


1.6. 売買プロセススリッページ流動性のコンセプト

売り手のオファーを受け入れマーケットの実行を選択するとします。

再び市場の深さを見ます。

価格、$ /金のオンストロイ オンス数(契約数)
1280.8 17
1280.3 3
1280.1 5
1280.0 1
1279.8 2
1279.7 15
1279.3 3
1278.8 13

表6 マーケットの為替の深さ

利用可能な全価格からもっとも低い価格を提示している売り手から金を買いたいと思います。最低額は $1280.0です。ただしこの価格で購入できるのは1オンスだけです。残りの16オンスは高い価格で提供している別の売り手から購入しなければなりません。価格 $1280.1 で5契約、$1280.3 で3契約、$1280.8で8契約購入します。17オンス購入の平均値はベストなオファー価格とは異なります。ではそれを計算しましょう。

(($1280.0 x 1 oz.) + ($1280.1 x 5 oz.) + ($1280.3 x 3 oz) + ($1280.8 x 8 oz.)) / 17 oz. = (10246.4 + 3840.9 + 6400.5 + 1280.0) / 17 oz. = $21767.8 / 17 oz. = $1280.46 /トロイオンス(1契約)となります。

購入した金の1オンスの加重平均値を計算しました。ベストなオファーより $0.46 高くなっています。これは売り手、買い手双方に有限の流動性があるためです。

流動性はマーケット参加者があなたから購入し、あなたが興味を示す商品量で市場価格に近い価格であなたに売る 能力です。

流動性が高いほどベストな価格で売買できる商品量は増えます。流動性が低いほど、平均の売買価格はベストな価格から遠ざかります。この効果はスリッページと呼ばれます。以下がその定義です。

スリッページは加重平均買い(売り)価格とベストな ask (bid)価格との差を言います。

より一般的に言えば、スリッページは加重平均買いまたは売り価格とこれを「買いディール」または「売りディール」にする注文内で指定する価格との差、と定義されます。ただしこの定義は不明瞭で問題を多く持ちます。なぜなら指定される希望価格が現価格よりも悪いものとなる(天文学的数値の差)ような方法でトレードリクエストをすることも可能だからです。とはいえ、この注文はすぐにマーケットによって実行されます。

現注文実行価格は注文で指示される価格よりも同様に天文学的値でよいということが、実際、トレードアカウント上で収益に変換されるプラスのスリッページを得たということではありません。まあ、「口先ばかりではなんの役にも立たない」です。そこでスリッページについてもっと正確な定義をします。

スリッページの効果は FOREX マーケットではほとんど目立ちません。このマーケットの流動性のバルクは銀行やといったプロの参加者によって提供されます。通貨を平均的個人トレーダーに売ったり買ったりすることはほとんど常にベストな bid や ask に対応します。これが市場の深さが Forex に対しては株式取引ほど重要でない理由です。

希望の金価格で購入したあと、上の表に表示される市場の深さは変化します。

金を売ってくれた売り手はマーケットを去ります。オファーを完了したためです。

価格、$ /金のオンストロイ オンス数(契約数)
1280.8 9






1279.8 2
1279.7 15
1279.3 3
1278.8 13

表7 市場の深さにおける流動性変化

ではここで買ったばかりの金ですがそれを買いたいという人に売る、ということをしてみます。こういった買い手は表の最下段に表示され、ブルーでマークされていることを思い出します。売り手同様、買い手の流動性もまた有限です。買い手に金を売ると、スリッページの形で追加コストが発生します。

市場の深さから解るように、2オンスを $1279.8 で、15オンスを $1279.7 で売ることができます。平均販売価格(金からのエグジット)はこの場合1オンス $1279.71 です。1279.7 での契約が少なければ、スリッページはより大きくなる可能性があります。

購入済みの契約を売った後、DOM 状態も変化します。今の状態は以下です。

価格、$ /金のオンストロイ オンス数(契約数)
1280.8 9










1279.3 3
1278.8 13

表8 市場の深さにおける流動性変化

われわれのアクションはインスツルメントの全体的流動性を減らしたことがわかります。前には金 26 オンス (17 + 3 + 5 + 1) 販売用にありました。今はたったの9オンスしかありません。

同じことが需要側でも起こります。金を33契約 (2 + 15 + 3 + 13)買おうとしていたトレーダーは今では16です。ふたたび一定量の金を買いたければ、十分な流動性がなく買い注文は部分的にしか実行されません。またはまったく実行されないこととなります。同じことが売りにも適用されます。それにも流動性が必要だからです。

ターミナルにおける現実の市場の深さは空の価格レベルを表示し、前述の表では白い空の行として表示されます。空レベルは非表示にすることも可能です。たとえば、MetaTrader 5 におけるまったく同一の市場の深さが最大化、最小化形式では以下のように形成されます。

空の価格レベルのある/ない市場の深さ

図3 価格差のある市場の深さ(右)と価格差のない市場の深さ(左)


1.7. なぜ価格は変動するのか?

われわれのアクションをチャートとしてビジュアル化します。そこで X 軸は条件付きで回数またはディールのシーケンスを、Y 軸は金の価格を表示します。

赤のラインはベストなオファー(Ask)の変動、ブルーはベストなディマンド(Bid)、グリーンは最終ディール(Last)の価格変動を表示しています。

われわれのディールはチャート上で三角形のように見えます。

時間経過に伴う価格変動のダイナミクス

図4 時間経過に伴う価格変動のスキーム図

チャートからわかるように、われわれのアクションはマーケット全体のダイナミクスを減らしただけではなく、価格も変化させました変更している価格は最終に決められたディールの価格です(Last)。最初に金を買い、それから異なる価格で打ったため、最終価格はアクションによってつねに変化しました。

ディールNo.4 と No.5 に注意します。両者は同じ価格です。これは同じ価格レベルに複数の売り手や買い手が同時に存在することに起因します。ただし、ディールにはすべてつねに二者しかいません。売り手と買い手です。複数の売り手が存在する場合、それぞれと1ディールの契約をします。ディールは異なるボリュームを持つことができます。ディールは価格レベルにあるティックの長いシーケンスを形成します。

ティックチャート上では、それらは複数の点(ティック)で構成される直線のように見えます。

図5 ティックのシーケンス

図5 ティックのシーケンス

MetaTrader 5 ターミナルは価格ダイナミクス変動図に似たチャートを提供します。それによってリアルタイムで Ask、Bid、Last 価格の変動をモニターすることができるのです。

このチャートを開くには、銘柄ウィンドウで必要なインスツルメントを選択し、「ティック」タブに切り替えます。

MetaTrader 5 における GOLD-9.14 のティックチャート

図6 MetaTrader 5 でのティックストリーム表示

このチャートでは、ベストなオファー価格()がブルーのライン、別疎なディマンド価格(Bid)が赤のラインで表示されています。最終ディール価格(Last)は前のチャートのようにグリーンラインで表示されています。

ディール(ティック)のフローは本稿のセクション『1.12 一般的な需要と供給、売りと買いの注文』の特別なビデオで見ることができます。

ベストの売り価格(赤のライン)とベストな買い価格(ブルーのライン)の差にご注意ください。この差はスプレッドと呼ばれます。ディールのたびにスプレッドは増えます。これはベストな価格で売買をしたい売り手と買い手の数が徐々に減少するためです。マーケットで可能な価格において売買をしたので、売り手の注文を満たし、そして買い手の注文も満たし、その後その人達はマーケットを去ったのです。マーケットの流動性を『飲み込んだ』と言えます。一方、マーケット価格はわれわれの処理に続いて変化しました。われわれのディールがなければ、買い手と売り手は相手方の提示した金額に同意する最初の人物が現れるのをただ待っていたことでしょう。

他の事柄の中で図はどの参加者がディールを開始したか-売買をしたい人、を正確に表示します。チャートから解るように、われわれの買いディールは Last 価格を Ask と等しくし、売りディールは Last を Bid と等しくしました。将来には、完了したディールすべての流れが MetaTrader 5 のトレードの特別な表『時間&セール』で見ることができるようになります。表は作成されたディールのすべて、そのボリューム、価格、ディールを開始した人-売り手か買い手か、を表示します。

このウィンドウは Quik ターミナルの以下のウィンドウのようなものです。

図7 Quik における全ディールの表

図7 Quik における全ディールの表


1.8. マーケットメーカー

強い価格変動のとき、スプレッドはひじょうに大きく、流動性は落ち込むことを覚えておくことが重要です。そのようなとき、マーケット価格でマーケットに参入するのはひじょうにコストがかかります。スリッページの値が相当なものになるのです。これは参加者の少ない流動性の低いマーケットで頻繁に起こります。相対的におだやかな時にもそのようなマーケットに参入することはスリッページとスプレッドのコストが高い可能性があります。コストを最小限にし、こういうマーケットでトレードするようトレーダーを促すには、プロのマーケットメーカーを惹きつけます。その人達の主な仕事はマーケットの流動性を合理的なレベルで保ち、スプレッドをマーケット価格から狭い範囲内に留めることです。

金に対する元の市場の深さを参照し、マーケットにマーケットメーカーがいるとそれがそのように見えるか確認します。

価格、$ /金のオンストロイ オンス数(契約数)
1280.8 17
1280.3 3
1280.1 500
1280.0 1
1279.8 2
1279.7 500
1279.3 3
1278.8 13

表9 市場の深さにおけるマーケットメーカー

$1280.1 と $1279.7 レベルに大量に集中しています。市場の深さはその量を誰が提供しているか、また何人の参加者がそれを所有しているか表示しません。多分それらはボリュームの大きい買いおよび売りのミラー注文を出す典型的なマーケットメーカーに属するものでしょう。マーケットメーカーの存在なしでは、平均加重金購入価格は $1,280.46 ですが、マーケットメーカーの存在によりそれは $1280.1近くになります。主要な量の金はマーケットメーカーから買ったのでしょう。セールの影響はわずかなものでしょうが、それはわれわれのボリュームがわずかなものだからにすぎません。

マーケットメーカーは為替マーケットの『擁護者』なのです。彼らは流動性を高め、スプレッドの拡張を防ぎます。ロシアオプション市場のような低流動性マーケットでは、通常マーケットメーカーはみなさんのディールにおける取引相手です。この場合、疑問が浮かびます。通常大企業であるマーケットメーカーがにみなさんと大量の売買をするなら、将来の価格変動予想はほんとうに正しいのでしょうか?

マーケットメーカーの取引は、彼らが手掛ける為替によって規制されています。マーケットメーカーは特定割合の時間または特定のトレード時間しかマーケットに留まることはできず、スプレッドを一定の限度内に保ち一定の流動性を提供するよう義務付けられています。為替相場はマーケットメーカーに対して、料金支払いやマーケットメーカーになんらかの料金を支払ったりなど一定のメリットを提供します。

ただし為替相場はマーケットメーカーに対して収益を保証することはありません。彼らは収益を発生させながら為替ルールを遵守し独自のアルゴリズムを作成します。マーケットメーカーの成功は支払うコミッションコストが低いことにるところが大きいのです。一般的な為替レートを完済することのない数多くの戦略が手数料を減らすことで収益を生み、マーケットメーカーはそこから恩恵を受けるのです。


1.9. 指し値注文とその実行

注文のマーケット実行について詳しく検証し、そのような注文実行から生じる効果について説明しました。

ここではスリッページに耐えることなく、また売り手と買い手によって提示される価格に同意しないことを想像してください。その代り、われわれは独自の売り価格と買い価格を設定します。そうして商品を購入したいとき、売り手に価格を言い渡します。また、売りたいときには買い手に対しても価格を設定します。もう一度金の 17 契約を買いますが、今回は指値注文をします。

ここに元の市場の深さがります。

価格、$ /金のオンストロイ オンス数(契約数)
1280.8 17
1280.3 3
1280.1 5
1280.0 1
1279.8 2
1279.7 15
1279.3 3
1278.8 13

表10 マーケットの為替の深さ

金を買いたいという別の参加者がいます。ベストな買い手価格は $1279.8です。われわれが可能なベスト価格(マーケットで可能な)を設定し、17オンスの金を $1279.9 以下で買おうとしているとします。そこで金を指定価格で購入するため特別な指値注文を出します。

注文が送信されると、その他の参加者の注文と共にそれは「市場の深さ」に表示されます。

価格、$ /金のオンストロイ オンス数(契約数)
1280.8 17
1280.3 3
1280.1 5
1280.0 1
1279.9 17
1279.8 2
1279.7 15
1279.3 3
1278.8 13

表11 「市場の深さ」における指値注文

市場の深さは変化しました。金を17オンス買いたい買い手がわかります。それはわれわれです!

われわれそしてマーケット参加者すべては今われわれの注文を閲覧することができます。今手持ちの金をマーケットで売りたい人はだれでも最初にわれわれに売り、そそれから次の買い手に移っていきます。なぜならわれわれの買いオファーがベストなオファーだからです。ただしマーケット実行とは異なり、われわれの指値注文実行は保証されていません。金を売りたいという売り手がいなければ、われわれの指値注文は『市場の深さ』に留まることとなります。ディールは成行注文によって開始されるのであって指値注文ではないことを思い出してください。

また、買い手はマーケットによって金を買いに来るかもしれません。それは上向きのスリッページのため最終ディール価格を変えることとなります。その他の買い手はこの変更に対応し、われわれの注文の上に指し値注文を出します。こうなるとわれわれは一番から注文の列に移動することになるのです。

これはマーケット価格でだれかが金を10契約購入したあと「市場の深さ」が変わる方法です。

価格、$ /金のオンストロイ オンス数(契約数)
1280.8 16






1279.9 17
1279.8 2
1279.7 15
1279.3 3
1278.8 13

表12 市場の深さでの変動

買い手が出現すると、その買い手がわれわれのオファーよりも高い閣下うで金を買うつもりがあれば、われわれは下に移動することとなります。

価格、$ /金のオンストロイ オンス数(契約数)
1280.8 16
1280.3 15
1280.1 10
1280.0 3
1279.9 17
1279.8 2
1279.7 15
1279.3 3
1278.8 13

表13 市場の深さでの変動

われわれの指値注文は「市場の深さ」の真ん中に移動しました。われわれはベストの買いオファーに太刀打ちできませんでした。価格が上がり続ければ、われわれの注文はまったく実行されることがありません。


1.10. 注文の部分的実行

注文の部分的実行は為替実行のもっとも重要な性質のひとつです。部分的実行はマーケット内の流動性が十分でない場合や指値注文が出される場合に発生します。

為替の指値注文の興味深い特徴はその中で指値を述べる機能です。それは現価格よりも悪い価格となります。

DOM を再び見ます。

価格、$ /金のオンストロイ オンス数(契約数)
1280.8 17
1280.3 3
1280.1 5
1280.0 1
1279.8 2
1279.7 15
1279.3 3
1278.8 13

表14 マーケットの為替の深さ

指し値買い注文を設定し、その指値を $1280.0 以上、たとえば $1280.3 とします。この場合、われわれの注文はどのように実行されるのでしょうか?

市場の深さでは、こういった売り手はわれわれの述べ価格を上回る価格かまたは等しい価格で商品提供します。彼らのトータル数量は 9 オンス(1 + 5 + 3)です。

為替相場は彼らの指値注文をわれわれの注文と一致させず、残りの 8(17 - 9 = 8) オンスの金はこういった売り手の場所の() DOM 内に表示されます。

価格、$ /金のオンストロイ オンス数(契約数)
1280.8 17
1280.3 8
1279.8 2
1279.7 15
1279.3 3
1278.8 13

表15 指し値注文の実行

われわれの指値注文は部分的にのみ実行されました。述べたボリュームの一部は可能な売り手によってすぐに埋められ、残りの部分は DOM 内で新しい売り手を待ってそのままとどまっていました。これは為替実行モードで処理をするあらゆるトレーディングシステムについて重要なことです。注文の部分的実行と、現行価格よりも悪い価格で指し値注文が出されることを可能性を考慮する必要があります。われわれの指値注文の今後の寿命は不明です。高流動性マーケットでは、完全に満たされているようです。われわれの価格に同意する売り手がやってきて、われわれの要求を満たします。注文は取り消されるまで部分的実行のままになる可能性もあります。

指し値注文では、最大スリッページの管理が簡単です。特定レベルに制限したければ、ただこのレベルで指し値注文を設定します。一方、その実行価格は指示された価格よりも悪くなることはありません。もう一方で、つねにそれをすぐに満たす流動性がいくらか、少なくとも部分的にあります。


1.11. 指し値注文と成行注文の特性

注文の基本タイプについて考察しました。今度はマーケットの特性と指し値注文についてお話する番です。この重要かつ基本的な性質概説します。

成行注文はその履行を保証しますが、実行する価格は保証しません。指し値注文は実行する価格を保証しますが、実行は保証しません。

成行注文は悪い価格に変更し、スリッページの対象となりますが、つねに実行されます。指し値注文は価格を変更することはなく、スリッページの対象ではありませんが、実行は保証されません。

もちろん成行注文の実行が流動性のないところ失敗する可能性があります。ただそのような低流動性のマーケットは避けるべきで、極端なケースは考えません。

また注文は2件以上のディールを締めて実行することを知りました。注文は完全に実行される、部分的に実行される、全く実行されない可能性があります。信頼性のあるトレーディングシステムを開発する際に考慮すべき重要な特徴があります。こういった特性はT Hedge Terminal タイプのシステムにとってもっと重要です。そこではディールと注文はお互いに結合し、エントリーポイントとエグジットポイントを持つ単一の論理的トランザクションを構成するようになっています。またストップロスとテイクプロフィットを取り入れる注文をサポートするようにもなっています。

トレーダーはどのタイプの注文を使用するか判断します。ただし、どの注文タイプも別のタイプに勝るメリットはありません。変動の激しいマーケットでは、指し値注文を出して部分的に実行されるかまったく実行されないよりは成行注文を用いて大きいスリッページで参入するのがよい時があります。

高流動性マーケットでは、小さいボリュームをトレードする際、スリッページは小さく、成行注文の結果費用は部分的実行で失う収益のコストよりも低い可能性があります。一方、低流動性の遅いマーケットでは、成行注文を出すことはひじょうに危険です。それらはおおきなスリッページにつながる、またトレーダーを破産させる可能性があります。いずれにしても期待値とマーケットが提示する価格のバランスを保つようにしてください。


1.12. 一般的な需要と供給、売りと買いの注文

指し値注文とその実行特性を分析し、いくらか興味深い特性に進むことができます。それはモスクワ証券取引所のような集中型の為替相場に見られるものです。

日々何万人というトレーダーが為替相場で取引を行っています。その多くは指値注文を出し、数多くのトレーダーは現行価格で買いをします。現行価格での取引は即時実行されます。相対的に言うと、トレーダーはマーケットに参入し、現行価格と買いを確認します。

買う瞬間までトレーダーの関心はわかりません。状況は指値注文では変わります。

憶えているように、指値注文は価格を変えません。一般に「売り」または「買い」価格が適切なものになるとそれは DOM に設定され、実行を待ちます。このため為替相場はそのような保留の意図について興味深い統計を収集します。たとえば、リアルタイムで売り手および買い手のトータル数を見ることができます。また、需要と供給のトータルボリュームもみることができます。

  • 総需要は指値(未決)価格で買う契約すべての数量です。時事、それは需要サイドからの DOM の総流動性です。
  • トータルオファーは指値(未決)価格での売りの契約数です。総需要に類して、総供給は供給側からの DOM の総流動性を示します。
  • 売り手総数は指定の指値で資産を販売したい売り手の総数です。
  • 買い手総数は指定の指値で資産を購入したい売り手の総数です。

総需要/供給ダイナミクスと参加者数変化についての情報は予測群衆行動を基にした興味深い戦略を開発するのに役立ちます。そのような戦略は「感情分析」と呼ばれます。

為替相場が特殊なため、この情報はリアルタイムで入手可能です。MetaTrader 5 はこの情報を受信します。ただターミナルは Quik のようにこのウ情報を視覚化する表やグラフを提供しません。それでも MetaTrader 5 向けの特殊プログラム言語 MQL5 を使用すると、この情報をユーザーのニーズに応じて正確に表示するあらゆる種類のユーザーテーブルや特別なティックチャートを作成することができます。そのようなプログラムの開発は本稿の範囲を超えていますので、ここではそのような『インディケータ』をプログラムすることはしません(時間がかかるタスクではありますが、それはひじょうにわくわくするものです)。

既製のソリューションを使用しましょう。何千という異なるプログラムが MetaTrader 5 用に書かれています。それらは無料の「コードベース」や MetaTrader 用のトレードアプリケーション専門のマーケットで入手可能です。

無料アプリケーションも有料アプリケーションも「マーケット」で入手可能です。そのようなプログラムの一つがYuri Kulikov 氏による IShift です。それは需要と供給の変化や為替契約を売買したいトレーダー数をリアルタイムで監視するために設計されています。これは正確にこういったプロパティを実証する必要のあるものです。

このプログラムでは、需要と供給のダイナミクスが一番上に表示されます。ビデオの冒頭では矢印 "Session buy/sell volume sentiment"によって強調されています。


この情報は集中型の為替相場でのみ利用可能です。これにより集中型の為替相場でのみ動作するユニークな戦略を作成することが可能となります。


1.13. MetaTrader 5 および MetaTrader 4 におけるマーケットの注文執行システムとトレードプレゼンテーションの比較

以前のターミナルバージョン MetaTrader 4 はシンプル化されたトレーダーのアクション表現を提供します。MetaTrader 4 ではトランザクションはすべて実際に注文として表示されます。MetaTrader 4 における注文は保留、取消済み、アクティブ、クローズ済みです。為替相場における『オープン』、『クローズされた』注文のコンセプトは漫然としています。というのも前述のように為替注文は売買注文だからです。注文は実行されるかされないかです。注文は現価格では『クローズ』されたり売り戻されたりすることはできません。この注文を基に購入した資産は、為替相場に逆の注文を出して売るか買い戻しができるだけです。

よって為替注文、特に MetaTrader 5 の注文は特に MetaTrader 4 の注文のコンセプトとは異なります。An order in MetaTrader 4 での注文はマーケットエントリーとエグジットの組合せたトランザクションタイプです。オプションで追加条件を入れ、このトランザクションにおける最大損失(ストップロス)に制限をつけたり、利益レベル(テイクプロフィット)を一定に固定することができます。MetaTrader 5 での注文はあるべき姿です。売るか買うかの注文です。

MetaTrader 4 では実行された注文はだれが処理を行ったかわかりません。一方 MetaTrader 5 では注文はディールによって実行されます。ディールによって何人の契約者がわれわれの注文をどんな価格で実行したか知らせます。この情報の利用可能性は実行の透明性を高めます。

MetaTrader 5 で市場の深さを分析しているとき、ディールに入る前におおよそのスリッページを計算することができます。それは MetaTrader 4 ではできないことです。

MetaTrader 5 は注文とディールが独立していることで部分的な注文充填の透過モードを提供します。事実、この注文に関連するディールのトータルボリュームは注文で指定される量に等しい、それは注文は実行されることを意味します、または注文で指定される量より少ないかです。そして注文は処理中または部分的に実行済みとみなされます。MetaTrader 4 では注文実行は現実の条件で大量のトレードにおいて部分的の可能性があります。この場合、部分的充填が流動性の実際の欠如の結果なのか、または成功したトレードに対するブローカーの反作用によるものかどうかは明確ではありません。ただ部分的実行(ディール)を確認する情報が提供されないだけです。

単に特殊なケースのトレードリクエストの実行は離散的(瞬間的な)事象であるかもしれません。注文の実行には時間がかかることがよくあります。指し値注文の部分的充填について説明したセクションでそのような実行例を確認してください。この注文の一部は複数ディールによって埋められ、その他の部分は『スタンバイ』モードに入り適切な価格を待ちます。この場合の注文は実行途中でもっともっとディールを作ります。

ディールのために注文状態はつねに極端に明確で透明です。注文実行状態は必要なときいつでもモニターすることができます。MetaTrader 4 では注文状態は実行中確定されません。実行中注文に何が起こっているか知ることはできないのです。


第2章 モスクワ市場のデリバティブクリアリング方法

本章ではモスクワ市場のデリバティブセクションですでにトレードを行っている方、まだこの為替相場を見守り将来デリバティブをトレードしようと計画している方を対象としています。

第1章で特定の交換価格についてお話しました。ここでは交換が当事者間のトランザクションを規制する方法を学習します。この情報は為替ブローカーがわれわれのポジションと出したディールをどのように見ているか理解するのに役立ちます。この見解は MetaTrader 4 で提示されているものとは大きく異なります。そこではトレードアクティビティはすべて個別のトレード結果を持つ独立したトランザクションであるとされています。

モスクワ証券取引所のデリバティブ市場の例によってクリアリングについて説明します。すなわち先物とオプションが取引されているセクションです。これは2011年に MetaTrader 5 がRTS に認定された(ロシアトレーディングシステム)ことによります。RTSは 単一のモスクワ証券取引所内で MICEX (モスクワ国際外貨両替)と連結されたものです。


2.1. 先物のコンセプト

先物とオプションに基づく先物はモスクワ証券取引所のデリバティブセクションで取引されます。

先物とは金融商品の供給に対して標準化された契約で先物の満了と呼ばれる特定の日付まで有効なものです。

商品は企業株式、金、通貨、物理的な実態を持たない株式インデックスなどの資産で表されます。先物の契約は売り手と買い手の間の契約です。売り手は将来時点(決済日)の資産を提供することを約束し、買い手は合意の価格で売り手から資産を購入することに同意します。明らかに資産価格は決済日によって上下します。このため先物契約の売り手と買い手は価格変動に伴うリスクを引き受けます。

先物有効期限で価格が低いことは売り手にとって有利です。なぜなら売り手はすでに高い価格で資産を売却しているためです。高い価格は買い手にとって有利です。それは買い手はすでに低い価格で資産を購入ししてるためです。このため契約交渉時の価格と決済日の価格差が重要となります。売り手と買い手は商品を物理的に届けないよう交渉します。その代り、売り手と買い手は単純に契約交渉時と期限の価格の差額を受け取ります。この種の先物契約の決済は現金決済と呼ばれています

逆に商品が物理的に配達される有効期限後の先物は現物と呼ばれます。配達手順の説明は本稿の範囲を超えているので、われわれの例では先物は現金決済先物とします。理解が簡単ですし、有効期限までの決済モデルは現物先物と同様です。実際、現金決済先物は差額に対する契約、または二者間で交渉される CFD(差金決済契約)に似ています。ただしこれはおおきな透明性を特徴とし、 モスクワ証券取引所のデリバティブセクションのような集中型の取引プラットフォームで取引されます。

決済時に価格変動により当事者の一人がマイナスの結果を出し、別の人がプラスの結果を出すことは明白です。両者の結果はでは絶対的に異なりますが、モジュロでは等しいものです。よって先物取引はゼロサムゲームであると言えます。損失と収益の金額が当事者全員に等しい その中で不均衡に分配される可能性があるため、情報の乏しいマーケット参加者を犠牲にして利益をあげることが可能です。

次の例を分析します。2014 年8月5日 10:00am、金の現金決済先物を $1292.1/ トロイオンスで購入しました。それはロングポジションにエンターしたということです。この先物の有効期限は2014年8月7日 18:45 です。この時までに金の価格が上がり $1306.6 になるとします。われわれの契約の第二者はこの価格の差額を支払うことに同意します。

よって満了時、相手方から $14.5 ($1306.6 - $1292.1 = $5.14)の利益を受け取ることになるのです。金の価格がこのとき下がるとわれわれが差額を支払うことになります。

下図はこの状況を示しています。

図8 先物取引と満了時

図8 先物取引と満了時

縦の点線はポジションエントリーと先物契約の満了によるエグジットを示しています。

ただし、満了を待つ必要はありません。別の参加者に購入済み契約を売却することでいつでもディールから抜けることはできるのです。

この場合、決済は満了時と同様です。契約購入額と売却額の差額を口座から支払うか口座へ入れられます。ただこの価格差の計算方法には特徴があります。後にこの違いやニュアンスを学習します。


2.2. 『オープンインタレスト』と『オープンポジションのトータル数』のコンセプト

ひじょうに興味深い特性は先物定義から導かれます。それはこの契約タイプにのみ当てはまるものです。

株式や通貨といったスポット商品とは異なり、先物にはつねに契約者が二人存在します。うちの一人が契約を売り、別の一人が買います。

トレーダーA が先物契約を買おうと思ったとします。マーケットには選択肢が2つあります。

  1. トレーダー A は、 前に購入した契約を売ろうと思っているトレーダー B から先物契約を 再購入することができます。実際、トレーダーBはトレーダー A に対する契約で自身の権利を割り当てています。この場合、新規先物契約にエンターする必要はありません。トレーダー B からトレーダーA への古い契約を渡すだけでよいのです。この場合のトレーダーB はマーケットを去り、逆にトレーダー A はその場を引き継ぐのです。参加者のトータル人数は変わりません。
  2. マーケットにエンターしたものの、トレーダー A は契約所有権を移そうとしている参加者を見つけることはできません。この場合、トレーダーは新規トレーダー C が新規契約について交渉したいと思うのを待ち、先物を売却して新規契約を結び、新しいトレーダーに先物を売るのです。ここでは参加者トータル人数は 2 人増えます。新トレーダーAC がマーケットにやってくるのです。

ポジションのトータル数は先物契約が結ばれていたポジションのトータル数です。どの契約にも取引相手は2人いるためそれは常に偶数です。

オープンインタレスト または OI は交渉済みの先物契約数を言います。OI の値を取得するには、ポジションのトータル数を2で割ります。

メンバーのトータル数も上下します。同様の理由で、ディールの反対側にいる2人のトレーダーがお互いにマーケットから出たい場合、彼らの契約は取り消しとなります。この場合、メンバーのトータル数は2人分減ります。そしてトータル契約数を示すオープンインタレストは1減ります。これは1契約が2者に相当するためです。

特殊な構成により、モスクワ証券取引所は独自にリアルタイムでマーケット参加者のトータル数を追跡することができます。他のマーケットではそういった情報は制限されているのが普通です。たとえばFor example, on シカゴ・マーカンタイル取引所 (CME)では「オープンインタレスト」に関する情報は1日の終わりにだけ計算されトレード完了数日後にしか公表されません。

MetaTrader 5 では「オープンインタレスト」に関する情報(オープンしているポジション数)はリアルタイムで閲覧可能ですが、その情報にアクセスするには MQL5 の特殊なプログラムが必要です。これについての情報とそのプログラムの一つは本稿のセクション『1.12. 一般的な需要と供給、売りと買いの注文』で入手可能です。


2.3. 先物証拠金『レバレッジ』のコンセプト

先物は商品そのものというより商品契約であるため、商品をしょゆすることなく売買を行うことが可能です。一方で、参加者は価格に関わらず商品を取引することができます。もう一方でその絶対価格の変動は為替参加者の小さなデポジットには大きすぎます。

金の価格が $1292.1 から $1306.6 に変わったら、その価格は 1.1% (($1306.6 - $1292.1)/$1292.1)増えたと言えます。またアカウントに $100 持って先物の売り契約にエンターする場合、金の変動価格 同様、-14.5% に相当する $5.14 がアカウントから支払われます。これは大きな数字です。

各々の能力に応じマーケットでディールを行いたい参加者の要望のバランスをとるために、為替相場は当初証拠金 または IMを課します。これは参加者の支払い能力を保証する役割をする特別なデポジットです。当初証拠金と先物契約の現価格レベルの比率は最大レバレッジと呼ばれます。従来の定義によるとレバレッジは資本と資産を購入するための借入資金比率であるとされています。先物取引では、借入資金のコンセプトはありません。これは商品を物理的に購入することがないためです。ブローカーはわれわれに信用を与え、その使用に対し金利は支払いません。

モスクワ証券取引所のデリバティブでの金取引に対する先物契約の使用例を考察します。

モスクワ証券取引所へのアクセスを提供するあるブローカーに接続した MetaTrader 5 を開き、銘柄リストで選択可能であれば "GOLD-9.14" を選び、なければ『シンボル』ウィンドウからそれを追加します。

図9 MetaTrader 5 メニューからインスツルメント仕様へのアクセス

図9 MetaTrader 5 メニューからインスツルメント仕様へのアクセス

マウスを右クリックしこのインスツルメントのコンテキストメニューを開き『仕様』に行きます。

図10 先物契約仕様ウィンドウ

図10 先物契約仕様ウィンドウ

このインスツルメントの当初証拠金額は『当初証拠金』フィールドで指定されます。それは 5267.08 ルーブルです。モスクワ証券取引所の計算はすべてルーブルで行われるため、すべての値はルーブルで指定します。この数字は何をいみするのでしょうか?

契約が締結されると、ブローカーは証拠金としてこの金額をアカウント上でロックします。トータルのアカウントバランスが 5268 ルーブルであれば、1トロイオンス分売買するために先物契約を購入することができます。よって、現在の金価格 $1292.1 と1米ドルに対するルーブルの交換レート 38.7365 があれば、条件付きレバレッジは ($1292.1 * 38.7365)/5268 rubles = 9.5 または 1:9.5 となります。

当初証拠金は先物契約の基本となる商品価格よりもかなり低いため、先物と無リスク資産を組み合わせた複雑多様化戦略を使うことが可能です。たとえば、ただ金を買うだけでなく、現金決済先物の金をレバレッジ 1:1 -当初証拠金と同額のアカウント上のデポジットと誤った方向への価格変動のリスクをカバーする追加資金、で買うことができます。同時に銀行の金利の無リスクアカウントに対する残りの金額をデポジットとします。


2.4. クリアリングのコンセプト

価格は契約交渉のときから満了までに大きく変動する可能性があります。売買価格と、最終価格の差はかなり大きいため、ディールの当事者の一方は義務の遂行に失敗することがあります。これを避けるために為替相場は定期的に全参加者にコンバージョンを提供します。価格差を収益および一定の参加者の損失に変換するのです。

そのような再配布をクリアリング手続きと呼びます。クリアリングを行うには、為替相場はクリアリングハウスと呼ばれる特別な独立した金融機構を利用します。これはトレード当事者間の金利の混乱を避け、計算の透明性と公平性を保証するためです。

クリアリング手続きによって、為替相場はトレーダーのリスクを管理し、トレーダー間の義務遂行を保証します。モスクワ証券取引所では、実際のアカウント上での収支はMetaTrader 4 のようにオーダーがクローズするときではなくクリアリング時、またはトレーダー間の決済時に行われます。

MetaTrader 4 / 5 を介してアクセスを提供するブローカーはクライアントのリスクをリアルタイムで管理するのです。MetaTrader 5 でのオープンポジション、または MetaTrader 4 でのオーダーが重大な損失レベルに達すると、ブローカーは即座にそれをクローズし、追加証拠金の支払いを依頼します(マージンコール)。モスクワ証券取引所では当初証拠金の増額依頼はクリアリング時に行われます。それはトレーダー間の資金の実際の再配布はクリアリング中に発生するためです。

クリアリング手続きは複雑で時間のかかるものです。モスクワ証券取引所では(MICEX および FORTS の後継者)、クリアリングは日に二度行われます。14:00 ~14:03 (日中クリアリング)と 18:45~19:00 (夜間クリアリング)です。この間トレードは行われません。クリアリングのためにトレードを終了する前、為替相場は最終ディール価格を固定します。この価格は需給均衡化価格と呼ばれます。これはトレード参加者全員に対する決済価格です。前回のクリアリング時に行われていたディールやオープンしていたポジションはこの価格に一致しています。少しのちに日次クリアリングを見ますが、ここではメインの夜間クリアリングに注目します。


2.5. クリアリングによるポジションロールオーバー

金のロングポジションに戻り、ブローカーおよびクリアリングハウスの視点でそれを分析します。

トレーダーにとってのロングポジションは2014年8月5日10:00 に価格 $1292.1 でオープンし、2014年8月20日18:45 に $1306.6 、結果 +$14.5 でクローズしました。ただしイベント間に2日が経過し、クリアリングハウスは3度計算をし直し、その決済価格を固定しました。

以下が時間、価格、イベントの入った表形式のトレードポジションです。

日付 価格、$ イベント
05.08.2014 10:00 1292.1 金のロングポジションにエンター
05.08.2014 18:45 1284.9 夜間クリアリング
06.08.2014 18:45 1307.6 夜間クリアリング
07.08.2014 18:45 1306.6 夜間クリアリング先物有効期限ロングポジションのクローズ

表16 クリアリングによるポジションロールオーバー

従来であればわれわれのロングポジションは3つのセグメントに分割可能です。それぞれはエントリーとエグジットの条件付き価格を持ち、その財務実績(エントリー価格とエグジット価格差)も持ちます。この手続きは MetaTrader 5 ではロールオーバーと呼ばれます。

以下は分割をビジュアル化した表です。

期間 価格エントリー時、$ 価格エグジット時、$ 財務
実績、$
開始イベント
05.08.2014 10:00 - 05.08.2014 18:45 1292.1 1284.9 -7.2 ロングポジションにエンター
05.08.2014 19:00 – 06.08.2014 18:45 1284.9 1307.6 +22.7 クリアリングによるロールオーバー
06.08.2014 19:00 – 07.08.2014 18:45 1307.6 1306.6 -1 クリアリングによるロールオーバー
最終結果 +14.5 先物有効期限、ロングポジションのクローズ

表17 クリアリングによるロールオーバー

どちらの場合もトータル結果は似ており、$14.5 ですが、最初のケースでは計算はポジションのオープン価格とクローズ価格の差を一度計算しただけでした。一方、二番目のケースではより複雑な計算が行われています。それはポジションを3とおりの期限に分割しています。どちらのケースもつねに結果は同じです。なぜんらクリアリング価格のレベルが任意で最終ディールの実際価格に等しくなる必要がないのです。

任意の別のクリアリング価格と価格を置き換えることで簡単に確認できます。再び、結果は従来の計算と同じです。それは初日のクリアリング前の価格差から発生した追加の損益がつねに二日目の追加損益によってカバーされるためです。ただ、クリアリング価格はつねにターミナルでアクセス可能な最終ディール価格に等しいとは限りません。

上記の例ではポジションロールオーバーは3つの独立したポジションになります。このポジションには個別のエントリーとエグジット価格および財務実績(上記の表参照)があります。とはいうものの、トレーダーの便宜のために MetaTrader 5 ではクリアリング後、新規ポジションは作成されません。厳密に言えば、これは作成されるべきものですが。

代わりに古いポジションを残しますが、エントリー価格は変更します。この価格は最終のクリアリング価格に等しくなっています。ポジションの未実現利益はそれに応じて変更するのです。よってポジションがロールオーバー後も存在しているとしても、それは実際にはそれ自体のオープン価格とに実現の財務実績を持つ別のポジションなのです。

上記の表は次のチャートでよりうまく説明されています。

図11 クリアリングとポジションロールオーバー手続き

Figure 11. クリアリングとポジションロールオーバー手続き


2.6. 変動証拠金と1日のクリアリング

変動証拠金はクリアリングによって固定されていないアカウントに対する浮動財務実績です。変動証拠金は現在価格をもとにディールやオープンポジションのおおよその財務実績を計算する表示数字です。Forex マーケットにおける変動証拠金の類似体は資本のコンセプトです。ただしForex マーケットにおける浮動利益は無期限に留まります。

モスクワ証券取引所の夜間クリアリングではトレーダーの要望に関わらず変動証拠金が固定され、トレーダーのアカウントにおけるクリアリングの適切な財務実績を反映します。このため毎夜クリアリングのとき、変動証拠金がリセットされます。

日中クリアリングは特別な中間クリアリングで、それはマーケット参加者の現在ポジションを評価し、参加者間のリスク再配分を正確に行うためにモスクワ証券取引所が行っているものです。日中クリアリングの時間までに変動証拠金は仲介アカウントの利益余剰金フィールドに記録されます。変動証拠金と異なり利益余剰金は新規ディールを作成したり、インスツルメントの累積ポジションを増やすために追加の当初証拠金として利用することが可能です。ただ、利益余剰金はメインの夜間クリアリングの計算対象とはなりません。よって日中クリアリング処理は通常関心が払われません。


2.7. 価格の上下限

日中および夜間クリアリング処理は為替取引参加者間の金融責任再配分に効果的で、効率よくリスク管理を行います。それでもこういった対策が十分でない場合もあります。特に劇的な瞬間、マーケット価格は短時間で変動するため次のクリアリングまでに参加者の多くは金融債務を履行できなくなっています。このような状況を避けるため、為替相場は 高価格と低価格の限度を設定し、その価格レベルに到達したら参加者間のトレードオーダー受付と負債の再配分は一時的停止されます。

価格限度は、新規トレードセッション開始時にマーケットごとに独自に設定されます。限度額に達すると相場は数分間特定のオーダーフローを制限し、トレーダー間のリスク再配分を行い、それから制限を解除します。このとき現行価格に基づいて計算される新しい限度額を設定します。リスク管理に加え、為替限度により参加者は冷静になることができます。限度額に達するとマーケットは逆行する、またはトレードは静かに始まるものです。しかしこの限度に達することはひじょうに稀です。よt価格変動の説得力ある統計はこういったケースから導くことはできません。

限度レベルはモスクワ証券取引所の公式ウェブサイトで指定されます。たとえば、当日(2014年12月12日)のUSD/RUB の交換レートの先物 Si-12.14を見るには、その仕様の関連セクションを確認します。下図の赤枠部分です。

図12 契約仕様ページにある価格の上下限

図12 契約仕様ページにある価格の上下限

MetaTrader 5 では限度額はそのソフトウェアインターフェースによってアクセスできます。たとえば限度価格がスクリプトを持ち手取得可能で、ターミナル画面に表示されます。

2014.12.12 13:04:07.875 GetLimitValue (Si-12.14,H1)     Lower price limit: 54177
2014.12.12 13:04:07.875 GetLimitValue (Si-12.14,H1)     Upper price limit: 57243

価格限度に到達したらチャート上でどのように表示されるか見てみます。先物契約 Si-12.14 を見ます。それはルーブルの歴史における劇的な瞬間を示しています。事実、これはグローバルなルーブルの切り下げです。そのようなとき、予想変動率はひじょうに高く頻繁に限度額に達します。

価格限度額

図13 到達した価格限度

チャートでは、到達した価格限度は、オープン、高、低、クローズの価格が等しい複数バーの行で表示されています。セッション中には複数限度額がある可能性があります。限度価格に達しても注文は受け付けられますが、これら注文の価格は上限格を上回ったり下限を下回ったりすることはできません。そうでなければ、注文は相場によって拒否されます。

限度額到達は売買ロボットにとっては深刻な課題です。それらはそのような状況を特定しロジックを正しく実行する必要があります。そのような状況が稀であったとしても優れた設計の為替ロボットはそれに配慮するものです。


2.8. 変換処理と指標レート計算

古典天気な為替計算はポイントの計算値が常に同じであれば一致します。先物価格がトレーダーのアカウント通貨以外の通貨を指示されると、追加の通貨換算が必要となります。こういった場合にはモスクワ証券取引所は特別な指標コースを利用します。これはy Thomson Reuters によるレートとモスクワ証券取引所の外国為替市場から取得される相場独自のレートの組合せを基にしたものです。

指標レート計算の詳細は相場のファイルサーバーに格納されているドキュメント "Methodology for calculation of indicative foreign exchange rates" に説明があります。われわれは方法論のメインポイントに注目していきます。それは為替の変換処理について適切な理解をするために知る必要のあるものです。

交換レートの計算は浮動であるため、外貨で引用される価格である先物のポイント値は常に変動します。よって同一ポイントスのアカウント通貨で表記される値は異なるクリアリング時には違っているのです。すでに為替相場は 18:45~19:00 の夜間クリアリング時、全参加者間で財務実績を再分配することは解っています。

夜間クリアリングまでにこのレートはモスクワ時 18:30 の直前の適切な為替取引平均価格として生成されます。同様に、日中クリアランスまでの換算レートは13:45 子hく全の平均価格として生成されます。

モスクワ証券取引所の外国為替市場の取引のない時間中にはトムソンロイターによるレートが使用されます。ただわれわれの場合、関心があるのは2つの価格だけです。最終トレードまたは14:44 の1分足バーのクローズ価格と最終ディールまたは 18:29 の1分足バーのクローズ価格です。

あらゆる期間に対する指標レートリストは次のウェブサイトにあります。:http://moex.com/en/derivatives/currency-rate.aspx?currency=USD_RUB.

リストは従来の表形式で XML です。たとえばそれはトレード結果の正確な計算用のトレードアルゴリズムに利用可能です。

図14 moex.com 上の指標通貨レート

図14 moex.com 上の指標通貨レート

MetaTrader 5 は、チャート上でレートをビジュアル化する個別の指標インスツルメントを提供します。

以下がそのチャートです。

図15 指標インスツルメント FORTS-USDRUB のチャート

図15 指標インスツルメント FORTS-USDRUB のチャート


2.9. クリアリング価格におけるディールとポジションの計算

これで先物契約の計算方法について一般的知識を得ました。われわれのディールの財務実績を計算してみます。その際、ブローカーの計算に頼ることなしません。課題に取り組む最良の方法は自分で解決しようとすることだからです。

次のタスクを分析します。金の売買に関し4件の注文が 2014/09/24 ~ 2017/09/25 に出されました。これら注文は複数ディールによって埋められました。

以下に MetaTrader 5 からの表があります。それは状況を説明するものです。

図14 MetaTrader 5 で実行されるトレード処理表示

図16 MetaTrader 5 で実行されるトレード処理表示

MetaTrader 5 で表示される表を基にここにはこれらトレード処理の計算が入っている表があります。

表18 完全クリアリング

表18 完全クリアリング

この表にある注文はネットポジションが茶色がかったグリーンで、ディールは白、計算はグレーでマークされています。

『クリアリング日』列はトレード処理をクリアリング日に分けています。-時間間隔は前日の 19:00 から当日の 19:00 です。次の5列はなじみのあるもので、ディールの前の表と MetaTrader 5 でのオーダーです。それらには発注時刻とディール時間、注文またはディールのオーダー番号、エントリー価格とボリュームが記載されています。Orders in the 『価格』列のオーダーには関連するディールすべての加重平均エントリー価格が入っています。

『クリアリング価格』列にはクリアリング価格または関連する日付 ClearingDay のシンボルトレードセッションに対する最終ディール価格があります。この価格は最終18:44 の1分足バーのクローズ価格分析から取得することができます。また、価格は各インスツルメントに対する交換により生成され、シンボル仕様セクションで好評される『トレード結果』表でも表示されます。

われわれの金先物の表は http://moex.com/en/derivatives/contractresults.aspx?code=GOLD-12.14にあります。

図17 moex.com に公表された先物契約トレード結果

図17 moex.com に公表された先物契約トレード結果

The 『結果、$』列は単にディール価格とディールボリュームで乗算されたクリアリング価格差を表示しています。買い処理にはそれは(クリアリング価格 – ディール価格)× ディールボリューム に等しくなります。売り処理にはそれは(ディール価格 – クリアリング価格)× ディールボリューム に等しくなります。

『換算レート USD/RUB』はクリアリング日当日の 18:30 現在の換算レートを示しています。すでにお話したようにこのレートは MetaTrader 5 ターミナルで指標インスツルメントの形式で、また為替相場サイトの特別な換算レート表として入手可能です。

『結果、RUB』列にはディールとポジションすべての結果がルーブルで表示されています。列『USD/RUB 換算レート』で指定された換算レートがわかっているので、式に従い簡単に各ディールとポジションのルーブル結果を計算することができます。結果 $ × USD/RUB 換算レート です。たとえばディールNo.1469806の結果は -$3.2 × 38.2961 = 122.55 ルーブルとなります。

次の2列は相場とブローカによるディール実行にたいする手数料です。それについての詳細はほとんどありません。モスクワ証券取引所では手数料は為替相場とそこへのアクセスを提供するブローカー双方にかかります。ブローカーは関税プランに従ってクライアントに手数料を請求します。

たとえば仲介会社 "Otkritie" はアカウントが20,000 ルーブルより大きいクライアントに対して1契約につき 0.71 ルーブルを請求します。この価格は基本価格としてリストアップされています。為替相場の手数料計算はもっと複雑です。各インスツルメントに個別の手数料が設定されています。それは2つの部分で構成されており、契約仕様セクション-"Contract buy/sell fee" and "Intraday (scalper) fee"で指定されています。

われわれの金の例については http://moex.com/en/contract.aspx?code=GOLD-12.14 にあります。

図18 moex.com 上の契約仕様

Figure 18. moex.com 上の契約仕様

相場は購入済みまたは売却済み契約からも手数料を取りますが、マーケットはコミットされたすべてのトランザクションをスキャルピング非スキャルピングに分割します。スキャルピングディールはクリアイング時にネットポジションを生成しないボリュームのディールです。

ここに例があります。契約の買いと売りのディールが2つあり、トレードセッション内に実行されます。そのトータル値またはクリアリング時のネットポジションはゼロです。:買い× 1 + 売り ×1 = 0。クリアリング時ネットポジションは発生しません。このディールはどちらもスキャルピングとみなされ、関連する関税『日中(すきゃるぱー)手数料』の対象となります。:0.5 ルーブル/契約。

2件の契約が買いで1件が売りの場合、クリアリング時、1 契約分ロングのネットポジション(買い × 2 + 売り × 1 = 1 × 買い)が発生します。1契約はネットポジションを生成し、そのため非スキャルパディールとして扱われ、残りのボリュームは『スキャルパ』です。2件の契約に対する料金は 2×0.5 = 1 ルーブルで、非スキャルパ契約に対してもう1ルーブルかかります。手数料合計は2ルーブルとなります。

ディールが交渉中であれば、それはスキャルパかどうかまだわかりません。そのためスキャルパ料はすぐに請求されます。一方非スキャルパディールに対する残りの料金はネットポジションが生成されているときそれを基にかかります。この方法はシンプルで明白で、前出の表で利用されているものです。

計算式は次のように書き表されます。

Scalper Fee * (Sum(buy) + Sum(sell)) + (Non-scalper Fee - Scalper Fee) * Module(Sum(buy) - Sum(sell))

トレードセッション中交渉されるディールすべてのボリュームが合計され、「スキャルパ料金」がかけられます。

全買いと売りディールの累積額の絶対差が計算され(それはネットポジションボリュームを出します)、この差に基本料金(非スキャルパ料金はスキャルパディールの2倍です)が掛けられ、それから初期料金額と合計されます。

ディールがすべて計算されると、トータルボリュームを基にクリアリング中にネットポジションが形成されます。この処理は『ネットポジション初期化』として表にマークされ、2014/09/24 18:45 のクリアリング中に表示されます。表に表示sれる非スキャルパ料金はネットポジションを基に計算されます((1.0 ルーブル - 0.5 ルーブル) × 10 契約 = 5 ルーブル)。

2014/05/25 19:00に次のトレードセッションがオープンしたら、このポジションに対して変動証拠金がかかります。すなわちオープンポジション(2014/09/24 のクリアリング価格)と現行価格の差です。セッション中逆方向のディールがコミットされたとしても、それらはこのポジションではなくまだクリアリング価格と一致しています。

よってディールとポジションはクリアリングまで存在します。それは明らかにチャートでこれらトレード活動を示す数字d確認されます。

図17 クリアリングのスキーム

図19 クリアリングのスキーム

最終日に着目します。その日、現ポジションが反対ディールによって『クローズ』されています。実際、それらはポジションをクローズするわけではなく、価格を修正するだけです。ポジションはまだ $105 の損失を出しますが、$89 の反対ディールの利益によって補てんされます。


2.10. クローズしたポジションが完全にクローズされていない場合

事実、ネットポジションはトレーダーの義務表現に近いものです。その義務はクリアリング価格、換算レート、クリアリング日の各ディールの個別計算分とかちがたいものです。

計算済みのネットポジションと相場計算の差は予想外の矛盾してさえいる特性の出現に見ることができます。MetaTrader 5 では外貨でクオートされるあるインスツルメントに対してクローズされたポジションはつねにデポジット通貨で表現される固定した結果を持ちます。

この結果はポジションクローズ時に計算され、取得したポイント数と換算レートによって変わります。最初の値はつねに定数で、ポジションがクローズするとき取得され、変更の対象とはなりません。ただポジションがクローズするときの換算レートは浮動(まだ記録されていない)でありえます。この場合、ポイントの同一数のコストはレートが固定されるまで常に変化します。

言い換えれば、たとえば午後3時にポジションをクローズすればその財務実績は、換算レートが固定される 18:30 まではまだやや変化するのです。MetaTrader 5 はクローズ時利益をロックするため、ブローカーはポジションがクローズされる時点の換算レートとレート固定時の差を入金することでクリアリング時に別の調整を行います。


2.11. ブローカーレポートの分析

本章の締めくくりとしてある日の実アカウント取引明細書を分析します。これはブローカー "Otkritie" から提供されたレポートです。

アカウント取引明細書はサイト上の『個人アカウント』で複数の書式で注文可能ですが、ここで pdf 形式の取引明細書を利用します。

この取引明細書は 2013/09/26 のあるトレードセッションを記載しています。では細かく考察します。

図20 "Otkritie" 発行標準レポート

図20 "Otkritie" 発行標準レポート

クライアントアカウントの概要 -選択された期間に対する最終結果の概要を記載した表。今回の場合はあるトレードセッション。

開始バランス -2013/09/25 19:00、トレードセッションが開始したときのアカウントサイズ

ブローカー手数料 -仲介手数料合計額ブローカーのレートに基づき計算されています。個々の場合は1契約につき 0.24 ルーブルです。このトレードセッション中に終了した契約総数は 239 でした。よって仲介手数額は 239 契約 × 0.24 ルーブル = 57.36 ルーブルで、これはこの列に指定されている値と正確に対応します。

為替相場料金 -為替相場によって請求される料金総額セッション中 RTS-12.13 または RIZ3 の15契約が売買されました。契約 RIZ3 にたいする料金はそれぞれ1スキャルパディールにつき 1 ルーブル、非スキャルパディールには2ルーブルです。よって前述の式に従うとこれらディールの完了に対する料金が出ます。

料金 = 1 ルーブル * (買い 15 + 売り15) + モジュール(買い 15 – 売り15) = 1 ruble * 30 + 0 = 30 ルーブル

同様に別の契約についても合計手数料を計算することができます。合計額はこの列の値に等しくなり、141.50 ルーブルです。

変動証拠金-2013/09/26 18:45 のクリアリングまでに固定される利益または損失このセクションは 11,179.80 ルーブルの損失という結果になっています。

終了時バランス-以下のように計算されます。:着信バランス + 変動証拠金 + ブローカー手数料 + 相場料金。

委託保証金 -表には主に現ネットポジションを維持するために必要な初期証拠金の値が入っています。証拠金の実際の値は『委託保証金』で指定されます。この場合は 64,764 ルーブルです。この証拠金はSRZ3 に対する63契約の ネットショートポジションを維持するために取られました。1契約に対する「初期証拠金」は 1,028 ルーブルです。料金バランスは終了時バランスと必要な証拠金の差として計算されます。金額は将来のディールのために利用可能です。

オープンポジション -この表には現クリアランスまでに生成されたアクティブなネットポジションが入っています。われわれの場合、 SRZ3を売るため63契約のショートのネットポジション1つだけが作成されました。ただすべてのディールボリュームをシンプルに計算することで、そのネット金額がわれわれのネットポジションと等しくないことがわかります。特に、このインスツルメントに対して作成されたポジションはありませんでしたが、SRZ3 ディールすべてに対するネットポジションは売り195契約で、GZZ3 に対するネットポジションは買い14契約でした。

これらディールのボリュームはどこに行ったのでしょうか?実はポジションに関する情報は作成されるときのみ入手可能なのです。このため、Thus, if a SRZ3 ポジションが今日作成される場合、明日のレポートには記載されません。ただし、その変動証拠金はすべてのディールに対して同様明日のレポートで修正されます。前日(2013/09/25)作成されたポジションについても同じことが言えます。それらは目に見えないだけです。今日完了したディールの一部がレポートに表示されていない前回ポジションをクローズしたのです。分析的にはそれを計算することは可能です。現接初の冒頭でアカウントはすでに 、SRZ3 の132 契約ロングポジションを持っていたのです。: -195 契約 + x = -63。X = -63 + 195 = 132 契約

前日(2013/09/25)のレポートをダウンロードしたら、新しいポジションが作成されているのがわかります。SRZ3 の132 契約のロングポジションと GZZ3 の14契約ショートポジションです。それらは現トレードセッションに転送されています。そのような『目に見えない』ポジションの変動証拠金は上述のルールに従って計算されます。『クリアリングからクリアリングまで』です。

トレーディングシステム内トランザクション -これはレポートの最後の表です。ここには現トレードセッション中に実行されるディール情報がはいっています。この表からすべてのディールを計算しません。計算方法はすでにわかっているからです。ディール2件の変動証拠金の計算をします。われわれの計算が実際のブローカーの計算と合っているか確認するためです。最初の2件のディール GZZ3 (ディールNo.11442116682 )と RIZ3 (ディールNo.11442102223 )を取り上げます。

GZZ3 は 100 株の量のガスプロム株式の成果先物契約です。それはルーブルでクオートされているため追加で値をルーブルに換算する必要はありません。レポートによると、ロングディールは14,772 ルーブルで実行されました。『クオーテーション』列にあるこの契約に対するクリアリング価格は 14,777 ルーブルです。これが価格であることを確認するため、モスクワ証券取引所のウェブサイト上の『トレード結果』にある契約ぺージをチェックします。この価格は関連データの『決済価格』列にリストアップされています。買いと売りの価格差は 5 ポイントです。:14,777 - 14,772 = 5 ポイント。1ポイントは1ドルに相当するので、ディール結果は +5 ルーブルで、これはこのトランザクションの前に『変動証拠金』列で指定されています。

RIZ3 は RTS インデックスの先物現金決済契約です。この変動証拠金の計算はもうすこし込み入っています。本契約の1ポイントは2USセント($0.02)です。クリアリング価格とディール価格の差を計算します。:145,040 - 145,850 = -810 ポイントです。そこで得た結果に2 セントを掛けます。: -810 × $0.02 = -$16.2. このディールは -$16.2 の損失を出しました。ドルをルーブルに換算します。それには当日換算レートを使用します。すでにお分かりのように、それはhttp://moex.com/en/derivatives/currency-rate.aspx で入手可能で、換算結果は 32.1995 ルーブルです。結果をルーブルに換算し、購入した契約数で掛けます。: -$16.2 * 32 * 3 = -1564.8957 ルーブルです。この値はブローカーのレポートと正確に一致しています。


2.12. 計算の自動化

MetaTrader 5 には実行済みディールおよびオーダーの履歴を基にしたレポート作成のための内蔵機能があります。ただそれはトレード活動をアルゴリズムに分離するなど高度なレポートはサポートしていません。また、MetaTrader 5 での計算方法は決済のクリアリング方法とはことなります。. ですがMetaTrader 5 は新しいWebRequest() 関数を提供します。

この関数は Expert Advisors によってさまざまなウェブサーバーから情報を受け取るのに使用されます。たとえば、それらはモスクワ証券取引所のサイトからクリアリング価格や換算レートを直接受け取ることができます。こういった値が利用することで前述の方法とは別に、トレーダーのポジションを完全に自動的に計算し、各トレードアルゴリズム(Expert Advisor)の財務実績を計算することができます。

これは複雑でリソースを大量に消費する計算です。その他、クリアリング時期を単一のトレードトランザクションに一致させる必要があります。ただしこれを行えば、トレーダーは信じられないほど正確な統計ツールを手にすることとなります。それはこの場合最大の明確さとシンプルさを持つことになるのです。もちろんそのようなツールはMetaTrader 5 トレードターミナルによるモスクワ証券取引所のデリバティブ市場により多くの潜在的トレーダーの注意をひくことでしょう。


おわりに

取引価格設定の基本的疑問について考察しました。この情報がみなさんにとって有用であることを願っています。

モスクワ証券取引所のクリアリングハウスによる計算は価格設定の問題と密接に関連しています。トータルポジションおよび次のトレードセッションに向けたクリアリング中のロールオーバー、ディールの実行、クリアリング価格を利用した計算は市場参加者間の互いの利益と再分配の複雑なシステムを作り上げます。MetaTrader 5 におけるネットポジションとディールの提示は組織的に為替相場のクリアリングシステムに適しています。従って為替取引の基本としてこのプラットフォームをみなすことができるようし、それをご自身のトレーディングを自動化するのにご使用ください。

為替価格設定やトレーダー間の決算のニュアンスを知ることで、為替環境で実行できる信頼性あるトレーディングシステムを構築する道が開かれるのです。その上、価格形成やその特性についての知識によりトレーディングシステム開発分野におけるより進んだ興味深い研究を生じる可能性があります。たとえば、さらなる研究はオープンインタレストや売り手と買い手の全体的な流動性の力学に関与することや、売り手と買い手の構成における前回の変化をもとにパターンを見つけたり将来の価格変動を予測することを目的とすることができるのです。

こういった考えは興味深いものです。本稿で述べられている知識がそういう考え探索の基点となることを願っています。

MetaQuotes Software Corp.によりロシア語から翻訳された
元の記事: https://www.mql5.com/ru/articles/1284

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