MovingAverageDeviationBandsMT5Pro
- インディケータ
- Chishi Suginio
- バージョン: 1.23
- アップデート済み: 19 1月 2026
- アクティベーション: 10
MADBandProパラメータマニュアル
MADBandPro は、従来のボリンジャーバンドやケルトナーチャネルの概念を超え、中央値(Median)やロバスト統計(MAD: Median Absolute Deviation)を選択可能な高機能バンドツールです。
Pro版では、従来のMADBandに加え、マルチタイムフレーム(MTF)分析や充実したアラート機能を搭載しています。
以下に、全パラメータおよび選択肢の詳細を解説します。
1. Main (基本設定)
Timeframe (時間足)
- 初期値: current (現在の時間足)
- 解説: 計算に使用する時間足を選択します。
- MTF(マルチタイムフレーム)機能: ここで現在のチャートより「上位」の時間足(例:M5チャートでH1を選択)を指定すると、上位足のバンドを現在のチャートに重ねて表示します。
- 同期補正: MTFモード時、データ読み込みの遅延による表示ズレを防ぐ自動同期機能が働きます。
Period (期間)
- 初期値: 20
- 解説: 移動平均や偏差を計算する期間の長さです(ローソク足の本数)。
Shift (シフト)
- 初期値: 0
- 解説: バンド全体を左右にずらします(プラス=未来、マイナス=過去)。通常は 0 です。
Center Method (中心線の計算方法) [Enum]
バンドの中心(Midライン)を描く計算式を選択。
- SMA (Simple Moving Average): 単純移動平均。標準的。
- EMA (Exponential Moving Average): 指数平滑移動平均。直近の動きに敏感。
- WMA (Weighted Moving Average): 加重移動平均。線形加重。
- SMMA (Smoothed Moving Average): 平滑移動平均。変動が緩やかで長期トレンドなど。
- ZLMA (Zero Lag MA): ラグ(遅延)を極限まで排除した特殊なEMA。スキャルピングなど。
- TMA (Triangular Moving Average): 三角移動平均。二重平滑化により滑らかなラインを描く。
- MEDIAN (Robust Statistic): 期間内の「中央値」を使用。異常値(スパイク)の影響を完全に無視できるため、ロバスト(堅牢)な特性を持ちます。
Applied Price (適用価格) [Enum]
計算に使用するローソク足の価格データ。
- Close: 終値
- Open: 始値
- High: 高値
- Low: 安値
- Median: (高値 + 安値) / 2
- Typical: (高値 + 安値 + 終値) / 3
- Weighted: (高値 + 安値 + 終値×2) / 4
Deviation Method (偏差の計算方法) [Enum]
バンドの広がりを決定する計算ロジック。
- Bollinger (Standard Deviation): 標準偏差を使用。価格の急変動でバンドが大きく広がります(ボラティリティ追従型)。
- ATR (Average True Range): ケルトナーチャネル方式。ATR(平均的な値幅)を使用し、安定したバンド幅を保ちます。
- MAD (Median Absolute Deviation): 中央値絶対偏差。標準偏差よりも異常値の影響を受けにくく、純粋なボラティリティを計測します。ダマシによる過剰なバンド拡大を防ぎます。
- Quantile Sigma: 統計的な分位点(84.13%点と15.87%点)の差からシグマ相当幅を逆算します。正規分布に従わない現実の相場データに適しています。
- Blend (Linear Blend): 「標準偏差」と「ATR」を指定比率で混ぜ合わせます( Blend Weight で調整)。
- Max (Max of StdDev & ATR): 「標準偏差」と「ATR」のうち、値が大きい方を常に採用します。常に広い方のバンドを採用するため、ダマシブレイクを回避するフィルタとして機能します。
ATR Period
- 初期値: 14
- 解説: Deviation Methodで ATR 、 Blend 、 Max を選んだ場合に使用されるATRの計算期間。
2. Deviation Settings (バンド幅の調整)
Deviation Multiplier (全体倍率)
- 初期値: 1.0
- 解説: すべての偏差を一括で調整する係数です。 1.0 ならそのまま、 1.1 なら10%広げます。
Blend Weight (ブレンド比率)
- 初期値: 0.5
- 解説: Deviation Methodで Blend を選んだ場合のみ有効です。
- 0.0 : 完全な標準偏差(Bollinger)
- 0.5 : 標準偏差とATRを50:50でブレンド
- 1.0 : 完全なATR(Keltner)
3. TailRisk (テールリスク・ガード機能)
相場の異常変動を検知し、バンドを一時的に強制拡大してポジションを守る機能。
Use one-sided CVaR guard
- 初期値: false
- 解説: true で有効化。普段は通常のバンドですが、リスク検知時のみ拡張されます。
Tail window (N)
- 初期値: 100
- 解説: リスク計算のために監視する過去の期間。
Tail alpha (worst %)
- 初期値: 0.10
- 解説: 異常とみなす確率閾値。
Tail weight (beta)
- 初期値: 1.0
- 解説: ガード発動時のバンド拡大強度。
Tail Components (リスク計測元) [Enum]
上昇/下落リスクをそれぞれ何に基づいて測定するかを指定します。
- HO (High - Open): 上ヒゲまたは陽線の実体+上ヒゲ。上昇圧力。
- OL (Open - Low): 下ヒゲまたは陰線の実体+下ヒゲ。下落圧力。
- HC (High - Close): 上ヒゲ(陽線の場合)や実体含む逆行幅。
- CL (Close - Low): 下ヒゲ(陰線の場合)や実体含む逆行幅。
4. Levels (表示ライン設定)
Visible ±1~5 sigma
- 解説: 各バンドの表示ON/OFF。
±1~5 sigma Multiplier
- 解説: 各バンドの倍率設定。
- InpDev1: 1.0σ
- InpDev2: 2.0σ (※アラート判定基準)
- InpDev3: 3.0σ
- InpDev4: 4.0σ
- InpDev5: 5.0σ
5. Alerts (アラート機能)
InpDev2 (標準では±2σ) のラインに価格がタッチ、または確定足でブレイクした際に通知します。
Alert Enable
- 初期値: false
- 解説: アラート機能のメインスイッチ。
通知手段
- AlertSound: 音声再生 ( InpAlertFile で波形ファイル指定可)
- AlertPopup: MT5画面上のポップアップ
- AlertPush: モバイルアプリへのプッシュ通知
- AlertEmail: メール送信
Alert Bar Close
- 初期値: true
- 解説:
- true : 足が確定した値で判定(終値ブレイク確実)。
- false : 足の形成中(リアルタイム)にタッチした瞬間に判定。
設定例
MADBandProの多様な機能を活かす、具体的なパラメータの組み合わせ例です。
A. スタンダード設定 (基本)
1. クラシック・ボリンジャーバンド設定
一般的に普及しているボリンジャーバンドと同じ挙動にする設定です。
- Center Method: SMA
- Applied Price: Close
- Deviation Method: BB (Bollinger)
- Period: 20
2. ケルトナー・チャネル設定
トレンドの強弱をATRで測る、古典的かつ信頼性の高いチャネルです。
- Center Method: EMA
- Applied Price: Typical (または Close )
- Deviation Method: ATR
- Period: 20
- ATR Period: 20
B. スキャルピング設定 (短気・高速反応)
3. 高反応スキャルピング設定 (Zero-Lag + MAD)
価格追従性を高めつつ、MAD(中央値偏差)を用いることで突発的なヒゲによるバンドの過剰反応を抑えます。
- Center Method: ZLMA (または EMA )
- Deviation Method: MAD
- Period: 10 ~ 14
4. スキャルピング・スナイパー設定 (Zero-Lag + Quantile)
正規分布に従わない短期ノイズを「Quantile Sigma」でフィルタリングし、純粋な値動きの偏差を捉えます。
- Center Method: ZLMA
- Deviation Method: Quantile Sigma
- Alert Bar Close: false (タッチ即エントリー用)
C. ロバスト・保護設定 (ダマシ回避・防御重視)
5. ロバスト・ガーディアン設定 (Robust Median + Guard)
通常のボリンジャーバンドでは防げない「ダマシ」を排除し、トレンドの本質を捉えます。
- Center Method: MEDIAN (中央値)
- Deviation Method: MAD
- Use one-sided CVaR guard: true
- Tail alpha: 0.05
- Tail weight: 2.0
6. ロバスト・トレンドフィルター設定 (Max Deviation)
ダマシを極力減らし、大きなトレンド発生時のみバンドブレイクを狙うための保守的な設定です。
- Center Method: Median
- Deviation Method: Max (ボリンジャーとATRの広い方を採用)
- Use one-sided CVaR guard: true
7. 統計的厳密&ショックガード設定 (Quantile + TailGuard)
普段は統計的に厳密な Quantile Sigma で捉えつつ、100本に1回レベルのブラックスワン級の変動が起きた時だけ、Tail Risk 機能で防御します。
- Center Method: Median
- Deviation Method: Equivalent Sigma from Quantiles
- Use one-sided CVaR guard: true
- Tail alpha: 0.01 ~ 0.05 (100本に1回〜20本に1回レベルの異常のみ検知)
- Tail weight: 2.0 ~ 3.0 (異常時はバンド強度を2~3倍にして防御)
D. 特殊運用・便利機能
8. ロバスト・ケルトナー設定 (Robust Keltner)
標準のケルトナー設定よりも中心線を安定させ、長期的なトレンドフォローに適した設定です。
- Center Method: SMMA or EMA
- Deviation Method: ATR
- Period: 50
- Multiplier: 2.0 ~ 2.5
9. ハイブリッド・ブレンド設定 (Balanced Blend)
ボリンジャーバンドの反応の良さと、ケルトナーチャネルの安定感を「いいとこ取り」する設定です。
- Deviation Method: Blend
- Blend Weight: 0.5 (50:50でブレンド)
10. MTFトレンドモニター (Trend Monitor)
下位足(M5)でスキャルピングをしながら、上位足(H1)の大局観を把握するための設定です。
- Timeframe: 1 Hour (H1)
- Levels: Level 2 (2σ) のみを表示設定
- Center Method: SMA
- 上位足の±2σ抵抗帯を常に意識できます。
