プライスアクション分析ツールキットの開発(第31回):Python Candlestick Recognitionエンジン(I) - 手動検出
内容
はじめに
ローソク足チャートは、金融アナリストやトレーダーが時間の経過に伴う価格変動を視覚化し、分析するための基本的なツールです。もともとは何世紀も前の日本の米商人に由来するこのチャートは、株式、FX、先物など、さまざまな金融市場におけるテクニカル分析の重要な要素へと進化してきました。
ローソク足は、特定の時間枠内での始値、終値、高値、安値といった重要なデータポイントを示すことで、市場のセンチメントに関する基本情報を提供します。各ローソク足の独自の構造は市場心理の洞察を与え、潜在的な取引シグナルとして活用することも可能です。
本記事では、MQL5とPythonの機能を活用した包括的なCandlestick Recognition(ローソク足認識)システムの開発について解説します。まずは手動検出の方法を実装し、MQL5からメトリクスを抽出し、あらかじめ定義した基準に基づいてパターン名を割り当てるスクリプトを作成します。認識自体はMQL5だけでも実現可能ですが、本記事ではMQL5とPythonの役割を分担することで、それぞれの強みを活かし、より柔軟かつ堅牢なシステムを構築します。
続編の記事では、Pythonのライブラリを活用してローソク足パターン認識の高度な機能を取り入れ、パターン検出の精度やバリエーションをさらに向上させます。本記事では、ローソク足パターン識別の詳細に迫り、この統合的アプローチが取引分析をどのように強化するかを解説します。 以下は、本記事で取り上げる手順の概要です。
- 各パターンの分析:各ローソク足パターンを個別に検討し、Pythonにおける認識方法を解説します。
- MQL5とPythonの連携の確認:MQL5エキスパートアドバイザー(EA)がPythonサーバーとどのようにやり取りをおこなうか、データ交換プロセスや通信フローについて解説します。
- 結果の評価と結論:最後にシステムの成果を評価し、その有効性を議論した上で、性能や改善の可能性について結論を述べます。
ローソク足パターン分析
ローソク足の太い部分は実体と呼ばれ、特定期間内の始値と終値の差を表します。実体が塗りつぶされている場合は、終値が始値より低く、陰線(弱気)を示します。逆に、塗りつぶされていない、または異なる色の実体は、終値が始値より高く、陽線(強気)を示します。
ヒゲは実体から伸びており、その期間の最高値と最安値を示します。ヒゲの長さや位置は市場の変動性や投資家心理を示し、価格が始値と終値に対してどのように変動したかを理解する手がかりになります。
ローソク足パターンは市場参加者の心理を反映しており、彼らの感情や期待を表現しています。テクニカル分析では、これらの視覚的サインを利用して、エントリーやエグジットのタイミングを見極めます。ローソク足チャートの起源は18世紀の日本にさかのぼり、当時の米取引の商人が米価を監視するために使用していました。今日では、株式、為替ペア、先物などの流動性の高い資産分析に広く活用されています。
陽線と陰線
- 陽線
終値が始値を上回るローソク足を陽線と呼びます。白色や緑色で表示されることが多く、上昇圧力や買い優勢を示します。特に重要なサポート付近で長い陽線が出現すると、買い意欲の強さを示唆します。
- 陰線
終値が始値を下回るローソク足を陰線と呼びます。黒色や赤色で表示されることが多く、下落圧力や売り優勢を示します。長い陰線は強い売り圧力や下降トレンドの継続を示唆します。
- 色の慣習
多くの取引プラットフォームでは、陽線を白や緑、陰線を黒や赤で表示するのが一般的です。しかし、色の選択は必ずしも固定されているわけではありません。重要なのは色そのものではなく、始値と終値の関係を理解することです。市場心理を正確に読み取るためには、常に始値と終値の位置関係に注目することが重要です。
幅広いローソク足パターンが存在しますが、当システムでは特に重要なパターンに焦点を当てています。以下では、各パターンの視覚的特徴を示し、Pythonでどのように判定するかを解説します。
ハンマー
ハンマーは、始値・高値・終値がほぼ同じ位置にあり、実体が小さいローソク足です。特徴は長い下ヒゲで、価格が一時的に下がったものの買い手が押し戻したことを示します。これは底値圏での潜在的な強気シグナルであり、市場で買い手が優勢になりつつあることを示しています。ハンマーは下落トレンドの転換点として注目されます。 以下はPythonスクリプトでHammerパターンを識別するためのコードスニペットです。
# inside detect_patterns(df: pd.DataFrame) for i, _ in enumerate(df.index): o,h,l,c = df.iloc[i][["OPEN","HIGH","LOW","CLOSE"]] body = abs(c - o) lower = min(o,c) - l upper = h - max(o,c) if lower >= 2*body and upper <= body: pats[i] = "hammer" continue
- 実体:(abs(close - open)).
- 下ヒゲ:実体の2倍以上
- 上ヒゲ:実体以下
- この条件が満たされると、pats[]配列に「hammer」というラベルが付けられます。
流れ星
流れ星は、始値・安値・終値がほぼ同じ位置にある場合に出現します。その結果、実体が非常に小さく、上ヒゲが長いローソク足となります。ハンマーの弱気版と見なされることが多く、上昇モメンタムの反転または停滞の可能性を示します。テクニカル分析の専門家は、上ヒゲが実体の少なくとも2倍以上であることをパターンの有効性を確認する基準として推奨しています。
# inside detect_patterns(df: pd.DataFrame) for i, _ in enumerate(df.index): o,h,l,c = df.iloc[i][["OPEN","HIGH","LOW","CLOSE"]] body = abs(c - o) lower = min(o,c) - l upper = h - max(o,c) if upper >= 2*body and lower <= body: pats[i] = "shootingstar" continue
- 実体:始値と終値の差
- 上ヒゲ:実体の2倍以上、下ヒゲ:小さいこと(実体以下)
- これらの条件が満たされると、パターンは「shootingstar」としてマークされます
包み足(強気と弱気)
強気の包み足は、小さな陰線の後に、大きな陽線が前のローソクの実体を完全に包むパターンです。このパターンは、買い圧力が売り圧力を上回ったことを示し、下落トレンドから上昇トレンドへの潜在的な反転を示唆します。
# Bullish Engulfing: small red followed by large green that engulfs it if i >= 1: prev_o, prev_c = df.iloc[i-1][["OPEN", "CLOSE"]] curr_o, curr_c = o, c if (prev_c < prev_o and curr_c > curr_o and # red candle then green curr_o < prev_c and curr_c > prev_o): # body engulfs previous pats[i] = "bullishengulfing" continue
弱気の包み足はその逆です。小さな陽線の後に、大きな陰線が前のローソクの実体を完全に包むパターンです。このパターンは、売り圧力が増大したことを示し、上昇トレンドから下降トレンドへの潜在的な反転を示唆します。
# Bearish Engulfing: small green followed by large red that engulfs it if i >= 1: prev_o, prev_c = df.iloc[i-1][["OPEN", "CLOSE"]] curr_o, curr_c = o, c if (prev_c > prev_o and curr_c < curr_o and # green candle then red curr_o > prev_c and curr_c < prev_o): # body engulfs previous pats[i] = "bearishengulfing" continue
同時線
同時線は、始値と終値がほぼ同じで、実体が非常に小さいかほとんどないローソク足です。このパターンは市場の迷いや不確実性を示しており、その期間中、買い手と売り手のいずれも支配的になっていないことを表します。
# Doji: very small or no real body if abs(c - o) <= (h - l) * 0.1: pats[i] = "doji" continue
- 実体:abs(c - o)(始値と終値の差)
- ローソクの範囲:(h - l)(高値と安値の差)。実体がレンジの10%以下であれば、同時と判定されます。
ハラミ(強気と弱気)
ハラミは、日本語で「妊婦」を意味する言葉に由来する、テクニカル分析でよく知られたパターンです。このパターンは2本のローソク足で構成されます。1本目は大きなローソク足で「母ローソク」と呼ばれ、2本目はその範囲内に収まる小さなローソク足で「子ローソク」と呼ばれます。パターンが有効とされるには、2本目のローソクが前のローソクの実体内で終値をつける必要があり、市場モメンタムの一時停止や反転の可能性を示します。
上昇トレンド後に出現する場合、売り圧力の弱まりを示し、弱気反転のサインとなることがあります。下降トレンド後に出現する場合、買い圧力の増加を示し、強気の兆しとなることがあります。
if i >= 1: prev_o, prev_c = df.iloc[i-1][["OPEN", "CLOSE"]] curr_o, curr_c = o, c # Previous candle: large body (engulfing candle) prev_body = abs(prev_c - prev_o) curr_body = abs(curr_c - curr_o) if prev_body > 0 and curr_body > 0: # Bullish Harami if prev_o > prev_c and curr_o < curr_c: # bearish → bullish if curr_o > prev_c and curr_c < prev_o: pats[i] = "bullishharami" continue # Bearish Harami if prev_o < prev_c and curr_o > curr_c: # bullish → bearish if curr_o < prev_c and curr_c > prev_o: pats[i] = "bearishharami" continue
明けの明星
明けの明星は、下落トレンドの後に現れる代表的な強気の反転パターンで、市場心理が弱気から強気に変わる可能性を示します。3本のローソク足で構成されます。1本目は大きな陰線で、強い売り圧力を示します。2本目は小さな実体のローソク足(陽線または陰線)で、1本目からギャップがあり、迷いやモメンタムの一時停止を表します。3本目は大きな陽線で、1本目の実体の中間値を超えて終値をつけ、上昇モメンタムへの移行を確認します。
この3本ローソクのパターンは、売り手の勢いが弱まり、買い手が優勢になっていることを示し、確認されると、持続的な上昇につながる可能性があります。明けの明星は、特に長期の下落後にロングポジションのエントリーポイントを見極めるために、トレーダーに広く利用されています。
if i >= 2: o1, c1 = df.iloc[i-2][["OPEN", "CLOSE"]] # First candle o2, c2 = df.iloc[i-1][["OPEN", "CLOSE"]] # Second (small) candle o3, c3 = df.iloc[i][["OPEN", "CLOSE"]] # Third candle # Candle directions is_bearish1 = c1 < o1 is_small2 = abs(c2 - o2) < abs(c1 - o1) * 0.5 is_bullish3 = c3 > o3 # Morning Star Logic if is_bearish1 and is_small2 and c3 > ((o1 + c1) / 2) and c3 > o3: if min(o2, c2) < c1 and max(o2, c2) > c1: # small gap pats[i] = "morningstar" continue
- 1本目:長い陰線
- 2本目:小さな実体のローソク足(陽線または陰線)
- 3本目:長い陽線で、1本目の中間値を超えて終値をつける
このパターンは3本のローソク足による反転パターンで、通常、下落トレンドの終わりを示します。
宵の明星
宵の明星は、上昇トレンドの後に現れる代表的な弱気の反転パターンで、強気から弱気への市場心理の変化を示す可能性があります。3本のローソク足で構成されます。1本目は大きな陽線で、強い買い圧力を反映します。2本目は小さな実体のローソク足(陽線または陰線)で、1本目からギャップがあり、市場の迷いや停滞を示します。3本目は大きな陰線で、1本目の実体の中まで終値をつけ、反転を確認します。この3本ローソクのパターンは、強気から弱気への潜在的なトレンド反転を示します。
このパターンは、買い手の勢いが弱まり、売り手が優勢になっていることを示し、確認されると下降トレンドや調整につながることがあります。トレーダーは、特に長期の上昇後には短期ポジションを検討したり、ロングポジションからの撤退サインとして宵の明星を利用します。
if i >= 2: o1, c1 = df.iloc[i-2][["OPEN", "CLOSE"]] # First candle o2, c2 = df.iloc[i-1][["OPEN", "CLOSE"]] # Second (small) candle o3, c3 = df.iloc[i][["OPEN", "CLOSE"]] # Third candle is_bullish1 = c1 > o1 is_small2 = abs(c2 - o2) < abs(c1 - o1) * 0.5 is_bearish3 = c3 < o3 if is_bullish1 and is_small2 and c3 < ((o1 + c1) / 2) and c3 < o3: if max(o2, c2) > c1 and min(o2, c2) < c1: # small gap possible pats[i] = "eveningstar" continue
- 1本目:長い陽線
- 2本目:実体が小さい(優柔不断)
- 3本目:大きな陰線で、1本目の実体の中まで終値をつける
この3本ローソクのパターンは、強気から弱気への潜在的なトレンド反転を示します。

MQL5とPythonの連携
システムでは、ローソク足パターンの判定ロジックはPythonマイクロサービスに任せ、MQL5のEAはデータ収集、チャートへの表示、アラート処理に専念します。新しいバーが確定するたびに、EAは直近31本分のOHLCデータを取得し、JSON形式でローカルのFlaskサーバーに渡します。サーバーから返されたパターン情報を受け取り、チャート上に表示します。すべてほぼリアルタイムで処理されます。仕組みを段階的に説明します。- MQL5 EA:MQL5でのデータ収集
void OnTick() { static datetime lastBar = 0; datetime bar = iTime(_Symbol, InpTF, 0); if(bar == lastBar) return; lastBar = bar; double o[ BARS ], h[ BARS ], l[ BARS ], c[ BARS ]; long t[ BARS ]; for(int i=0; i<BARS; i++) { o[i] = iOpen(_Symbol, InpTF, i+1); h[i] = iHigh(_Symbol, InpTF, i+1); l[i] = iLow (_Symbol, InpTF, i+1); c[i] = iClose(_Symbol, InpTF, i+1); t[i] = (long)iTime(_Symbol, InpTF, i+1); } // …then build JSON… }
- MQL5 EA:JSONペイロードの構築
string json = StringFormat( "{\"symbol\":\"%s\",\"timeframe\":%d," "\"time\":[%s],\"open\":[%s],\"high\":[%s]," "\"low\":[%s],\"close\":[%s]}", _Symbol, InpTF, CSVInt(t), CSV(o), CSV(h), CSV(l), CSV(c) );
- MQL5 EA:HTTP POST経由で送信
char body[]; StringToCharArray(json, body); char reply[]; string hdr="Content-Type: application/json\r\n", respHdr; int code = WebRequest("POST", InpURL, hdr, InpTimeout, body, reply, respHdr); if(code == -1) Print("[CSLAB] WebRequest failed: ", GetLastError()); else string resp = CharArrayToString(reply, 0, -1, CP_UTF8);
- Python:Flaskサーバー処理
@app.route("/patterns", methods=["POST"]) def patterns(): raw = request.get_data(as_text=True) idx = raw.rfind("}") clean = raw[:idx+1] if idx != -1 else raw payload = json.loads(clean) # may raise JSONDecodeError # …build DataFrame…
- Python:データフレームの構築
build_dataframe関数は、タイムスタンプ、始値、高値、安値、終値の生のJSON配列を、パターン検出器が扱いやすい時間インデックス付きのDataFrameに変換する役割を果たします。
def build_dataframe(payload): times = [ datetime.fromtimestamp(int(t), timezone.utc) for t in payload["time"] ] df = pd.DataFrame({ "OPEN": payload["open"], "HIGH": payload["high"], "LOW": payload["low"], "CLOSE": payload["close"] }, index=times) df.index.name = "datetime" return df
- Python:手動パターン検出
def detect_patterns(df): pats = ["None"]*len(df) for i in range(len(df)): o,h,l,c = df.iloc[i][["OPEN","HIGH","LOW","CLOSE"]] body = abs(c-o); rng = max(h-l,1e-6) lower = min(o,c)-l; upper = h-max(o,c) # doji if body/rng <= 0.1: pats[i] = "doji"; continue # hammer if lower>=2*body and upper<=body: pats[i] = "hammer"; continue # shooting star if upper>=2*body and lower<=body: pats[i] = "shootingstar"; continue # bullish engulfing if i>0: po,pc = df.iloc[i-1][["OPEN","CLOSE"]] if pc<po and c>o and o<=pc and c>=po: pats[i] = "bullishengulfing"; continue # bearish engulfing if i>0: po,pc = df.iloc[i-1][["OPEN","CLOSE"]] if pc>po and c<o and o>=pc and c<=po: pats[i] = "bearishengulfing"; continue # harami if i>0: po,pc = df.iloc[i-1][["OPEN","CLOSE"]] if pc<po and o<c and o>pc and c<po: pats[i] = "bullishharami"; continue if pc>po and o>c and o<pc and c>po: pats[i] = "bearishharami"; continue # morning star if i>1: o1,c1 = df.iloc[i-2][["OPEN","CLOSE"]] o2,c2 = df.iloc[i-1][["OPEN","CLOSE"]] if c1<o1 and abs(c2-o2)<(df.iloc[i-1]["HIGH"]-df.iloc[i-1]["LOW"])*0.3 \ and c>o2 and c>(o1+c1)/2: pats[i] = "morningstar"; continue # evening star if i>1: o1,c1 = df.iloc[i-2][["OPEN","CLOSE"]] o2,c2 = df.iloc[i-1][["OPEN","CLOSE"]] if c1>o1 and abs(c2-o2)<(df.iloc[i-1]["HIGH"]-df.iloc[i-1]["LOW"])*0.3 \ and c<o2 and c<(o1+c1)/2: pats[i] = "eveningstar"; continue return pats
- Python:レスポンスの作成
サーバーは「None」でないすべてのパターンを集計し、簡潔なJSON構造として返します。
pats = detect_patterns(df) counts = Counter(pats) log_lines = [f"{k}={v}" for k,v in counts.items() if k!="None"] resp = {"patterns": pats, "log": log_lines, "ms": round((datetime.now(timezone.utc)-start).total_seconds()*1000,2)} return make_response(json.dumps(resp), 200, {"Content-Type":"application/json"})
- MQL5 EA:EAの解析と動作
// extract patterns array string patTxt; ExtractArray(resp, "patterns", patTxt); string patt[]; ParseArray(patTxt, patt); // draw+alert for(int i=0;i<BARS;i++) if(patt[i]!="None") { datetime tm=iTime(_Symbol,InpTF,i+1); ObjectCreate(0,"CS_"+i,OBJ_TEXT,0,tm,iHigh(_Symbol,InpTF,i+1)); ObjectSetString(0,"CS_"+i,OBJPROP_TEXT,patt[i]); Alert(_Symbol, " ", patt[i], " at ", TimeToString(tm,TIME_DATE|TIME_MINUTES)); }
テストと結果
このセクションでは、システムのテストと結果の分析に焦点を当てます。その前に、Pythonのインストール方法とサーバーのセットアップ手順を確認し、正常に動作することを確かめます。
ダウンロード
まず、公式WebサイトからPythonをダウンロードしてインストールします。 大きな黄色のボタン「Download Python 3.x.x」をクリックしてください。
インストーラーの実行
ダウンロードしたファイルをダブルクリックします。[Install Now]を押す前に、[Add Python to PATH]にチェックを入れてください。これにより、コマンドプロンプトからどこでもPythonを実行できるようになります。[Install Now]をクリックし、完了したら[Close]を押します。
確認
Win + Rを押して「cmd」と入力し、Enterを押します。開いた黒いウィンドウで以下を入力します。
python --version
「Python 3.10.4」のような表示が出れば、Pythonは正常にインストールされています。
Pythonのインストールが成功したら、次のステップはPythonスクリプトを作成することです。
Notepad++を開く
Notepad++(または任意のプレーンテキストエディター)を起動します。
ファイルの新規作成
[ファイル]>[新規作成]を選択し、必要に応じて[言語]>[P]>[Python]で構文ハイライトを有効にします。
サーバーコードの貼り付け
pattern_server.pyの内容(Flaskアプリとdetect_patterns(df)を含む全コード)をコピーして新しいウィンドウに貼り付けます。
ファイルの保存
- [ファイル]>[名前を付けて保存]を選択し、
- わかりやすいフォルダ(例:C:\PatternServer\)に保存します。
- [ファイル名]に「pattern_server.py」と入力します(.py拡張子は重要です)。
- [保存]をクリックします。
必要なライブラリをインストールする
コマンドプロンプトを開く
まず、WindowsキーとRキーを同時に押して、[実行]ダイアログボックスを開きます。入力フィールドにcmdと入力し、Enterキーを押すか[OK]をクリックしてコマンドプロンプトウィンドウを起動します。ここで、システムをナビゲートし、スクリプトを実行するためのコマンドを実行します。
ディレクトリの変更
次に、次に、Pythonスクリプトを保存したフォルダに移動します。コマンドプロンプトで、cd(ディレクトリ変更)コマンドに続けてスクリプトフォルダへのパスを入力します。以下はその例です。
cd path\to\your\script\folderpath\to\your\script\folderをシステム上の実際のパスに置き換えます。この操作により、ターミナルセッションが正しい場所を指すようになり、スクリプトを問題なく実行できます。Flaskとpandasのインストール
pip install flask pandas
これで、Flask(小型Webサーバー)とpandas(データ処理用)がインストールされます。 以下のような表示が出ます。
* Serving Flask app "pattern_server" * Running on http://127.0.0.1:5000/ (Press CTRL+C to quit)
これはマイクロサービスが起動し、リクエストの受信を待っている状態を意味します。 次に、MQL5のEAをコンパイルしてチャートにドラッグします。これにより、EAと起動中のPythonサーバー間の接続が確立されます。以下は、システムを実行した後に得られた結果と観察結果です。
EURUSDのテスト

MetaTrader 5[エキスパート]タブのログ
2025.07.09 22:25:42.248 Candlestick Label (EURUSD,M15) [CSLAB] EA started – allow http://127.0.0.1:5000/patterns in Tools→Options→Expert Advisors→WebRequest 2025.07.09 22:25:42.790 Candlestick Label (EURUSD,M15) [CSLAB] JSON-OUT: {"symbol":"EURUSD", "timeframe":0,"time":[1752064200,1752065100,1752066000,1752066900,1752067800,1752068700,1752069600, 1752070500,1752071400,1752072300,1752073200,1752074100,1752075000,1752075900,1752076800,1752077700, 1752078600,1752079500,1752080400,1752081300,1752082200,1752083100,1752084000,1752084900,1752085800, 1752086700,1752087600,1752088500,1752089400,1752090300,1752091200],"open":[1.17051,1.17045,1.17153, 1.17167,1.17143,1.17096,1.17034,1.17152,1.17193,1.17194,1.17148,1.17095,1.1706 2025.07.09 22:25:42.790 Candlestick Label (EURUSD,M15) [CSLAB] POST http://127.0.0.1:5000/patterns 2025.07.09 22:25:42.938 Candlestick Label (EURUSD,M15) [CSLAB] HTTP 200 RESP: {"patterns": ["doji", "bullishengulfing", "None", "None", "eveningstar", "None", "bullishengulfing", "None", "doji", "bearishengulfing", "None", "None", "None", "None", "None", "bearishengulfing", "None", "None", "bullishengulfing", "doji", "bearishengulfing", "None", "None", "None", "None", "None", "None", "None", "hammer", "eveningstar", "None"], "log": ["doji=3", "bullishengulfing=3", "eveningstar=2", "bearishengulfing=3", "hammer=1", "total patterns=12"], "ms": 128.25} 2025.07.09 22:25:42.938 Candlestick Label (EURUSD,M15) [CSLAB] SERVER: doji=3 2025.07.09 22:25:42.938 Candlestick Label (EURUSD,M15) [CSLAB] SERVER: bullishengulfing=3 2025.07.09 22:25:42.938 Candlestick Label (EURUSD,M15) [CSLAB] SERVER: eveningstar=2 2025.07.09 22:25:42.938 Candlestick Label (EURUSD,M15) [CSLAB] SERVER: bearishengulfing=3 2025.07.09 22:25:42.938 Candlestick Label (EURUSD,M15) [CSLAB] SERVER: hammer=1 2025.07.09 22:25:42.938 Candlestick Label (EURUSD,M15) [CSLAB] SERVER: total patterns=12
CMD Pythonログ
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クラッシュ1000のテスト
結論
この2部構成のアーキテクチャ(片方にMQL5のEA、もう片方にPythonのパターンサーバー)は、堅牢かつ応答性に優れていることが確認されました。EAは各新しいバーのOHLCデータをきれいにまとめて送信し、返ってきたパターンラベルをチャート上に正確に描画します。一方、PythonサービスはそのJSONを受け取り、手作りの検出ロジックを実行し、すべてのリクエストと結果を記録して完全な透明性を提供します。両者が組み合わさることで、シームレスで低レイテンシのパイプラインが形成され、新しいバーが到着するとパターンが特定され、チャートがほぼ瞬時に更新されます。双方での明確で構造化されたログにより、常に何が起きているかを把握でき、トラブルシューティングも容易です。
全体として、統合は堅実で性能は安定しており、システムは設計通りに正確なリアルタイムのローソク足情報を提供します。 必要に応じて、追加のローソク足パターンを組み込むことも可能です。前述の通り、今後の記事ではPythonライブラリを活用したローソク足検出のより高度な手法やツールについても詳しく解説していきます。
MetaQuotes Ltdにより英語から翻訳されました。
元の記事: https://www.mql5.com/en/articles/18789
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