FVG(隙間)を残したオーダーブロック: 見るゾーンを1つの条件で絞る

5 11月 2026, 16:18
Yuki Nakayama
0
3

月曜の朝にチャートを開いたことがあれば、週明けの窓を見たことがあるはずです。金曜の終値と月曜の始値が離れていて、その間には誰も売買していない空白が残る、あの窓です。フェアバリューギャップ(FVG)は、ほぼ同じものが週の途中で、ふつうのローソク足3本の中にできたものです。違いは1つだけ。週明けの窓では誰も売買していませんが、FVG では速い1本の足がその値段を一方向に一度だけ通り抜けていて、両隣の足はそこまで届いていません。この記事では短く「隙間」と呼ぶことにします。オーダーブロックの隣にこの隙間があるかどうかを見るだけで、どのゾーンに注目すべきかを決める簡単な物差しが1つ手に入ります。

3本の足の中にできる隙間

並んだ3本の足ならどれでもいいので、1本目の高値と3本目の安値を比べてみてください。ゆっくりした相場なら、1本目と3本目の値幅は重なっています。真ん中の足が速く動くと重ならなくなり、2本の間に、真ん中の足が一方向に一度通り抜けただけで、両隣の足は届かなかった値段の帯が残ります。これが隙間です。上昇なら1本目の高値から3本目の安値まで、下落なら1本目の安値から3本目の高値までが隙間になります。

この記事で使うたとえは1つだけです。階段をゆっくり上るときは一段ずつ踏みますが、急いで駆け上がると段を飛ばします。隙間はこの飛ばした段にあたります。価格が急いでいて、その値段では一度も止まらなかった。隙間から分かるのはそれだけです。誰がなぜ急いだのかは分かりませんし、飛ばした段に価格が戻ってくる保証もありません。

ゾーンと、そこから離れていく動き

この記事で使うオーダーブロックの定義は機械的なもので、強い動きの直前にある逆向きの最後の足を指します。価格がその足の高値を上に抜ける直前の最後の陰線か、安値を下に抜ける直前の最後の陽線です。ゾーンはその足のヒゲからヒゲまで全部です。「強い動き」とみなすのは、抜けが数本以内に起きて、抜けた足の終値がゾーンの反対側の端から ATR の1倍以上離れているときです。

この条件に当てはまる足は、いくらでもあります。では、どのゾーンを見ればいいのか。今日の読み方では、条件を1つだけ使います。ゾーンから離れていった動きを見て、段を飛ばしたかどうかを確かめる。離れ方が速く、ゾーンのすぐ隣に隙間を残していれば、そのゾーンは見る価値があります。一段ずつ踏んでゆっくり離れていったなら、そのゾーンは候補としては弱めです。ゾーンであることに変わりはありませんが、最前列には置きません。

典型的な形

強い動きがすぐ次の足で起きた需要ゾーン(買い手のゾーン)を思い浮かべてください。1本目がゾーンになる陰線、2本目がその高値を終値で上に抜ける大陽線、3本目は安値まで含めて1本目の高値より上にあります。この3本には上向きの隙間ができていて、その下端は1本目の高値、つまりゾーンの上端そのものです。隙間はゾーンの真上にぴったり接して乗ります。供給ゾーン(売り手のゾーン)なら、隙間はゾーンの下端の真下にぶら下がる形になります。大きな足がゾーンの足の2本後や3本後に来たときは、隙間ができても端にぴったりとは付きません。ゾーンから少し離れたり、ゾーンと重なったりします。どちらの形も隙間として数えます。

Order Block Zones Pro の H1 チャート(旧ビルド)。H4 の供給ゾーンの破線の下端のすぐ下に塗りつぶしの FVG の箱があり、その下には内側に隙間の帯が重なった H1 の供給ゾーンがある

図: Order Block Zones Pro の旧ビルドの画面で、H1 チャートです。上の赤い帯が H4 の供給ゾーンで、赤い破線がその下端です。破線のすぐ下にある紺色の箱が、ゾーンから落ちていった動きが残した隙間です(箱が破線より少し下から始まっているのは、ゾーンが H4 で隙間が H1 だからです)。赤い帯の中にある2本の紫の帯は、価格が H4 ゾーンの中を下りていく途中で残した別の H1 の隙間です。NY・LDN と書かれた点線の枠は取引時間帯の枠で、隙間とは関係ありません。その下にあるのが H1 の供給ゾーンで、内側に隙間の帯が重なっています(このビルドでは紫で表示)。上位足のゾーンは Pro の機能です。このビルドでは隙間を塗りつぶしの箱で描いていましたが、今の版では足の手前に細い枠線の箱で描き、上位足の隙間は破線の枠で描きます。紫の重なり色も今は出ません。

自分のチャートで絞り込む

図の上のゾーンは条件に合格です。離れ方が速く、ゾーンのすぐ下の値段を1本の足で通り抜けて、その後は取引されないまま残っています。下のゾーンは隙間が重なるほうの形です。今度は自分のチャートで同じことをしてみてください。ゾーンを数え、それぞれ価格が離れていった3本の足を見て、隙間を残したゾーンに印を付けます。これで候補が絞られます。ここで1つ、はっきりさせておきます。Order Block Zones はゾーンを隙間で絞り込みません。上のルール(隙間の条件は入っていません)でゾーンを見つけ、FVG は別の物として同じチャートに描くだけです。このゾーンの隣に隙間の箱があるかないか、見比べるのは自分の目です。

隙間の箱がすでに消えていることが多い理由

知っておきたい位置関係が1つあります。強い動きがすぐ次の足で起きたとき、隙間はゾーンの端にぴったり乗っています。需要ゾーンに戻ってくる価格は上から来るので、ゾーンに届く前に隙間の中を下りてきます。隙間は、価格が反対側の端まで届いたときに「埋まった」とみなしますが、その反対側の端がゾーンの上端そのものです。つまり、価格がゾーンに触れた瞬間に隙間は埋まり、箱はその時点で消えます。ですから、ゾーンができたときには隙間があったのに、一度触れられた後には箱がもう残っていない、というのがふつうです。

「隙間を残した」というのは、ゾーンができた時点の証拠であって、後から読み取るものではありません。ゾーンがまだ新しいうちに確かめるか、3本の足そのものを読んでください。ローソク足は消えることがありません。また、描く隙間の数に上限がある道具では、古いゾーンの隙間が、埋まっていなくても描かれていないことがあります。迷ったら、ローソク足を見てください。

この条件にできないこと

3つあります。1つ目、ゾーンに触れたこと自体は、隙間があってもなくても合図ではありません。ゾーンは反応を見る場所です。強い足ですぐに離れていくのか、中にとどまってじわじわ削っていくのか。情報は反応のほうにあり、触れたことは見るタイミングを教えてくれるだけです。2つ目、隙間の条件は読み方の一つで、どのゾーンから先に見るかを決めるためのものです。効くと証明された優位性ではありません。こうしたゾーンがどれくらいの割合で持ちこたえるのか、数字は出しません。自信を持って出せる数字がないからです。3つ目、隙間のあるゾーンでも崩れます。チャートで一番きれいな隙間を持つゾーンを、価格がまっすぐ突き抜けていくことは珍しくありません。守ってくれるのは損切りであって、隙間ではありません。

道具の役割

ゾーンと隙間の両方を自動で描いてほしい場合、無料版の Order Block Zones は、表示中の時間足のゾーンを最大5本描き、バージョン 1.49 からは同じ時間足の埋まっていない FVG を新しい順に6本、足の手前に細い枠線の箱で描きます。Order Block Zones Pro は既定でゾーンを8本残し、FVG の本数は24本まで増やせます。さらに H4 と日足のゾーンを、それより短い時間足のチャートに重ねて表示し、上位足の FVG は破線の枠で描きます。どちらの版も、ゾーンかどうかを隙間で決めることはなく、今日の条件に合格するゾーンがどれかも教えてくれません。新しい・触れた・割れたゾーンについては、前の記事(英語)に書きました。

明日の宿題

ふだん取引しているチャートを開いて、ゾーンを数えてください。それぞれのゾーンについて、価格が離れていった足を見て、時刻と向き、「隙間あり」か「隙間なし」かをメモします。そこから1週間、価格がそのどれかに戻ってくるたびに1行書き足します。隙間あり/なしと、触れた後の最初の数本で価格がどう動いたか。点数は付けず、取引もしません。1週間たったらメモを読み返してください。この条件で何かが変わるのかどうか、自分のチャートで確かめられます。