Trend Dashboard には、MT5 Market に無料版と有料版の 2 つがあります。無料版は Trend Dashboard、有料版は Trend Dashboard Pro です。先に結論を言うと、まず無料版で十分です。Pro が目に見えて足すのは 4 つ、行が「今エントリー可」になったときの通知、表からチャートへ移るクリック、通貨強弱の行、各セルの方向の読み方の違いです。ほかに診断ログや広い銘柄検索など小さなものがあり、取説に書いてあります。この記事では、売り込み抜きで 2 つを並べて比べます。両方に共通すること、Pro だけができること、Pro が役に立つ人、無料版で十分な人です。
どちらの版にもあるもの
どちらも、チャートの上に 1 枚の表を描きます。行が銘柄、列が時間足です。セルは方向を矢印と色で、強さを ADX から取った棒で示します。既定では ADX が 18 を下回るセルは、移動平均がどちらを向いていても「方向なし」です。また既定では確定した最後の足を読むので、セルは足が確定するまで変わりません。そのうえで、1 行ぶんの列を 1 枚のカードにまとめます。自分の取引時間足を選ぶと、それより上の時間足が「基準」、自分の足とそれより下が「タイミング」になります。両者がそろうと LONG か SHORT の下に「今エントリー可」(英語表示では enter now)、基準はあるのに自分の足が横ばいか逆向きのときは「押し/戻り待ち」の琥珀色のカードになります。上位足のどれにも方向がないときは、その旨を示して「M15のみ」のような札になり、「今エントリー可」には数えません。
行は、自分で書いた銘柄リストか、Market Watch で選んでいる銘柄から取ります(先頭 100 銘柄が既定で、設定で最大 300 銘柄)。チャートの高さが足りなければページに分けますが、分析は見えているページだけでなく全銘柄に対して行います。どちらも売買はしません。注文の関数はどちらにもありません。どちらも指標の読み取りで、予測ではありません。
パネルと判断の決まりは同じなので、Pro がより良い表を描くわけではありません。無料版は、ADX のしきい値のうしろで、速い EMA と遅い EMA(既定は 20 と 50)から方向を読みます。Pro はその表の周りに機能を足し、方向の読み方も変えます。次に説明します。Pro は既定で M30 の列もオンにしますが、無料版でも出せます。
Pro だけが足すもの
1 つ目は通知です。無料版は何も送りません。Pro は、ある行が別の状態から「今エントリー可」になったとき、そしてオンにすれば基準の向きが反転したときに、1 件ずつ知らせます。端末のポップアップとサウンドは既定でオン、スマートフォンの MetaTrader アプリへのプッシュ通知とメールは選べますが既定ではオフです。Pro は、別のページの銘柄も、パネルを最小化している間も全銘柄を見ているので、その行が画面に出ている必要はありません。インジケーターの起動直後の最初の一巡と、時間足のチップをクリックしたときは、基準を取り直すだけで通知は出しません。パネルには、このセッションの通知と、それぞれの経路の結果を残す一覧があり、ボタンで通知を止められます。プッシュとメールは、MQL5 の送信上限に収まるよう間隔をあけて送ります。通知が言うのは「その行の読みが変わった」ことだけで、そのあと価格がどう動くかは何も言いません。しかも、端末が起動していて、インジケーターがチャートに載っている間だけ働きます。
2 つ目はクリックでの切り替えです。銘柄名やアドバイスのカードをクリックすると、チャートがその銘柄の取引時間足に切り替わり、セルをクリックすると、その銘柄とその列の時間足に切り替わります。切り替える代わりに新しいチャートを開く設定もあり、テンプレート名を書けば適用します。チャートを切り替えるとインジケーターが読み込み直されます。行は変わりませんが、通知の基準は取り直されます。無料版では行をクリックしても何も起きないので、銘柄は自分で切り替えます。
3 つ目は、表の下にある通貨強弱の行です。銘柄に含まれる主要通貨を強い順に並べ、それぞれを、その通貨を含む通貨ペアの取引時間足のセルから採点します。銘柄名の最初の 6 文字を 2 つの通貨コードとして読むので、XAUUSD の金はドルの側に数えられ、GOLD という名前の銘柄は対象外です。すでに見えているセルをまとめたものです。
4 つ目は、多数決による方向です。Pro は、最大 5 つの条件からセルを読めます。速い EMA が遅い EMA の上、速い EMA が上向き、+DI が -DI の上、MACD のメインラインがシグナルの上、そして既定ではオフの、終値が遅い EMA の上です。既定では 4 つがオンで、どちらかの票が多いときだけセルが上か下になります。同数なら方向なしで、ADX のしきい値も効きます。多数決が 2 本の移動平均よりトレンドをうまく読むかどうかは測っていないので、そうだとは言いません。読み方が違うだけで、条件ごとにオフにできます(5 つ全部をオフにすると EMA クロスが使われます)。
Pro が役に立つ人
別のチャートで作業しながら多くの銘柄を追っていて、ある行がそろったら知らせてほしい人。画面を離れることが多く、スマートフォンにメッセージがほしい人。1 日じゅう表とチャートを行き来していて、クリック 1 つで手間が減る人。通貨強弱の行や、各セルの裏の多数決がほしい人。そういう人は Pro を見る価値があります。
無料版で足りる人
いつも表を見ている人、ときどき眺めてチャートは自分で開く人、表と上位足から見るカードと Market Watch の行があればよい人。表を開いているのは、行が「今エントリー可」になる瞬間を捕まえるためだけだと気づいたり、その瞬間を見逃し続けていたりしたら、そのときに Pro を検討すれば十分です。それまでは必要ありません。
Pro のデモについて
Market の有料製品のデモは、ストラテジーテスターの中でしか動きません。そしてテスターでは Pro の表示が変わります。これを書いている時点の 1.44 では、テスターでも表は描かれますが、2 秒ごとではなく、新しい足ごとに 1 回だけ描き直されます。プッシュとメールは、オンにしていれば通知一覧に tester と記されて、送られません。コードには、テスターはタイマーとチャートのイベントを届けないと書いてあるので、クリックでの切り替えやパネルのボタンはそこでは動かないと考えています。ポップアップとサウンドがテスターでどうなるかは確かめていません。つまりデモで見えるのは表で、これは無料版も同じです。Pro が足す主なものは見えません。実際のチャートに無料版を置くほうが、よい下見になります。
おすすめは単純です。無料版をチャートに置いて、しばらく使い、実際に足りないと感じたものから決めてください。足りないものがなければ、無料版で十分です。


