バックテストの「最悪の月」を尋ねると、たいていのレポートやスクリーンショットは、金額で最も大きく負けた月を見せます。複利運用のテストでは、それは残高が大きいというだけの理由で、たいてい後半の月になります。当社EA 9本の公開済みMT5バックテストについて、決済済み取引を暦月ごとに分け、最悪の月を二通りで求めました。金額で見た場合と、その月の初めの決済残高に対する%で見た場合です。この記事はバックテストのみで、フォワード口座の数値は含みません。数値は2026-10-28時点です。
結論から
- 9本中8本に負け月があります。その8本のうち7本で、金額で最悪の月と%で最悪の月は別の月です。両方が同じ月なのはDONCHIAN ENGINEだけです(2024-07・-3.47%)。
- 金額で最悪の8つの月は、すべて2023年以降にあります。%で最悪の8つの月は2018年〜2024年に散らばっています。
- %で最も深い月はMEGAMAX DONCHIANの2019-08で、月初の残高の-21.75%でした。金額で最悪の月である2024-09は-7.61%です。
- 8本中7本で、%で最悪の月を含む暦年はそれでもプラスで終わりました。例外はGOLD NEURONです。%で最悪の月は2018-04(-15.23%)で、2018年は-27.3%、年内の決済残高ドローダウンは34.1%でした。
- GOLD KINGは取引のあった89か月に負け月が無く、比べる「最悪の負け月」がありません。
数え方
- 決済済みの各取引を、決済した暦月に割り振りました。手数料とスワップを含みます。保有中のポジションは評価しないため、数値はすべて決済残高ベースです。
- 月の%は、その月の決済損益をその月の初めの決済残高で割った値です。月初の残高は、年初の決済残高に同じ年のそれ以前の月の決済損益を足したものです。
- 金額はテストの口座通貨です。GOLD TRIPWIREのテストは1,000、ほかは10,000で始まり、複利運用のEAは後半ほど大きな金額で取引するため、EAどうしで金額は比べられません。
- 年の列は、%で最悪の月を含む暦年のリターンと、その年の中での決済残高の山から谷への最大の下落です(年初の残高を最初の山とする)。含み損を含む有効証拠金のドローダウンより小さく出ますし、テスト全体のドローダウンでもありません。
- TRINITYとAIFWはこの記事に入れていません。公開バックテストの元になるレポート原本が当社の内訳データに無く、月ごとに分けられなかったためです。
表
EA | テスト期間とデータ | 金額で最悪の月 | その月の損益 | 月初残高に対する% | %で最悪の月(取引数) | 月初残高に対する% | その年のリターン | その年の年内決済残高DD
MEGAMAX DONCHIAN (USDJPY) | H1, 2017.01.01-2026.06.01, 100% | 2024-09 | -14,001.14 | -7.61% | 2019-08 (6) | -21.75% | +65.0% | 29.9%
GOLD NEURON | M30, 2004.01.01-2026.09.01, 100% real ticks | 2026-04 | -56,528.60 | -11.63% | 2018-04 (13) | -15.23% | -27.3% | 34.1%
GOLD VIPER | M30, 2019.01.01-2026.09.01, 8% real ticks | 2026-05 | -192,160.63 | -11.16% | 2021-09 (170) | -14.22% | +130.9% | 15.9%
BITCOIN COMET | H4, 2018.01.01-2025.12.31, 98% | 2025-12 | -55,305.45 | -4.31% | 2019-11 (6) | -14.13% | +125.9% | 15.1%
ATLAS PORTFOLIO | H4, 2019.01.01-2026.06.28, 100% | 2025-01 | -17,756.25 | -4.59% | 2022-11 (18) | -11.04% | +203.8% | 19.2%
GOLD TRIPWIRE | M15, 2020.01.01-2026.10.14, 11% real ticks | 2023-06 | -147.53 | -4.33% | 2020-12 (7) | -8.12% | +31.1% | 9.8%
ETHEREUM TREND | H4, 2019.01.01-2026.06.28, 100% real ticks | 2025-10 | -1,722.81 | -3.83% | 2024-01 (3) | -7.28% | +105.8% | 7.3%
DONCHIAN ENGINE (free) | H1, 2017.01.01-2026.06.01, 100% real ticks | 2024-07 | -861.67 | -3.47% | 2024-07 (7) | -3.47% | +13.3% | 7.3%
並びは%で最悪の月の深い順です。GOLD KING(M1, 2019.01.01-2026.06.01, 5% real ticks)は負け月が無いため表から外しました。すべての列は取引明細から作った同じ月別・年別の内訳によります。テストごとに期間・銘柄・データ品質が違うため、各行は単独で読み、EAどうしの順位付けには使わないでください。
MEGAMAX DONCHIAN: 金額の数字は違う月を指す
MEGAMAX DONCHIANの金額で最大の月間損失は2024-09の-14,001.14で、その月初の残高の-7.61%でした。それより五年前の2019-08には、6件の取引で残高の-21.75%を失っています。当時は残高が小さかったので金額は小さく見えますが、口座への打撃は三倍近く深いものでした。2019年はそれでも+65.0%で終わり、年内の決済残高ドローダウンは29.9%でした。
GOLD VIPERとGOLD NEURON: 金額で最悪の月はどちらも2026年
金額で最悪の月は、どちらもテストが一部の期間(2026.09.01まで)しか含まない2026年にあります。GOLD VIPERは2026-05に143件の取引で-192,160.63、月初残高の-11.16%を失いました。%で最悪の月は2021-09で、170件の取引で-14.22%、2021年は+130.9%で終わりました。GOLD NEURONは2026-04に-56,528.60、-11.63%を失いました。%で最悪の月は2018-04の-15.23%です。%で最悪の月を含む年がマイナスで終わったのは、この行だけです。
BITCOIN COMETとATLAS PORTFOLIO: %では小さく、金額では大きい
BITCOIN COMETの金額で最大の月間損失は、テスト最後の月である2025-12の-55,305.45です。残高に対しては-4.31%でした。%で最も深い月は2019-11の-14.13%で、三倍以上の深さです。ATLAS PORTFOLIOも同じ形で、2025-01の-17,756.25は-4.59%、2022-11は-11.04%でした。
GOLD KING: 負け月がひとつも無い
GOLD KINGは取引のあった89か月すべてを利益で終えました。最も弱い月は2021-01で、月初残高の+0.28%です。これは決済残高だけの数字です。含み損を含むテスト全体の最大相対有効証拠金ドローダウンは、MT5レポートで91.3%です。決済残高で負け月が無いことは、口座が含み損で深く沈まなかったことを意味しません。
EAを判断する前の使い方
- 売り手が金額で最悪の月を見せたら、その時点の残高に対する%で最悪の月も尋ねてください。複利運用のテストでは、両者が同じ月になることはまれです。
- 月の損失は、その月を含む年と、その年のドローダウンと一緒に読んでください。
- 月の数字は決済済み取引だけを数えます。とくにポジションを長く持つEAでは、有効証拠金のドローダウンと並べて読んでください。
- この記事は過去のテストについてのものです。将来の結果を約束するものではありません。
- 当社が公開しているフォワード口座はすべてデモ口座で、この記事では使っていません。
この記事でとくに取り上げた二本のEA: MEGAMAX DONCHIAN https://www.mql5.com/en/market/product/181838 · GOLD VIPER https://www.mql5.com/en/market/product/182297
公開しているバックテストには、期間・残高・設定を明記しています。フォワード口座は、表示するたびにデモ口座と明記しています。全EA一覧: fxea365.com/ea/ranking


