『のるかそるか』の Forex 戦略

28 10月 2015, 08:59
Гребенев Вячеслав
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本稿の目的は『のるかそるか』の賭博原理を取り入れたもっともシンプルなトレーディング戦略を作成することです。それは ForEx マーケットくじを取り入れる Expert Advisor の一例です。目標は初期デポジットを可能な限り最高の確率で数倍に増やすことです。収益性、デポジットの平均を増加させることは宝くじ Expert Advisor からは 要求されません。何千枚とくじ券を売って行われる従来のくじとは反対に、くじ Expert Advisor を買った場合の資金源として ForEx を用いて ForEx くじを行うのです。

 

はじめに

ForEx トレーディングの目的は3つに分かれます。儲ける蓄える増やすです。それぞれを個別に考察します。

  1. 儲ける これは ForEx マーケットでの一般的な目的です。このように聞こえるでしょう。「資本はあるのでマーケットトレーディングでそれを増やしたい。一日に$100を確実に$101にする Expert Advisor が欲しい。」この目的では、資本の平均増加の保証が要求されます。『稼ぐ』という課題はひじょうに数多くの競争者が達成しています。かれらは情報、技術手法の双方をうまく兼ね備えているのです。よってこのタスクは希望がないわけではなくてもひじょうに難しいものです。その上、交換レートが単なる無作為とは異なることを研究が示しています。自身のトレーディング戦略を見つけることはゴールドラッシュで金を見つけるようなものです。

  2. 蓄える それは次のようなものです。「$1,000ある。それを来年の休暇に充てたい。銀行に預けたらインフレで10%失うだろう。持っているお金を貯めておくための Expert Advisor が欲しい。資金を稼ぎたいわけでもなくしたいわけでもない。」この課題はある通貨を別の通貨に交換して適切なタイミングで戻すことで達成できます。 『貯蓄』型の目的達成には資本の平均保全の保証が要求されます。資本の『保全』は多くの市民によって成し遂げられています。これは数多くの一般的な通貨交換所や複数通貨を取り扱う銀行預金で見られます。『貯蓄』タスクは数学的に洗練されてはいません。マーケット参加と終了ポイントをたまたま選んだだけでも、平均インフレ率を問題なく取り戻すことができます。

  3. 増やす このタイプの目標は次のように説明されます。「宝くじ。$100 ある。クルマを買うのにもう100万ドル必要だ。$100 を $1,000,000 にするExpert Advisor が欲しい。たいていは資金を失くすことは解っている。100万ドルを手にする可能性は 100/1,000,000 よりも小さい。でもそれが自分に合っている。」

    もう少し控えめに言うと次のようなものです。「$1,000 ある。パーティーを開くのに $10,000 必要だ。$1,000 を $10,000 にするExpert Advisor が欲しい。0.9 よりもわずかに高い確率で $1,000 を失うかもしれないことは解っている。ただパーティーを開く確率は0.1 よりわずかに低い確率なのだ。」

    もう一つ別のタスクで要求されることがあります。「電子財布には数セントしかない。このお金では何も買えないし、お金を引き出すこともできない。可能性は小さいかもしれないが、数セントでもそこそこの金額に変える Expert Advisor が欲しい。

    このタイプの目標は資本の平均損失保証です。これはすべての人に当てはまるものです。宝くじに当たる可能性はできるだけ高いにこしたことはありません。ForEx マーケットでは、意識的にこれを行う人は稀です。とはいうものの、異なる販売所のくじ券数を見ると、この課題は社会で要求されるものです。数学的には、『増やす』目標はすでに達成されています。本稿では、この Expert Advisor タイプの MQL5 を実装することを考察していきます。

われわれの分類には「運が左右するゲーム。アドレナリンが必要だ」、「スマート玩具。余暇にそれで遊んでみたい」などその他多くのおいしいタスクは含まれていません。

よって課題定義としては、ForEx マーケットにくじを導入する必要がある、です。それはある確率で資本を数倍に増やすことであり、または破産することであります。資本の平均増加は要求されません。勝つ確率は可能であれば最大となります。ForEx は勝利の場合に資金源として必要です。ForEx はまたここではだれもがアクセスできる乱数ジェネレータとして利用されます。

 

1. アルゴリズムのアイデア

提案されるのは、課題解決のための次のちょっとしたアルゴリズムです。

  1. 無作為の方向でマーケットに参加します。
  2. 既定の時刻 T を待ちます。
  3. マーケットを出ます。
  4. アカウントを確認します。くじに当たるか破産するかしたら、トレードを終了します。それ以外はステップ 1 に戻ります。

このアルゴリズムは交換レートが純ランダムウォークであるとしています(記事『ランダムウォークとトレンド指数』を参照ください)。このマーケットモデルは明らかに誤っています。しかしくじを作るには十分です。もちろんもっと適したマーケットモデルはより効果的なアルゴリズムを提供するでしょう。

MQL5 プログラム言語でExpert Advisor を書く前に、アルゴリズムの詳細を詰める必要があります。ここで次の疑問を解きます。

  1. レバレッジ
  2. ベットサイズ
  3. テイクプロフィットとストップロスのレベル
  4. 待ち時間 T
  5. 通貨ペア選択

 

2. ベットとレバレッジ

ここではフィフティフィフティの確率で推測しており、スプレッドを支払う必要があるので、ディール数はできるだけ少なくします。各トレードではスプレッドを1 失います。よって、レバレッジ金額とベットサイズは最大とし、最小トレード数で結果を出す(くじに当たるか破産する)ようにします。

一般的にある通貨ペアにおけるディールの最大ボリュームは仲介会社によって限度が設けられています。これは勝利のサイズとくじの最小倍率を限定します。

くじ倍率がどのくらい増やされるか計算します。ディールの最大ボリュームが 5 ロットであるとします。トレーディングに対して自由に使えるのは $500,000 ということです。トレードが『十分ついて』いれば、$500,000 * 0.02 = $10,000 を手にすることができます。

係数 0.02 は『収益ドル額 ÷ 1 日の資本金ドル額』の次元を持ちます。この係数は ForEx マーケットについての実験定数です。それはトレーディングを行っている時間枠(スプレッドとスワップを除き)と通貨ペアに依存しません。千鳥足理論(「通過ペア選択」および下の「最大産出インディケータ」グラフを参照ください)を解った上で、それはバーの相対平均サイズを基に計測されます。この係数の数値はおおよそのものです(2~3倍違っているかもしれません)。

100日トレードをするとすると、$10,000 の日々の収益は 100 倍されるのではなく100 の平方根で 10 です。よってランダムウォークを利用してトレードを行っているわけです。そして『かなり運の良い』100日のトレードで $100,000 を得ます。また『かなり運の良い』トレードを400日続けたら、$200,000 を得ることになります。レバレッジが 1:100 だとすると、初期デポジットは $5,000 ($500,000/100)以下ではないことを意味します。

全体的に100 日で、初期デポジットを20 倍に増やし、400 日では 40 倍に増やしたことになります。残念ながら、このディールの最大ボリュームと初期デポジットでは、速くデポジッドを増やすことはできません。

初期デポジットが少額でベットの最大ボリュームに十分でない場合は、成長スピードをねずみ算式の増加率まで上げることができます。ただし、少額を扱う仲介会社を見つけ、トレーディング条件を確認することが必要です。

最大ボリュームの制約を出しぬくには複数の通貨ペアでくじを買うようにします。通貨ペアが自立していれば、平均値を得、成長スピードは通貨ペア1個よりも劣るでしょう。EURUSD と EURCHF のように通貨ペアが相関していれば、この制約を出しぬく可能性があります。ただし、レートの相関関係はつねに観測します。

大きな初期資本を10倍単位で増やすくじを作成することはまだ可能です。電子財布についてのタスクと $100 に関するクルマのタスクは行えません。少なくともMetaTrader 5 ストラテジーテスタではそれを行うのは無理です。

 

3. 「テイクプロフィット」と「ストップロス」の選択

ランダムウォークに基づく「テイクプロフィット」と「ストップロス」はトレードの振幅を増やすことにしかなりません。「テイクプロフィット」と「ストップロス」が始値に近いほど、それらはより頻繁に引き起こされ、トレードの振幅は大きくなります。「テイクプロフィット」と「ストップロス」はランダムウォークを用いた勝利の確率に直接影響をおよぼすことはありません。ここではなるべく少ないトレードを望んでいるため、こういった発注はしないのです。

実際には「ストップロス」はまだ存在します。これが「ストップアウト」です。通常、それは 50%で起こり、そうなるとトレーディングは強制的に終了されます。「ストップアウト」の後にもまだいくらかデポジットに資金があるので、チャンスをすべて使い果たしたわけではなく、トレーディングを継続できるということになります。よってExpert Advisor は「ストップアウト」の状況について警告をする必要があります。そうしないとデポジットは最小ベット、ゼロまで完全に使い果たすことになります。

そのため「テイクプロフィット」をセットする意味があるのです。発想としては、現実の交換レートはランダムウォークではない、というものです。たとえばニュースの後など異常に大きく跳ね上がることもあります。異常な跳ね上がりは、階段式ではなく先がとがった型のようです。これをやってみることができます。

図1 EURUSD、M1 における鋭いスパイク

図1 EURUSD、M1 における鋭いスパイク

われわれのアルゴリズムではそのような急上昇は単に見逃されています。スパイクが最終ディールの方向で現れず、見逃したとしたら、それは良いことです。「ストップアウト」が起こっても、です。われわれの方向でスパイクが発生すると、それを逃したことを後悔します。それに気づくために「テイクプロフィット」を設けるのです。

「テイクプロフィット」は複数の方法で設定することができます。直接、第二、第三の方法です。

直接法 - 現在価格の追跡を続けそれを履歴価格と比較します。これはひじょうに困難な方法です。アルゴリズムレベルででもです。実際、価格動向の分布におけるファットテールを特定し切り捨てる必要があります。

第二の方法 - 現在収益の追跡を続け、それを前回ディールの収益と比較します。収益が前回トレードの平均収益を大幅に上回れば、収益を取ります。この方法は簡単ですが、Expert Advisor が起動するとき理想的な履歴はありません。また、なるべく少ないトレードを望んでいるため、履歴は短いものとなります。

二番目の方法(別のバリアント) - 現在収益の追跡を続け、それを期待の計算収益と比較します。収益が期待の計算収益を上回れば、収益を取ります。期待収益は価格履歴を基に計算されますが、直接法同様に難しいものです。

第三の方法 - 残高/資金比率の追跡を続けそれを定数と比較します。定数は事前にExpert Advisor の最適化中に決定されます。これら定数はもちろんトレード条件;レバレッジ、トランザクションの最大ボリューム等、に依存します。Expert Advisor はいくつか特定のトレード条件に対して最適化されます。そういう条件はすべての仲介会社でほとんど同じです。典型的な例を取ります。もっとも重要なことは、この方法はできる限りシンプルであることです。

  • 資本が残高に対して 2 (または 3)倍大きければ収益を受け取ります。
  • 利益が残高 $10,000(または$30,000)より大きければ収益を受け取ります。

指定数 2、3、10000、30000 ... は最適化後決定されます。

 

4. 待ち時間 T

頻繁にマーケットに出入りすれば(たとえば毎分)、レートの変化は小さく、収益はひじょうに少ないものとなるでしょう。それでも固定スプレッドは支払わねばなりません。その場合トータルスプレッドは、どんなにうまく予測したとしても全収益を上回ります。

一方、ディールの頻度が低ければ(たとえば年に1回または月に1回)、トレードごとの収益に比べればスプレッドは取るに足らないものでしょう。ただ、その場合トレードはひじょうに長時間にわたる必要があります。また、ポジションを長期間オープンにし続けることはスワップのせいで収益性がよくありません。

よってディールの最適な頻度があります。それは交換レートの変動率と浮動スプレッドなどトレード条件に依存します。そのため事前にディールの最適な頻度を正確に計算することは不可能です。

ただし、推測は可能です。数学的説明や調査はしませんが、次のグラフを提供します。

図2 異なる時間  T で1日トレードを行う際の資本確率分布関数の境界および中心

図2 異なる時間 T で1日トレードを行う際の資本確率分布関数の境界および中心

図2のグラフでは横軸が時間 T を示しています。それはこのミニアルゴリズムの1トレードの時間です。縦軸は1日T 分ごとのトレードによって$1の資本から何ドルの収益を得ることになるか示しています。ここでは EURUSD ペアにおいてレバレッジおよび資本化はありません。数学的に話すと、これらは異なる時間 T に対するわれわれのミニ戦略の確率分布の境界です。ブルーの曲線は絶対予測、赤は絶対非予測、オレンジと水色 は『きわめて成功する/成功しない』予測です。

たとえば1日につき資本$1で毎分(M1)マーケットへの出入りをすると、最大勝利額は $0.5で、最大損失額は $1.3となりえます。十中八九 $0.3 を失うこととなります。日中、1,440 のトレードを行い1トレードにスプレッドを $0.0002 支払うことになります。1日の全トレードに対するスプレッドトータルは $0.288です。EURUSD M1バーの平均サイズは $0.00056です。絶対推測での勝利額は $0.00056 * 1440 = $0.8064です。勝利額からスプレッドを差し引くと1日$1 からの収益は $0.8064 - $0.288 = $0.51 です。グラフ上に点 (М1, 0.51) を入れます。

興味を引かれるのは、オレンジ線である『かなり運の良い』推測です。大きな尺度でそれを描いてみます。

図3 異なる時間 Tにおける十分成功している推測を伴うトレーディング戦略

図3 異なる時間 Tにおける十分成功している推測を伴うトレーディング戦略

図3を見ると、30分以上頻繁にトレードをしても収益性がないことが判ります。スプレッドはすべての収益を上まわってしまいます。われわれのトレードについての最適な時間 T は1時間~1週間の範囲にあります。これについてはここまでとします。あとで EA が終了したら最適化によって最適な時間を指定します。フィフティフィフティよりもよい予測率についての考えをお持ちの方があれば、アルゴリズムを改良することができます。最適時間と最適ベットも減らすことができるでしょう。

時間 Tを選択することで実際に作業するチャートの時間枠を選択しました。厳密に言えば、時間 T が与えられていればどのような時間枠も選択可能です。EA は同じように動作しますが、誤った時間枠を描くことは快適ではありません。

 

5. 通貨ペアの選択

ランダムウォークとしてすべての通貨ペアレートを考察するので、すべてのレートからバーの平均の相対的サイズがもっとも大きいものを選択する必要があります。それから少ないトレード数で結果を出します(くじに当たるか破産するか)。

このためには利用可能な通貨ペアをすべて調べ、それぞれに対してバーの平均の相対的サイズを計算する必要があります。これを手動ですることがないように、最大イールドインディケータ YieldClose.mq5 を書きます。

図4 最大イールドインディケータ

図4 最大イールドインディケータ - YieldClose.mq5 (EURUSD, D1 10 バー平均 インディケータは 2~3 倍の範囲で振動する)

本稿執筆後、私はたまたま MetaTrader 5クライアント端末の標準配布に含まれる予想変動率インディケータ(Perry Kaufman著 Smarter Trading: Improving Performance in Changing Markets からのカウフマンの変動率)は「最大イールドインディケータ」と実質的に同じであることを見つけました。知的スコープが十分でなければ、一から始める必要があります。そうです。標準セットから何百というインディケータや Expert Advisors を理解するのは簡単ではありません。そして残念ながら本件についての一般的テキストはありません。

バーの平均の相対的サイズは一つの通貨ペアに対して 2~3 倍の範囲で振動するとことが判ります。これら 2~3 倍以内のバーの平均相対的サイズは全通貨に対して同じです。実際、「最大イールドインディケータ」はトレーディングの活動を示します。

マーケットに入るとき、全通貨ペアの中からもっともトレーディングが活発な通貨ペアを一つ選択する必要があります。そなわち、インディケータによって最高値が示されている一つです。また、マーケットが活発な日中にトレードを行い、夜が終わるのを待つ方がよいでしょう 。単に日中のトレーディングはくじ当選のチャンスを増やしますが、Expert Advisor の動作時間をほとんど2倍に引き延ばします。ですが、大きな勝利のチャンスか短時間、どちらがよいかはユーザーが判断することです。

上記のように実質的に毎分トレードをすることもできますが、そうすると勝利のチャンスはひじょうに減ります。一方、勝利の確率を最大にしたいからといって数年にわたってトレードすることはできません。『トレード時間/勝利確率』比率は課題決定のときに詳述しますが、それがそんなにたいへんなことだと誰が解っているでしょうか?

これは Expert Advisorの要求仕様書を作成するのがいかに難しいかということの典型的な例です。さしあたり、われわれの EA を複雑なものにしないため、良く知られる EURUSD ペアについて単一通貨トレーディングに着目します。

同時にインディケータの興味深いプロパティ2点について述べます。

  1. H1 の時間枠でインディケータは日々のトレーディング活動(予想変動率)の変動を示します(図5参照)。
  2. インディケータの最大値はトレンドまたはフラットの終了/開始に対応します(図6参照)。

図5 活動の日次変動

図5 「最大イールドインディケータ」はトレーディング活動の日次変動を示します(USDCAD、M5、10 バー毎の平均化)

トレンド/フラットの開始/終了に対応する「最大イールドインディケータ」maxima

図6 トレンド/フラットの開始/終了に対応する「最大イールドインディケータ」maxima(USDCAD、M5、10 バー毎の平均化)

将来的利用のための考え:インディケータ(マーケット活動)は上記の平均値を増やし始め、その後収益性のあるポジションをクローズし、収益性のないポジションを去ります。マーケットは変動しています。インディケータが平均値を下回ると、収益性あるポジションを去り、収益性のないポジションをクローズします。もっとも近い将来マーケットは変動しません。ただこの考え方に対しては別途調査が必要です。

作成されたアルゴリズムの実装には技術的技能が必要です。コメント付の EA コードは本稿の添付(lottery.mq5)にあります。

 

6. Expert Advisor の最適化

EA はストラテジーテスタで利用可能な指定のトレーディング条件に対して最適化される必要があります。条件:初期デポジット- $5,000、レバレッジ-1:100、日付- 1 年、くじ当選- $100,000、最大ベット- 5 ロット、通貨ペア- EURUSD、「ストップアウト」レベル- - 50%

MetaTrader 5 クライアント端末に提供されているExpert Advisorsの最適化はわれわれには適切ではありません。実際、最適化中くじ当選確率を最大化する必要があります。このためには EA を 1000 とおりの異なる履歴で実行し勝利/敗北比率を計算する必要があります。履歴のある部分で EA を実行することには意味がありません。それは勝利か敗北をもたらし、残高状態は事前に解っています。$0 か $100,000 のどちらかです。

1000 件もの履歴について EA を手動で実行するのは退屈なので別の方法でこれを行います。マーケットに入る方向を判断するには、EA は無作為な売り/買いのシーケンスを作成する乱数ジェネレータを利用します。1件の履歴について1,000の異なる売り/買いシーケンスで EA を実行します。もちろんこれは1,000件の異なる履歴についての実行と同じではありませんが、ひじょうに近いものです。

時間 T のようなパラメータをいくらか最適化するためには、T の各値に対して1,000個の異なる売り/買いシーケンスを実行し勝利の確率を判断します。このためにパラメータ2つに最適化の低速完全アルゴリズムを選択します。2つのパラメータとは時間 T とくじ券番号、すなわちランダムシーケンスです。

最適化結果を Excel にエクスポートしグラフを描きます。

図7 時間 T に依存するくじ当選確率。横軸:わずかな戦略タイムアウト、すなわち1トレードの時間 縦軸:その時間 T での勝利確率

図7 時間 T に依存するくじ当選確率。横軸:わずかな戦略タイムアウト、すなわち1トレードの時間 縦軸:その時間 T での勝利確率

図7 を見て、最適時間 T を判断します。勝利の最高確率はおおよその時間 T = 350,000 秒に対応します。グラフは前述の図3での理論的推定に似通っています。T の値が小さいと勝利の確率は実質的にゼロである、というものです。グラフ形式は履歴期間と長さに依存します。グラフはつねに約 500,000 秒という大きな時間値に向かって落ちていきます。

「テイクプロフィット」の最適化値を判断するために、残高と資金のグラフを観測し、ひじょうに大きな資金放出のときにだけ「テイクプロフィット」が起こるようにします。最大残高による「テイクプロフィット」定数を最適化することには意味がありません。大きな放出はひじょうに稀で、たぶん EA が機能する全時間中に一度程度、あるいはもっと稀かもしれません。最大残高で最適化を行っても、この規定の履歴価格に調整するだけでしょう。

 

7. Expert Advisorのチェック

EA のクオリティーを判断するために、異なる 10,000 個の売り/買いシーケンスで実行します。Excelで最適化結果の表を開きます。そして勝利/敗北比率を計算し描画します。

計測結果からわれわれの Expert Advisorは 0.045 の確率と理論的限界 0.05でくじに当選します($100,000以上の獲得します)。Expert Advisor は 0.88の確率でくじに外れます($150未満を獲得します)。残りの確率 0.075 は $150 と $100,000の間の残高に相当します。0.1 の確率でExpert Advisor は初期デポジットの$5000よりも多くの資金を獲得します。

図8 トレード数に応じた勝敗確率

図8 くじ時間横軸-トレード数縦軸-既定のトレード数に対するくじ当選確率

図8はトレード数に応じた勝敗の確率を示す曲線を表示しています。ブルーの線-一般的ケースのトレード数、赤線-勝利トレード数通常、くじは最後には20トレード(2か月、1トレード= 350,000秒)の敗北で終わります。くじは6か月以上(60~70トレード)かかります。勝利はたいていくじ期間 3~5 ヶ月(30~50トレード、赤線)の間です。

 

おわりに

指定のトレーディング条件について最適化された Expert Advisor を作成しました。EA はすべての選択肢のなかからもっともシンプルな方法を選んで書かれています。Expert Advisor にはあきらかに賛否両論があると思います。

賛成

  • 独りでくじができる。何百万枚のくじ券を販売する必要がない。
  • くじ券の価格(初期デポジット)と勝利比率を選択することができる。
  • 勝利の確率は事前に判っており、それは理論的限界に近い。
  • 勝利結果は無料で利用可能な ForEx 履歴に統合されたものでチェックできる。

反対

  • くじ期間が数か月とひじょうに長い。トレーディング条件により時間が制限される。
  • 可能な『くじ券価格』/『勝利』比率が約 1:10と小さい。
  • 高額な初期デポジットが必要である。

開発者の多大な努力にもかかわらず、ミニアルゴリズムの実装にさえ、簡単ではない構想、数学的知識、MQL5 言語知識が要求されます。が、開発者の努力のおかげでそれでも実装が可能なのです。

MetaQuotes Software Corp.によりロシア語から翻訳された
元の記事: https://www.mql5.com/ru/articles/336

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lottery.mq5 (8.99 KB)
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