21日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。
・新日鉄住金の切り返しが中国関連への買戻しに向かわせる
・ドル・円は119円87銭付近、日本株の堅調受け底堅い
・クラリオン<6796
>、パイオニア<6773>、JVCKW<6632>などカーナビ関連が軒並み上昇
新日鉄住金の切り返しが中国関連への買戻しに向かわせる
日経平均は続伸。148.00円高の18355.15円(出来高概算9億7000万株)で前場の取引を終えた。20日の米国市場は小幅に下落。この流れからシカゴ日経225先物清算値は大阪比変わらずの18210円となるなか、日経平均は小安く始まった。ただし、その後はファナック<6954>、TDK<6762>、京セラ<6971>、東エレク<8035>、ホンダ<7267>、ソニー<6758>などが上げ幅を拡大させるなか、日経平均は上昇に転じている。
そのほか、予想を上回る4-9月期決算を発表した安川電<6506>が買われたほか、今期経常3割減との報道が嫌気された新日鉄住金<5401>が売り先行後に上昇に転じたことも市場のムードを明るくさせた。東証1部の騰落銘柄は、値上がり数が1200を超えており、全体の6割を占めている。セクターでは鉄鋼、非鉄金属、電気機器、機械、パルプ紙、海運、保険などが堅調。半面、医薬品、食料品、不動産、小売、鉱業などが利食いに押されている。
日経平均はレンジ内での推移ではあるが、新日鉄住金<5401>の切り返しなど、やや意外感のある上昇となっている。アク抜け的な流れの中、他の中国関連等への買戻しに向かわせている。中国では26日から開催される第18期中央委員会第5回全体会議に対する期待が高まりやすいこともあり、引き続き買い戻しが意識されそうだ。
一方で、医薬品や食料品、不動産、小売などは弱く、リターン・リバーサルの流れ。中小型株の一角なども利食いが強まっている銘柄が散見されており、リターン・リバーサルの流れにうまくつくことが必要である。その他、テーマ株では政策絡みのほか、ホンダ<7267>の自動運転の計画が伝わったこともあり、カーナビなどの関連銘柄への物色が引き続き注目されよう。
(株式部長・アナリスト 村瀬智一)
ドル・円は119円87銭付近、日本株の堅調受け底堅い
ドル・円は119円87銭付近で推移。日経平均株価が堅調地合いとなったことを受けた値動き。
ドル・円は前日海外市場からじり高となっており、東京市場では119円84銭で寄り付いた後、日経平均の上昇を受け、119円96銭まで値を上げた。中国株は小幅安で推移しているが、株価反転の可能性は残されており、リスク選好的なドル買いが縮小するとの見方は少ない。
ランチタイムの日経平均先物は、上昇幅をやや広げていることから、午後の取引でドル・円は小幅に上昇する可能性があろう。
ユーロ・ドルは底堅い動き、1.1344ドルから1.1368ドルまで上昇。また、ユーロ・円は下げ渋り、135円93銭から136円30銭で推移した。
12時24分時点のドル・円は119円87銭、ユーロ・円は136円19銭、ポンド・円は185円12銭、豪ドル・円は87円12銭で推移している。
(為替・債券アナリスト 吉池威)
後場のチェック銘柄
・ファナック<6954>、京セラ<6971>、東エレク<8035>の中国関連が日経平均押し上げ
・クラリオン<6796>、パイオニア<6773>、JVCKW<6632>などカーナビ関連が軒並み上昇
・前日急落した長谷工<1808>は本日も弱含む
後場の注目スケジュール