勝率95%超は、EAの宣伝文句として最も効果的な数字であると同時に、口座破綻を最も確実に予告する数字でもあります。これは偶然ではありません。この記事では、その仕組みを購入前に見抜けるように解説します。
その数字はこうして作られる
レシピの材料は3つです。第一に、極小の利確幅。1ポジションあたり数pips・数ドルで決済するため、ほぼ全ての取引がすぐにプラスで閉じます。第二に、ハードストップの不在。含み損のポジションは決して損切りされず、保有・ナンピン・ヘッジで価格の戻りを待ちます。第三に、残高に比例して増えるロット。口座が育つほど、積み上がるポジションも重くなります。決済済みの取引は小さな本物の勝ちですが、リスクの全ては含みポジションに宿っており、勝率という統計はそれを一切数えません。
資産曲線が「壊れる瞬間まで完璧」に見える理由
この構造では、残高曲線は滑らかな右肩上がりの直線になります。残高は決済済みの取引しか記録しないからです。真実を語るのは有効証拠金曲線です。価格がポジションの山から離れてトレンドするたびに深く沈み、ある日、トレンドが十分に走った時点で含み損が口座を超えます。段階的な警告はありません。このシステムは劣化しないのです。動き、動き、動き続けて、たった一度のイベントで口座を消します。95回の小さな勝ちは、制御されない1回の負けに耐えられません。
バックテスト期間のトリック
公開バックテストでこの破綻を目にすることはまずありません。破綻が映らないように期間が選ばれているからです。暴落の後に始まり、次の暴落の前に終わるテストは、途切れのない曲線を見せます。数字は本物で、印象だけが嘘です。不自然に限定された期間のレポートを見たら、その期間のすぐ外で何が起きたかを問うてください。ハードストップの無い戦略ほど、入手可能な最悪の相場を通して検証しなければなりません。その破綻は稀で、かつ全損だからです。
正直な数字はどう見えるか
全ポジションにハードストップを置くトレンドフォロー型は、勝率が50%を大きく下回るのが普通です。小さく制御された負けを多数、大きな勝ちを少数。残高曲線は不格好で、横ばいの期間や連敗が丸見えです。そして有効証拠金曲線は残高曲線とほぼ同じ形になります。含みポジションに何も隠れていないからです。これがトレードオフです。見栄えの悪い統計と引き換えに、最悪ケースに上限が付きます。当社は自社のトレンド型EAで50%未満の勝率をそのまま公開しており、それを恥ではなく仕様と考えています。
購入前に確認すべきこと
勝率は無視してください。代わりに問うべきは、全ポジションにハードストップがあるか、最大ドローダウンが残高ではなく有効証拠金で報告されているか、バックテストに危機の期間が含まれているか、の3点です。答えが全てノーなら、その95%は実力の証拠ではありません。もう半分があなたの口座でできている構造の、見えている半分にすぎないのです。
正反対の設計の一例(ハードストップ・勝率50%未満・複数市場分散): https://www.mql5.com/en/market/product/182751
全EAの実測バックテストデータ(プロフィットファクタ・有効証拠金ドローダウン・取引数・年別成績)を公開しています: fxea365.com/ea/ranking


