日本株は引き続き伸長 業績評価、円安の安心感からJTなど食料品や海運中心に上昇

日本株は引き続き伸長 業績評価、円安の安心感からJTなど食料品や海運中心に上昇

5 11月 2015, 16:22
Yamaguchi Katashi
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5日の東京株式相場は続伸。今期純利益と配当計画を増加させたJTなど食料品株が業種別上昇率のトップで、銀行や証券など金融株も順調、海運株、電機やゴム製品など輸出株の一角も高値で推移。好業績を評価する動きのほか、米国の年内利上げ見込みを受けた為替の円安推移、中国株の連騰も心理に好影響。

TOPIXの終値は前日比14.67ポイント(1%)高の1555.10、日経平均株価は18950銭(1%)高の1万911641銭。日経平均は午後の取引で一時240円高まで上昇した。

みずほ投信投資顧問の岡本氏は、「米利上げが日本経済に与える影響は市場はまだ不明で、具体的には材料視できていないが、円安を素直に好感している」と指摘。国内の企業業績については、見通しは厳しい状況ながら、「好業績銘柄については株価がしっかり追随している」と述べた。

米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長は4日、下院金融委員会で証言し、「現時点では米経済は順調だと考えている」と述べ、経済データで成長と物価の上昇が引き続き示されれば、12月利上げの「可能性」はあるとした。同日発表された米供給管理協会(ISM)の10月の非製造業総合景況指数は、59.1と前月の56.9から上昇。市場予想の56.5を上回り、過去10年間で2番目の高水準。給与明細書作成代行会社のADPリサーチ・ インスティテュートが発表した10月の米民間部門の雇用者数は、前月比182000人増。市場予想は18万人増、前月は19万人増に修正。

いちよしアセットマネジメントの秋野充成執行役員は、FRBが「米国の景況感は拡大しているので、年内に利上げする可能性は高い。雇用統計や物価が下がらなければ、やる可能性はある」とみている。米利上げ観測の高まりから、4日の米国株は下げる一方、米2年債利回りは2011年4月以来の水準まで上昇した。きょうのドル・円相場はおおむね1ドル=1214050銭付近と、前日の日本株市場の終値時点12111銭に対し円安で推移した。

 上海株は連騰、郵政グループ3社は好調続く

 また、中国上海総合指数は4.3%高と急激に上昇した4日に続き、きょうも一時3.6%高と連騰した。8月26日の安値からの上昇率は、強気相場への転換を示すとされる20%を超えている。大和証券投資情報部の三宅一弘チーフストラテジストは、8-9月は米国と中国の要因で下げたが、米国株は最高値圏まで戻ってきている。需給不安や企業業績への懸念で出遅れていた日本株も「それらが払しょくされてきた。比較的安くなっている」と述べている。

三菱UFJモルガン・スタンレー証券によると、2日現在で4-9月期の売上高経常利益率は全産業で7.9%と04年度以降のピークを上回っている。業種別では建設、繊維、化学、ガラス・土石製品、電機、陸運、サービスがピークを更新しており、東証1部企業の15年度経常利益予想は、前年度比13.4%増とアナリスト予想を7.8ポイント下回るが、増益は維持している。大和証の三宅氏は決算について、「二極化している。内需系は強く、外需でも米国に関連する企業は強い」と語った。

東証1部33業種は食料品、海運、非鉄金属、金属製品、倉庫・運輸、証券・商品先物取引、銀行、その他金融、ゴム、電機など31業種が上昇した。石油・石炭製品と卸売の2業種は下落した。東証1部の売買高は245389万株、売買代金は3兆411億円。上昇銘柄数は1232、下落は573となった。

売買代金上位では前日新規上場した日本郵政、ゆうちょ銀行、かんぽ生命保険の郵政グループ3社はそろって上げ、代金上位を占有している。JTのほか、岩井コスモ証券が投資判断を「アウトパフォーム」に上げた塩野義製薬、上期増益の古河電気工業やヤマダ電機も高くなっている。一方、通期純利益と配当計画を下方修正した三菱商事は午後1時の発表後に急落した。7-9月期営業利益が予想を下回ったホンダ、一部報道を受け上期は900億円程度の営業赤字事実を認めた東芝は安く、顧客離れへの警戒感からタカタは大幅に下落した。

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