中国経済減速が製造業を中心に影響 「二極化」の様相も

中国経済減速が製造業を中心に影響 「二極化」の様相も

30 10月 2015, 18:35
Kadze
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主要企業の平成27年9月中間決算は順調だった。ただ、8月からの中国経済の減速は製造業を中心に業績に影響を与えている。急激に増加する中国人観光客の消費行動の恩恵を受ける業種もあるが、中国経済の減速は企業心理や業績に対して重荷となっている。

 「夏の状況を見ても、需要がまったく伸びてこない。前年比で約半減という状態が続いている」

 中国での建設機械の需要について、日立建機の桂山哲夫最高財務責任者(CFO)はこう語った。同社とコマツの建機大手2社の9月中間決算はともに減収減益。日立建機は、中国での不振が一因となり、28年3月期通期の業績予想の下方修正を迫られた。

 鉄鋼業界も中国減速の影響を色濃く受ける。新日鉄住金は通期の経常利益の予想を下方修正した。売上高に占める中国の割合は約1割と高くないが、生産過剰や内需低迷に苦しむ中国勢が東南アジアなどで安値販売を行い、全体の鋼材価格が下落。そのあおりで同社の収益も低迷した。

 日立製作所の中村豊明副社長も「(中国では)不動産投資が止まっており、28年1~3月期あたりにエレベーター事業にも影響が出てくる」と不安を表明した。

 一方、「爆買い」で知られる中国人観光客が利用する小売りなどは業績への影響が今のところ少ない。

 帝国ホテルは、主力の帝国ホテル東京で4~9月期の中国人の宿泊客数が1万4千人弱と、前年同期の8千人強から約7割増えた。宮新朋明取締役は「(中国人客の)著しい落ち込みはみられていない」と話す。

 百貨店やスーパーを展開するエイチ・ツー・オーリテイリングも「(中国減速の影響は)足元でみている限りはない」(森忠嗣取締役)という。

 ANAホールディングスは中国路線で、4~9月期は訪日客の旅客数が前年同期比で80%増と好調だった。ただ、平子裕志取締役は中国経済の動向について「(GDP成長率が)7%を切る状況で、どういう影響が出るのか見定めないといけない」と警戒感を示した。

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