当社EA 9本の公開済みMT5バックテストについて、決済済み取引を暦年ごとに分けました。各テストで、決済取引数がもっとも多い完全年(最多の年)と、もっとも少ない完全年(最少の年)を選び、同じテスト内でその年のリターンが何位だったかを調べました。問いは「取引数が最も多い年は、リターンも高い年になりやすいか」です。この記事はバックテストのみで、フォワード口座の数値は含みません。数値は2026-10-28時点です。
結論から
- 9本中8本で、最多の年のリターン順位は、そのテストの完全年のうち1〜3位です。GOLD KINGは最多の年がそのまま最良の年(7年中1位)。例外はBITCOIN COMETで、最多の年(2024年)は8年中5位です。
- 最少の年が最下位とは限りません。最下位は9本中2本(GOLD KING 7年中7位、ATLAS PORTFOLIO 7年中7位)。GOLD NEURONでは22年中18位で、2004年は39取引・-24.4%・プロフィットファクター0.2です。
- 取引数の多い年がそのまま低リスクの年、あるいは高リスクの年になるわけではありません。最多の年の決済残高ドローダウンが最少の年より大きいのは9本中4本、小さいのは残りの5本です。
- これは過去のテストでの一致の数え上げです。最多の年がなぜ好成績だったかは検証しておらず、取引数が増えるとリターンが上がるとは、この数字からは言えません。
数え方
- 決済済みの各取引は、決済した暦年に割り当てています。手数料とスワップを含みます。保有中のポジションは評価しないため、ここでの数値はすべて決済残高ベースです。
- 年のリターンは、その年の決済損益を年初の決済残高で割った値です。残高は各テストの初期証拠金から始まり、年どうしは金額でなく%で比べます。
- 最多・最少の年は、完全な暦年(1月〜12月)だけから選びました。テストが一部しかカバーしない年(8本の2026年)は除外しています。順位は、そのテストの完全年のうちリターンが何番目か(1が最高)です。完全年が6年のテストと22年のテストは同じ尺度ではありません。
- 年のドローダウンは、その暦年内の決済残高の山から谷への最大下落で、年初の残高を最初の山とします。保有中の取引を含む有効証拠金のドローダウンより小さく出ます。テスト全体のドローダウンではありません。
- TRINITYとAIFWはこの記事に含みません。公開バックテストの元レポートが内訳データに無く、年別に分けられなかったためです。
表
EA | テスト期間とデータ | 完全年 | 最多の年 | 取引数 | リターン | PF | その年の決済残高DD | リターン順位 | 最少の年 | 取引数 | リターン | PF | その年の決済残高DD | リターン順位
GOLD NEURON | M30, 2004.01.01-2026.09.01, 100% real ticks | 22 | 2008 | 229 | +104.9% | 1.45 | 22.0% | 3/22 | 2004 | 39 | -24.4% | 0.2 | 24.4% | 18/22
GOLD KING | M1, 2019.01.01-2026.06.01, 5% real ticks | 7 | 2025 | 655 | +164.5% | 4.8 | 7.5% | 1/7 | 2021 | 215 | +36.2% | 13.56 | 1.0% | 7/7
DONCHIAN ENGINE (free) | H1, 2017.01.01-2026.06.01, 100% real ticks | 9 | 2022 | 76 | +34.8% | 2.32 | 4.4% | 2/9 | 2025 | 56 | +11.2% | 1.64 | 4.5% | 4/9
MEGAMAX DONCHIAN (USDJPY) | H1, 2017.01.01-2026.06.01, 100% | 9 | 2022 | 76 | +106.4% | 2.03 | 11.1% | 2/9 | 2025 | 56 | +17.0% | 1.61 | 9.2% | 6/9
ATLAS PORTFOLIO | H4, 2019.01.01-2026.06.28, 100% | 7 | 2024 | 185 | +116.8% | 1.79 | 14.7% | 2/7 | 2020 | 95 | +10.6% | 1.16 | 11.6% | 7/7
ETHEREUM TREND | H4, 2019.01.01-2026.06.28, 100% real ticks | 7 | 2025 | 28 | +71.9% | 4.31 | 3.8% | 2/7 | 2022 | 12 | +6.9% | 1.47 | 8.3% | 4/7
GOLD TRIPWIRE | M15, 2020.01.01-2026.10.14, 11% real ticks | 6 | 2022 | 109 | +45.9% | 2.68 | 4.3% | 2/6 | 2020 | 82 | +31.1% | 1.53 | 9.8% | 4/6
GOLD VIPER | M30, 2019.01.01-2026.09.01, 8% real ticks | 7 | 2021 | 1567 | +130.9% | 1.72 | 15.9% | 3/7 | 2019 | 1165 | +107.3% | 1.78 | 10.5% | 5/7
BITCOIN COMET | H4, 2018.01.01-2025.12.31, 98% | 8 | 2024 | 115 | +43.8% | 1.63 | 14.1% | 5/8 | 2018 | 51 | +111.3% | 2.65 | 16.6% | 4/8
最多の年の順位を完全年数に対する割合で並べ、上位から表示。MEGAMAX DONCHIANとDONCHIAN ENGINEは、最多・最少の年と取引数が同じ(2022年76、2025年56)ですが、リターンは異なります。全列とも同じ取引明細の年別集計から取っています。テストごとに期間とデータ品質が違うため、順位は完全年数と見比べ、EAどうしの優劣には使わないでください。
GOLD KINGとATLAS PORTFOLIO: 最多の年は上位、最少の年は最下位
GOLD KINGは最多の年である2025年に655取引で+164.5%。完全年7年のうち最高で、年内の決済残高ドローダウンは7.5%です。最少の年の2021年は215取引で+36.2%と7年中最低、ドローダウンは1.0%でした。ATLAS PORTFOLIOも同じ形で、2024年は185取引・+116.8%(7年中2位)、2020年は95取引・+10.6%(7年中7位)です。
どちらも最多の年のほうがドローダウンも大きくなっています。GOLD KINGは7.5%対1.0%、ATLAS PORTFOLIOは14.7%対11.6%です。GOLD KINGの数値は暦年別の決済残高ベースです。保有中の取引を含むテスト全体の最大相対有効証拠金ドローダウンは、MT5レポートで91.3%です。
BITCOIN COMET: 例外
BITCOIN COMETの最多の年である2024年は115取引で+43.8%(8年中5位)、ドローダウンは14.1%。最少の年の2018年は51取引で+111.3%(8年中4位)、ドローダウンは16.6%でした。最少の年のほうが最多の年より稼いだのは、このテストだけです。
GOLD NEURON: 22年、もっとも差が大きい
GOLD NEURONはテストがもっとも長く(M30、2004.01.01-2026.09.01)、取引数の幅も最大です。2008年は229取引、2004年は39取引でした。2008年は+104.9%(22年中3位)・ドローダウン22.0%。2004年は-24.4%・プロフィットファクター0.2・ドローダウン24.4%で、ドローダウンが損失と等しい、つまり決済残高は年の安値で終わっています。2つの年は18年離れているため、この差を取引数だけの効果とは読みません。
EAを判断する前の使い方
- 取引数が少ない年を弱い年のしるし、多い年を強い年のしるしとは読まないでください。これらのテストでは一致は多いものの全てではなく、BITCOIN COMETは逆でした。
- バックテストレポートに年別の数値があるときは、同じ年の取引数・リターン・ドローダウンをまとめて読みます。
- 取引数が少ない年は標本が小さくなります。ETHEREUM TRENDの最少の年は12取引でした。そのような年から勝率やプロフィットファクターの結論は出しません。
- この記事は過去のテストについてのものです。将来の結果を約束するものではありません。
- 当社が公開しているフォワード口座はすべてデモ口座で、この記事では使っていません。
この記事でとくに取り上げた2本のEA: GOLD KING https://www.mql5.com/en/market/product/180879 · GOLD NEURON https://www.mql5.com/en/market/product/187329
公開しているバックテストには、期間・残高・設定を明記しています。フォワード口座は、表示するたびにデモ口座と明記しています。全EA一覧: fxea365.com/ea/ranking


