焦点:中国減速が企業に戦略再考迫る

焦点:中国減速が企業に戦略再考迫る

9 11月 2015, 14:32
Kadze
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中国経済の減速により、多国籍企業は世界第2位の経済大国である中国を、先進国市場のように扱わなければならなくなった。もはややみくもに同国への投資を行うのではなく、事業のプレミアム化や、人材投資による生産性の向上を行っている。


過去10年間、世界経済成長の主な原動力であり続けた中国は、他国が伸び悩む中、利益押し上げを求める多国籍企業にとって「天の恵み」だった。


しかし中国政府は現在、習近平国家主席が「ニューノーマル(新常態)」と呼ぶ、より持続可能な成長へと自国経済のリバランスへ舵を切っている。2015年の成長率が約7%と、四半世紀ぶりの低水準になる中、多くの企業が今期の決算の不振の理由に中国を挙げている。


「私たちは新しい段階、低成長を伴うニューノーマルの時代に入った。これはビジネスの活力や見通しを変える」と、米自動車大手フォード・モーター(F.N)の中国法人フォード・チャイナのジョン・ローラー最高経営責任者(CEO)は、上海で開かれた米企業会議で述べた。

過去数週間で、業績の下方修正を中国の弱い需要が原因だとする企業は、英高級品ブランドのバーバリー(BRBY.L)や「ケンタッキー・フライド・チキン(KFC)」などを展開する米ファストフードチェーン大手ヤム・ブランズ(YUM.N)、米コンピューターサービス大手IBM(IBM.N)や日本の産業用ロボットメーカー安川電機(6506.T)など多数の企業があがる。


10月に発表された日本の9月貿易統計では、輸出が伸び悩み、赤字になる。韓国第3・四半期の輸出は前期比0.2%減と、1年ぶりのマイナスになる。いずれも中国経済の減速が影響している。


建設や鉱業関連の企業が一番危機感を感じている。米重機メーカーのキャタピラー(CAT.N)は、最大1万人の人員削減を計画しており、2016年の設備投資予定額が2012年の水準の半分以下になるようだ。また、米航空機エンジン・機械大手ユナイテッド・テクノロジーズ(UTX.N)は、同社の中国事業が来年15%落ち込む可能性があると見込んでいる。

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