債券トレーダーからは世界中どこを見ても悲観的との観測

債券トレーダーからは世界中どこを見ても悲観的との観測

2 11月 2015, 18:30
Kadze
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債券トレーダーに世界経済の見通しを聞くと、ロンドン・東京・ニューヨークからも全て悲観的な回答が返ってくるだろう。

国債市場を見渡せば、今後数年は世界の経済成長率とインフレ率が緩やかに推移することが分かる。

欧州では利回りがゼロを下回る債券が1兆9000億ドル(約229兆円)まで増加し、満期5年以内のユーロ圏国債指数の平均利回りは初めてマイナスとなった。世界を見渡しても、債券市場におけるインフレ見通しは、ほぼ世界的な景気後退の時期に見られた水準だ。世界経済の中で唯一好調なアメリカでさえも、10年債利回りは2%付近と、予想を大きく下回っている。

アビバ・インベスターズの金利責任者チャールズ・ディーベルは、これらの現象は「将来に対する自信不足だ」と指摘。アビバは金融緩和を進める国の国債を薦めており、資源国の国債相場は下落すると考えている。

欧州にはデフレが長期化するリスクがあり、中国は利下げを実施し、アメリカ経済の減速懸念があるだけに、多くの投資家が悲観的になるのはやむをえない。さらに国債の安全性への需要は、欧州やアジア、多くの新興国の中銀が景気回復に苦労する中で、アメリカ当局が利上げに踏み切るべきかどうかという問題を投げかける。

安全資産に対する需要はヨーロッパで強く、ブルームバーグが集計した指数データによれば、ユーロ圏のソブリン債6兆3000億ドルのうち約30%は利回りがマイナスだ。過去1週間だけでも約5000億ドル相当の債券の利回りがゼロを下回り、ユーロ圏の期間5年以内の債券の平均利回りは過去最低のマイナス0.025%となった。

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