EAは、お金を払って買ったルールの集合です。そのポジションを手で閉じる、半分だけ利食う、ストップを動かす。そのたびに、検証済みのルール1つが、その瞬間に、圧力の下で、バックテスト無しに思いついたルールへ置き換わります。ここでは、「助けられた」EAの側で実際に何が起きるかを書きます。
EAは「あなたがやった」とは知らない
ほとんどのEAは、マジックナンバーと現在開いているポジションで自分の状態を管理しています。自分のマジックナンバーのついたポジションが消えると、コードはそれを決済と見なし、持っている論理で分類します。損切りされた、利確された、あるいは単に無くなった。書かれ方によっては、シグナルがまだ有効なので即座に再エントリーする、あるいは連敗カウンタが1つ進んで次のロットが変わる、といったことが起きます。部分決済はさらに厄介です。残った数量がEAの記憶している発注量と一致しなくなり、トレーリングやブレークイーブンの処理が想定外のサイズに対して働くからです。これらはバグではありません。コードはバックテストとまったく同じことをしています。バックテストに存在しなかった入力を与えたのはあなたです。
ストップを広げることが、15%のドローダウンをロスカットに変える
ストップロスがあるから、システムのリスクは「定義された」ものになっています。おそらく購入の決め手になった最大ドローダウンの数字は、すべての負け取引がストップで打ち切られていたからこそ存在します。「戻ってくるはずだ」とストップを広げる、あるいは外す。その瞬間、システムのリスクは数字ではなくなります。私たちの経験では、これが、過去ドローダウン15%のシステムを強制ロスカットされる口座に変える最も多い経路です。しかも初回には起きません。5回目か6回目です。それまでの4回は戻ってきて、「これは効く」と教えてしまっているからです。
トレンドフォローで早く利食うと、稼ぐ取引が消える
勝率35%のシステムで考えます。100回のうち65回が負け、仮に1Rずつ失うと−65Rです。35回の勝ちが合計で65R以上を稼いで、ようやく損益ゼロ。勝ち1回あたり平均で約1.9Rが要ります。しかしトレンドフォローの勝ちは均等ではありません。典型的な分布は、25回が1R、7回が3R、3回が8R以上。この3回だけで合計70Rのうち24Rを稼いでいます。「確定させたい」と早めに閉じると、すべての取引が1R前後で頭打ちになります。35R対、負けの65R。コードを1行も変えずに、利益の出るシステムを負けるシステムに変えたことになります。
正当な介入は1つだけ
ルールを壊さない手動操作が1つだけあります。あらかじめ、文章で、「取引しない」と決めておいたイベントの間、すべてを閉じてEAを止めることです。要点は「あらかじめ」です。この正当な版でも、記録は残してください。日付、時刻、閉じたポジション、その価格。記録がなければ、後で運用結果をバックテストと突き合わせることができず、差が相場のせいか自分のせいか分からなくなります。
どうしても介入するなら
・行動する前に理由を一文で書く。書けないなら理由ではない。
・一部ではなく全量を閉じ、そのチャートのEAを次のきれいな開始点まで止める。
・ストップは絶対に広げない。狭めるのも疑わしいが、広げた時点で定義されたリスクは終わる。
・チケット、時刻、価格、中断したときのEAの状態を記録する。
・頻度はごく稀に。毎週やっているなら、そのシステムを信用していないということで、正直な解決は「副操縦士になる」ことではなく「止める」ことです。
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