【個別銘柄】海運3社安い、アスクル下落、PC統合報道の富士通上昇

【個別銘柄】海運3社安い、アスクル下落、PC統合報道の富士通上昇

4 12月 2015, 13:00
Yamaguchi Katashi
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4日の日本株市場で、株価変動材料のあった銘柄の午前終値は次の通り。

海運3社:日本郵船(9101)が前日比2.9%安の307円、商船三井(9104)が4.4%安の308円、川崎汽船(9107)が2.8%安の241円。3日のばら積み船の運賃指標であるバルチック・ドライ指数は前日比2.7%安と2週ぶりの下落率となった。また、野村証券は3日付で市況前提を変更、業績予想を下方修正し3社の投資判断を「買い」から「中立」に引き下げた。2017年3月期の経常利益は3社とも今期予想からの減少を見込む。

アスクル(2678):4.7%安の4945円。3日発表した業績速報値を受けてみずほ証券では、9-11月期の連結営業利益が148000万円と会社計画比で上振れたものの、同証予想の17億円や市場予想の205000万円を下回ったと指摘。詳細は不明だが、テレビCM広告費がかさみ、値上げの一巡もあり収益性も第1四半期に復帰するとは期待しづらいと分析。今回の速報値で市場予想が低下する恐れから短期的な株価調整リスクに注意したいとした。

富士通(6702):2.7%高の648.7円。東芝、富士通、ソニーのパソコン部門が独立したVAIOの3社がパソコン事業を統合する検討に入ったと4日付の日本経済新聞朝刊が報道。また、同日付の読売新聞は東芝がPC事業を切り離し、富士通と合弁会社を設立する方向で交渉に入ったと報じた。三菱UFJモルガン・スタンレー証券では、富士通に最もポジティブな統合観測報道とみる。市場では富士通経営陣の構造改革への姿勢は評価するものの、遂行力に対しては期待が低かったと指摘した。

クミアイ化学工業(4996):3.1%高の1087円。1510月期の連結純利益速報値は65億円と、従来計画の34億円から上振れたと3日に発表。イハラケミカル工業株の追加取得で持分法による投資利益を計上した。

リコー(7752):2.3%安の1270円。SMBC日興証券は3日付で投資判断を「アンダーパフォーム」、目標株価を1100円でカバレッジを開始した。事業領域の拡大で経営資源が分散し、十分に制御しきれていない印象と指摘。生み出すキャッシュは事業領域拡大に投資されているが、十分売り上げや利益として歩留っておらず、フリーキャッシュフローは結果として低水準が続いているとした。

三井ハイテック(6966):3.8%安の689円。16年1月期の連結営業利益予想を20億円から前期比48%減の16億円に下方修正する、と4日に発表。供給先である半導体や家電業界の在庫調整などにより電子部品や電機部品事業での需要が減少すると見込む。期末配当計画は8円から6円に減額した。

久光製薬(4530):4%安の5090円。政府が16年度の診療報酬改定にあわせて検討している医療費の抑制策が明らかになり、医師が処方する湿布の処方を制限すると4日付の日本経済新聞朝刊が報道。1回当たりの枚数に制限を設けるほか、必要性が低いとみられる患者への処方を公的保険の対象から外す案があるという。

アルチザネットワークス(6778):2.7%安の644円。8-10月期の連結営業利益は前年同期比74%減の5900万円になった、と3日に発表。売上高は3割減となった。

 

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