日銀総裁によると物価2%目標、早期達成のコミットメントは不変

日銀総裁によると物価2%目標、早期達成のコミットメントは不変

22 11月 2015, 18:05
Yamaguchi Katashi
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日銀の黒田東彦総裁は19日の金融政策決定会合後の会見で、2%の物価目標を「2年程度を念頭にできるだけ早期に達成するコミットメント(約束)に変更はない」と語った。原油価格が急落しているが「目標達成が遅れると今から決める必要はない」と述べた。
日銀は 10月末の会合で、目標達成時期を2016年度前半から後半に延期した。しかし、政策運営の目安である消費者物価指数(生鮮食品を除いたコアCPI)が前年比で マイナスにもかかわらず、追加緩和を行わなかった。市場関係者の間では、日銀が「毎回の会合から2年程度で目標達成ができればよい、とする政策に変更した」との見方も出ていたが、総裁はこれを否定し、早期目標達成の希望を明らかにした。
もっ とも「量的・質的緩和(QQE)」がスタートした2013年4月からすでに2年半が経過しており、現時点でメドとしている16年度後半に2%が実現して も、のべ3年半かかっている。総裁は、当初から「2年の期間しか緩和を継続するとは言っていない」「期限を区切った政策でなく、物価目標を実現するまで継続する政策だ」と指摘し、緩和を続ける期間は重要ではなく実現できるまで継続することが重要と述べた。
原油価格の下落が11月に入りさらに勢いを増し、日銀が 指標とするドバイ産は足元40ドルと10月末時点の日銀想定(50ドル)から大幅に下落した。総裁は「目標達成時期は原油価格に依存する」と述べ、 16年度後半からのさらなる延期の可能性を否定しなかった。同時に、原油価格が「どうなるか分からないので直ちに2%達成時期が後ずれると今から決める必要 はない」と述べた。また、中国の原油輸入増を指摘し、原油下落は供給要因だと述べた。

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