高い代償 韓国・ポスコが創業以来の危機 新日鉄住金に高額な和解金支払いへ

高い代償 韓国・ポスコが創業以来の危機 新日鉄住金に高額な和解金支払いへ

3 11月 2015, 09:14
Yamaguchi Katashi
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韓国の鉄鋼最大手ポスコにおいて新日鉄住金からの技術盗用をめぐる訴訟で支払った 和解金が経営に大きな打撃を与えている。今年7~9月期の連結決算で最終的に赤字になった。韓国企業は2000年代半ばから697億円の赤字

 「創業以来、最大の危機」。韓国の新聞はポスコの現状を伝えている。

 朝鮮日報によると、同社は10月20日、今年7~9月期の最終損益が連結ベースで6580億ウォン(697億円)の赤字だったと報告した。円安による為替損失(3800億ウォン)や保有鉱山の評価損(3880億ウォン)と並んで、新日鉄住金に対する和解金2990億ウォン(約317億円)が影響した。

 ポスコが和解金を支払ったのは9月30日である。新日鉄住金も同日、日本と米国で起こして いた訴訟を取り下げ、和解の成立を公表した。

 訴訟対象となっていたのは、電気を家庭に送電する変圧器などに使われる「方向性電磁鋼板」である。新日鉄住金は新日本製鉄時代の12年4月、同社の複数の元社員からポスコが技術情報を不正に取得したとして、不正競争防止法に基づき986億円の損害賠償や製造販売差し止めを求める裁判を東京地裁に起こしていた。このほか、米ニュージャージー州連邦地裁にも同様の訴訟を提起していた。

 和解について新日鉄住金は「当初の目的をある程度満たすことができた」としている。ポスコによる方向性電磁鋼板の販売を制限できるほか、同社からの技術使用料収入が入るためだ。

 ハンギョレ新聞によると、両社はポスコが今後、同鋼板の輸出の際に技術使用料を新日鉄住金に支払い、各地域別の輸出の量も協議の上で決めることを合意した。

 ポスコにとっては、この打撃は一時的なものにとどまらない。同社は安価な中国製鋼材とも競合しており、日中メーカーに挟み撃ちされているからだ。勢いよく成長を遂げてきたが、その裏で「産業スパイ」の存在も指摘されていた。ポスコの状態はそのような手口が失敗することを示す。

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