Inside of Sippoo Supply Demand
どのようなプロセスで Sippoo Supply Demand がラインを算出しているのか説明します。
Step1
このインジケーターはVAP(Volume At Price)だけを材料として、すべての計算を行っています。こちらはVAPのヒストグラム部分を表示したものです。
説明のために縦横を入れ替えます。データ内容は同じです。
Step2
KDE(カーネル密度推定)にて確率分布を求めます。この際のバンド幅はAMISEを基準に自動決定されます。また利用者が直接バンド幅を調整できるように入力パラメーターとしてスムージング係数を設けています。先ほどのバンド幅にその係数を掛けたものが最終的に使用されます。
Step3
確率分布からノイズを除去した上でクラスタリングを行います。
Step4
それぞれのクラスターに分割できたので、いよいよ均衡価格帯の境界を特定する方法について説明します。ここでは例として次のデーターを使用します。
このやっかいな歪みを持つ確率分布を簡単に扱うためにCDF(累積分布関数)に変換します。 CDFは確率密度を積み重ねたもので、密度関数の増減とCDFの凸凹が対応します。
Step5
確率密度が大きく減少したところに対応してCDFも大きなエルボーを作るので、そのエルボーが無くなる位置を探索的に繰り返して求めます。
この方法で出来高が増加し始めた地点を特定することができます。
Step6
それではすべてのクラスターについても均衡価格帯の境界を求めてみましょう。結果は次の通りです。
最後に
Sippoo Supply Demand の内部について説明しました。複雑さを避けるために飛ばしたところもありますが、主要なプロセスは実際にこのとおりになっています。せっかく苦労して作ったので、ある程度は内容が分かった上で使って頂きたいという思いから、支障のない範囲でロジックを公開しました。最後まで読んで頂き有難うございます。