記事「取引システムの構築(第1回):定量的なアプローチ」についてのディスカッション

 

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多くのトレーダーは短期的なパフォーマンスに基づいて戦略を評価し、利益を生むシステムであっても早い段階で手放してしまうことがよくあります。しかし、長期的な収益性は、最適化された勝率とリスクリワードレシオ(RRR: Reward-to-Risk Ratio)によって形成されるポジティブな期待値、そして規律あるポジションサイジングに依存しています。これらの原則は、バックテストの結果をもとにPythonでモンテカルロシミュレーションをおこなうことで検証することができ、戦略が時間の経過とともに堅牢であるか、もしくは破綻する可能性が高いかを評価するうえで役立ちます。

安定して利益を上げる取引システムは、次の3つの主要な柱の相互作用に基づいています。

  1. 勝率
  2. リスクリワードレシオ(RRR)
  3. リスク量(ポジションサイズによる)

これら3つの変数は、プロフィットファクター、リカバリーファクター、ドローダウンといった主要なパフォーマンス指標の根本的な要因となります。しかし、多くのトレーダーは勝率にばかり注目し、RRRやポジションサイジングの重要性を見落としたまま、自身の(自動)取引システムの有効性を評価してしまいます。

長期的に市場で生き残り、最終的に成功するためには、自分の取引優位性の構造、すなわち「勝率」「RRR」「それらに対応する最適なポジションサイズ」の関係性を理解することが不可欠です。

本記事では、トレーダーがバックテストの統計結果をモンテカルロシミュレーションに取り入れることで、戦略を長期的な観点から評価する方法を解説します。このアプローチにより、幅広い結果のシナリオを生成し、システムを「継続すべきか」「改良すべきか」「破棄すべきか」を判断するための信頼性を高めることができます。


作者: Daniel Opoku