記事「取引におけるニューラルネットワーク:対照パターンTransformer(最終回)」についてのディスカッション

 

新しい記事「取引におけるニューラルネットワーク:対照パターンTransformer(最終回)」はパブリッシュされました:

本連載の前回の記事では、Atom-Motif Contrastive Transformer (AMCT)フレームワークについて取り上げました。これは、対照学習を用いて、基本要素から複雑な構造に至るまでのあらゆるレベルで重要なパターンを発見することを目的とした手法です。この記事では、MQL5を用いたAMCTアプローチの実装を引き続き解説していきます。

通常通り、モデルの学習は2023年の全期間をカバーする事前収集済みのトレーニングデータセットでオフラインで実施します。トレーニングは反復的に実行されます。数回の反復後、トレーニングデータセットが更新されます。これにより、現在の方策に基づくエージェントの行動を最も正確に評価できます。

学習の結果、トレーニングセットおよびテストセットの両方で利益を生み出せるモデルを得ました。ただし、ひとつ注意点があります。得られたモデルは非常に少数の取引しかおこないません。テスト期間は3か月にまで延長しました。以下にそのテスト結果を示します。

結果から分かるように、3か月のテスト期間中、モデルはわずか21回のトレードを実行し、そのうち約半数が利益確定となりました。残高グラフを見ると、最初の1か月半ほどは上昇し、その後は横ばいの動きとなっています。これはまったく予想通りの動作です。私たちのモデルは、トレーニングデータセットに存在する市場状況からのみ統計を収集します。統計モデルとして、トレーニングセットは代表性が必要です。残高グラフから、1年分のトレーニングデータセットは、約1.2か月から1.5か月先までの代表性を提供していると結論付けられます。


作者: Dmitriy Gizlyk