MQL5ネイティブで開発されたCandlestick Probability EAは、ローソク足データをリアルタイムかつ銘柄別の確率情報へと変換する、軽量で実用的な分析ツールです。本EAは、バー確定時にピンバー、包み足、および十字線といったパターンを分類し、ATRを考慮したフィルタリングや、任意でブレイクアウト確認をおこないます。さらに、各パターンについて、純粋なフォロー率および出来高加重フォロー率を算出することで、特定の銘柄や時間足における典型的な結果を把握することが可能です。チャート上のマーカー、コンパクトなダッシュボード、インタラクティブな切り替え機能により、検証作業や分析対象への集中を容易にします。また、詳細なCSVログをエクスポートできるため、オフラインでの検証や追加分析にも対応しています。本EAを活用することで、確率プロフィールの構築、戦略の最適化をおこない、ローソク足パターン認識を定量的な優位性へと変換できます。
新しい記事「プライスアクション分析ツールキットの開発(第43回):ローソク足の確率とブレイクアウト」はパブリッシュされました:
本記事では、十字線、包み足、ピンバーという3つの代表的なローソク足形状について確率分析をおこない、異なる通貨ペアや金融商品において、それらが価格変動にどのような影響を与えるかを測定します。これらのローソク足は、トレンドの継続または反転を示唆することが多いとされています。たとえば、下降トレンド中に強気のピンバーや強気の包み足が出現した場合、上方向への反転の可能性を示すことがあります。逆に、上昇トレンド中では、弱気のピンバーや弱気の包み足が下落への反転に先行することがあります。十字線は一般的に迷いを表します。強いトレンドの途中では、一時的な停滞の後にトレンド継続を示す場合があり、重要な支持線または抵抗線付近や大きな値動きの後では、反転の兆候となることもあります。一方、レンジ相場や出来高の文脈がない状況で形成された十字線は、多くの場合中立的な意味合いに留まります。
多くの市場参加者が直面する問題の一つが、早すぎるエントリーです。たとえば、強気のピンバーを確認してすぐに買いを入れたものの、市場が反転せず、結果的に不利なポジションを抱えてしまうケースです。同じローソク足形状であっても、銘柄や時間足によって反応は異なり、特定のパターン後に高いフォロー率を示す市場も存在します。このEAは「確率分析ツール」として設計されており、過去のバーをスキャンし、特定の通貨ペアおよび時間足において、各パターンがどの程度の頻度で継続、反転、またはブレイクアウトの成功につながるかを定量化します。この実証的な視点により、プライスアクションを用いる取引者は、自身が取引する市場において、どのパターンが反転や継続のシグナルとして信頼性が高いのかを把握できます。
上図を詳しく見ると、Aでは強気の包み足が形成され、その後価格が上昇しており、期待通りの結果が確認できます。Bでは十字線の後に弱気のピンバーが出現し、市場は売り手有利に進行しており、弱気シグナルが有効であったことを示しています。同様に、Cでは弱気の包み足が売りを示唆し、期待通りの下落が発生しています。
作者: Christian Benjamin