記事「共和分株式による統計的裁定取引(第3回):データベースのセットアップ」についてのディスカッション

 

新しい記事「共和分株式による統計的裁定取引(第3回):データベースのセットアップ」はパブリッシュされました:

本記事では、新しく作成したデータベースを更新するためのMQL5 Serviceのサンプル実装を紹介します。このデータベースはデータ分析や、共和分関係にある株式バスケットの取引に利用されます。データベース設計の根拠についても詳しく説明し、参照用としてデータディクショナリを文書化します。さらに、データベースの作成、スキーマ初期化、市場データ挿入のためのMQL5とPythonのスクリプトも提供します。

私たちのエキスパートアドバイザー(EA)は、現在使用しているポートフォリオ比率がまだ適用可能か、あるいは変更されているかをリアルタイムで把握する必要があります。もし変更されていれば、EAはできるだけ早く新しい比率を知らされなければなりません。また、そもそもモデル自体が依然として有効かどうかも把握すべきです。有効でない場合、どの資産を入れ替える必要があるのかをEAが知り、アクティブなポートフォリオに対して速やかにローテーションを適用すべきです。

これまで私たちはMetaTrader 5のPython連携とstatsmodelsライブラリの信頼性の高い統計関数を利用してきましたが、リアルタイムデータのみを使い、その都度必要な時に価格データをダウンロードする方法で作業してきました。この方法はシンプルであるため探索段階では有用です。しかし、ポートフォリオをローテーションしたり、モデルやポートフォリオ比率を更新したりすることを考えると、データの永続化について検討を始める時期に来ています。つまり、必要な度にデータをダウンロードするのは実用的ではないため、データをデータベースに保存する必要があります。さらに、最初の共和分検定では関係のなかった銘柄や、異なるアセットクラス間の関係を調べたい場面も出てくるでしょう。

高品質でスケーラブル、かつメタデータが豊富なデータベースは、真剣な統計的アービトラージ戦略の中核となるものです。データベース設計は、各ビジネスの要件に適合しているかどうかが重要となる、非常に固有性の高い作業です。本記事では、統計的アービトラージ向けデータベースを構築するための一つのアプローチを紹介します。


作者: Jocimar Lopes