記事「プライスアクション分析ツールキットの開発(第27回):移動平均フィルター付き流動性スイープツール」についてのディスカッション

 

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価格変動の微妙なダイナミクスを理解することは、大きなアドバンテージをもたらします。その代表的な例が流動性スイープです。これは、特に機関投資家のような大口トレーダーが意図的に価格を主要なサポートやレジスタンスレベルを突破させる戦略です。これらのレベルには、小口トレーダーのストップロス注文が集中していることが多く、大口プレイヤーはこの流動性の「ポケット」を活用することで、スリッページを最小限に抑えつつ、効率的に大きなポジションを建てたり決済したりすることができます。

大口の機関投資家は、偶然に市場に影響を与えているわけではありません。彼らの戦略は、多くの場合、よく知られたサポートやレジスタンスレベルを超えて価格を押し上げたり押し下げたりすることにあります。これにより、小口トレーダーのストップロスや未約定のエントリー注文を意図的に作動させるのです。この一時的な動きを「流動性スイープ」と呼び、大口投資家は市場の方向性に即座に逆らうことなく、有利な価格で大量のポジションを取得または解消することができます。

多くのリテールトレーダーにとって、これらの動きは「騙し」のように感じられます。価格が一時的に直近の安値を割り込み、ストップロスを刈り取ったあと、すぐに反発する場合もあります。逆にレジスタンスを上抜け、ストップを発動させてから急反落する場合もあります。大口プレイヤーがこの流動性を吸収し終えると、市場はしばしば元のトレンドに戻り、勢いを増して動き出します。こうした流動性スイープを早期に認識することで、無駄にストップアウトされるのを避け、機関投資家の流れに沿ったポジショニングが可能になります。

本記事では、こうした流動性スイープを検知するためのMQL5エキスパートアドバイザー(EA)を開発していきます。EAはまず、直近のスイングポイントを下抜け/上抜けした後にレンジ内へ戻ってクローズしたローソク足を分析し、流動性吸収の兆候を見つけます。また、任意のフィルター(ローソク足の色の変化や移動平均線によるトレンド確認など)を組み込み、シグナルが相場観に合致するかどうかを精査します。有効なパターンが検出されると、EAはチャート上に矢印やラベルで表示し、アラートも発生させます。 

作者: Christian Benjamin