記事「MQL5の圏論(第15回):関手とグラフ」についてのディスカッション

 

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この記事はMQL5における圏論の実装に関する連載を続け、関手について見ていきますが、今回はグラフと集合の間の橋渡しとして関手を見ていきます。カレンダーデータを再検討します。ストラテジーテスターでの使用には限界がありますが、相関性の助けを借りて、ボラティリティを予測する際に関手を使用するケースを説明します。

MQL5の経済指標カレンダーについては、圏論とデータベーススキーマを関連づけたときに説明したので、トレーダーとの関連性をここで改めて紹介することは適切ではありません。これをグラフ、つまり辺と頂点の列として表現するには、まず、圏に含めるニュースのサブセットを事前に選択する必要があります。経済指標カレンダーのWebサイトを見れば明らかなようにたくさんの項目から選ぶことができますが、下図のように、それらを結びつける緩やかな仮説に基づいて、例えば4つだけを選ぶことにします。


そうすると、私たちの仮説は、小売売上高は生産者PMIの数値の関数であり、生産者PMIはCPIに由来し、そのCPIは国庫入札のパフォーマンスの良し悪しに由来し、そのパフォーマンスも小売売上高に基づくと主張することになります。つまり、これは単なるサイクルであり、その真偽は記事の主題ではなく、経済指標カレンダーのデータから考えられるグラフの構成を説明するためのものです。

グラフには、頂点のペアの1つと頂点のインデックスとして機能する2つの単純なテーブルを作成することで複雑な相互接続システムを簡素化できるという利点があります。グラフを圏と見なすことができるのは、頂点をオブジェクト(始域)、辺を射と見なすことができるからです。余談ですが、前回の記事で見た線形順序とこれがどう違うかというと、その名の通り直線性です。グラフは、オブジェクトや始域が複数のオブジェクトに接続できるような、より複雑な接続に対応する傾向があります。

そこで、前回の線形順序の記事のように、この圏の個々のオブジェクトをS&Pのボラティリティ圏のオブジェクトとペアリングするのではなく、頂点のペアの行をS&Pの圏とペアリングすることにします。これは、S&Pが時間ベースであることを考慮すると、複数の行がS&P内の単一のオブジェクト(データポイント)と対になるようにバインドされているため、同型写像であることはできないことを意味します。また、始域オブジェクトが4つの要素(サイクル内の4項目のそれぞれの最新値)を構成することになります。

作者: Stephen Njuki