日銀総裁が物価2%目標、早期達成のコミットメントは不変と表明

日銀総裁が物価2%目標、早期達成のコミットメントは不変と表明

6 12月 2015, 10:32
Kadze
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日銀の黒田東彦総裁は19日の金融政策決定会合後の会見で、2%の物価目標を「2年程度を念頭にできるだけ早期に達成するコミットメント(約束)に変更ない」と述べた。原油価格が急落しているが「目標達成が後ずれると今の段階から決める必要はない」と述べた。

日銀 10月末の会合で、目標達成時期を2016年度前半から後半に延期した。一方、政策運営の目安である消費者物価指数(生鮮食品を除いたコアCPI)が前年比で マイナスにもかかわらず、追加緩和をしなかった。市場関係者の間では、日銀が「毎回の会合から2年程度の期間で目標達成が見通せればよい、とする政策運営に変わった」との見方も出ていたが、総裁はこれを否定、早期目標達成の意志を明らかにした。

もっ とも「量的・質的緩和(QQE)」がスタートした2013年4月からすでに2年半が経過しており、現時点でメドとしている16年度後半に2%が実現しても、のべ3年半かかることになる。総裁は、当初から「2年の期間しか緩和を継続するとは言っていない」「期限を区切った政策でなく、物価目標を実現するまで継続する政策だ」と述べ、緩和を続ける期間よりも実現できるまで継続することが重要と述べた。

原油価格の下落が11月に入り加速し、日銀 指標とするドバイ産は足元40ドルと10月末時点の日銀想定(50ドル)から大幅に下落した。総裁は「目標達成時期は原油価格で左右される」と述べ、 16年度後半からのさらなる延期の可能性について言及した。同時に、原油価格が「下落した

から直ちに2%達成時期が後ずれると今から決める必要はない」と述べた。さらに、中国の原油輸入増を指摘し、原油下落は供給要因だと分析した。