官民ファンドがテキサス新幹線に出資

官民ファンドがテキサス新幹線に出資

20 11月 2015, 19:24
Yamaguchi Katashi
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JR東海が新幹線の導入を目指している米南部テキサス州の高速鉄道計画で、日本政府の投資ファンドが、現地企業に3千万~4千万ドル(37億~49億円)を出資することを決定した。日本政府は経済成長のためインフラ輸出を積極的に推進しており、米国で初めての新幹線導入に向け追い風となる。

 この高速鉄道は、ダラスヒューストン間(約400キロ)を約1時間半で結ぶ。車両は、東海道新幹線で使われている「N700系」をベースにする。米運輸省による環境評価を来年実施し、2017年中に着工することを目指す。

 今回、出資を決めたのは海外へのインフラ輸出を後押しする目的で日本政府が昨年作った官民ファンド「海外交通・都市開発事業支援機構(JOIN)」。ファンドの経営陣が今月訪米し、出資への作業を進めていた。

 事業主体の「テキサス・セントラル・パートナーズ(TCP)」は今年7月、地元の不動産開発業者などから約7500万ドル(約92億円)の出資を集めた。TCPはファンドなどからの出資により、トンネルや橋などの路線の設計を進めていき、建設のための事業計画を作成する。

 最大の課題は、120億ドル(約1・5兆円)超と見込まれる事業費の問題だ。国際協力銀行(JBIC)も融資を検討中で、日本政府の出資を呼び水として、国内外から投資を集める方針である。